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エドガーの回顧録  作者: 紡里


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恥ずかしいスキル

「女衒」という職業をご存じだろうか。

「ぜげん」と読む。女性を娼館へ送り込む仲介業者のことだ。


 十歳になると教会へ行き、誰もが「スキル」をもらう。職業や得意なことと関連していて、それが人生の指針となる。


 僕の番になって、担当の人が言いにくそうに教えてくれた。

「女衒とは何ですか?」

 初めて聞く言葉だったので、そう聞き返した。


「お家の人に教えてもらいなさい」

 そう言われて、次の子にその場を譲る。


 別室で待っていた父に話すと、「ああ」と(うめ)かれた。

「なんというか、ちょっとエッチな仕事かなぁ。あまり人前で言うんじゃないぞ」


 幼なじみのアーデンは「剛剣」だったらしい。

 格好よくて羨ましいと思う反面、戦闘系スキルじゃなくてよかったとも思う。情けないと言われても、痛い思いをするのは嫌だ。

 アーデンたちがチャンバラをやって、青あざを作っても笑っているのが、理解できない。


 村の自衛のために、武力が必要なのはわかっている。

 アーデンが村で自警団に入ってくれたら心強いんだけど、たぶん村を出て冒険者になるんだろうな。


 僕の人生はもう決まっている。父のあとを継いで村長になるんだ。

 冒険なんて、夢を見ていられない。


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