↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/17

2

「いいか、源。」


少し真剣味を帯びた声で慈鳥に名を呼ばれる。あ、これはきちんと聞かないといけないことだ。慈鳥の声色の変化は、少し分かってきた。


「法具は扱いが難しい。壊れたら簡単には修復は出来ない。だから機構で管理、保全をしているんだ。」


慈鳥の眼差しは、ただ厳しいだけではない。こちらがしっかりと理解できるということを分かった目だ。でも。


「慈鳥さんは修復、出来るっすよね。」


「私が特殊なんだよっ。」


間をおかずにそう返されると同時に脳天に痛みが走る。痛みが残る場所を手で押さえると恨めしそうに慈鳥を見上げた。


「しかも今回、持ち出したのは機構が一時的に預かっていた法具ですからね。」


と狸塚はわざとらしくすらりと長い指を額に置いて、演技がかったため息を吐いた。


「賠償金、いくらになるんでしょうか。」


まるで悲劇のヒロインかのように天を仰ぎ、真っ白なハンカチを取り出すと出てもいない涙を拭いた。慈鳥は狸塚の馬鹿げた様子に呆れ顔を浮かべている。


二人のことをじっと見つめながら、映像を頭の中で繰り返し再生する。


「そもそも俺、法具管理室なんて行ってないっすけど。」


首を傾げて見せると、二人は動きを止め顔を見合わせた。再びこちらに視線が向くと慈鳥は眉間に皺が、狸塚は口に手を当てて可哀想なものを見る目を向けた。


「ここまでとは。」


ため息混じりの慈鳥の言葉はどこか疲れている。


「お母様のお腹の中に記憶機能を置いてらっしゃったんですね。」


頷きながら憐れむように狸塚が肩に触れる。


「野中さんの時に使った小道具を探したとこには似てるっすけど。」


間髪入れず声を揃えて、そこだよ!と言われれば目を丸くしてしまう。すごく息が合うなと思ったら、それが顔に出ていたのか狸塚が掴んでいた肩に力を入れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。