第四十九話 準決勝・・タッグになっていない試合
私とシンジはバトルフィールドにいる。
相手は両方とも精霊に頼りっぱなしの類の人たち。
一人はめがねをかけた内気な少年、リク。
もう一人は金髪の無口な少年、ロド。
中肉中背ってとこだね、二人とも。
そしてバトルが始まった。
「レルガ、いってくださぃ・・・」
「ロルガ・・いけ」
相手は精霊を出した。
レルガが炎属性。
ロルガが水属性。
性格とまるで違う相性の精霊を出す二人。
パートナーの精霊ではないことがよく分かる。
「フィオネ、ステージオン!」
「アーウィル、バトルスタンバイ」
私たちのほうは相手の相性に有利な二体の精霊を出した。
先攻はあっちから。
「・・こんなときによくこんな奴を出そう何て考える・・理解できない」
シンジは私に呟いた。
たぶん私が回復し切れていない状態で準決勝試合
だからだと思う。
こんな奴っていうのはフィオネのことだとすぐ分かる嫌味な発言だ。
シンジにしてはらしくない発言?かなぁ。
いや、そうでもないかな?
「 相性が良いから って言う理由だと
シンジは考えるんじゃないかなぁって私は思ったけど、
勘違い だった?」
私は聞き返した。
「・・・」
シンジは何も言い返してこなかった。
言い返せなかったのか、それとも
素直に自分が思ったことを口に出せなかったからなのか、
それは私には分かりかねなかった。
「レルガ、フレアバーストっですっっ」
「ロルガ、フリーズシェスト」
相手は攻撃を仕掛けてきた。
ブウォウォォ・・・カチカチカチッ・・・ヒュー!!!
炎の塊が氷に包まれ私たちのほうへ向かってきた。
「フィオネ、サンダーデスト!!」
私は飛んできた氷を打ち砕くよう命じる。
パッキーン!!
氷が打ち砕かれ、炎だけがこちらを襲いにかかってくる。
「アーウィル、スイリュウだ」
シンジが命じた。
ブゥウォウォオオウ・・・・バシャァァァ・・・シュウゥゥルルルゥゥゥゥルゥ
アーウィルの水が竜のように炎を包み、消し去った。
「フィオネ、サンデラ・・」
「アーウィル、ブラッドスイザン!!」
私の声をさえぎるようにシンジが命じる。
いや、完全にさえぎったのだ。
アーウィルの技は漆黒の闇に包まれ水しぶきがこちらにかかる。
ズザー!!・・・シュパシュパッ
そして漆黒の闇に包まれた水の正体は滝をかたどった水の塊だった。
それが相手にと降りかかる。
水属性の精霊はなんともないが炎属性は痛手を受けた。
今ならロルガに当てられるかも。
そう思ってフィオネに命じようと声を出す。
「フィオネ、サンデラル・・・」
「アーウィル、フローズザオレル!」
出したはずだが、途中でまたもや声をさえぎられる。
意図的なものだ!!
シンジは私にやらせない気だ。
二回も声をさえぎられ確信を持った私。
水属性のロルガに氷の刃が激突する。
ズドーン!!
大きな音を立てて相手に当たったはずだ。
ホワン
だが、煙から姿を現す。
相手のほうも防御していたから無傷であった。
「ちっ」
シンジが舌打ちした。
「フィオネ、サンデラルダロ・・・・」
「アーウィル、雨酸急行射!!」
私の声をさえぎってまたもやアーウィルに指示を飛ばすシンジ。
ズシャー!!
相手に雨が勢いよく降り注いだ。
「ウアアァァッァァアアァァ」
「つっ!!」
レルガの悲鳴が聞こえた。
ロルガはうめいた。
「うぅ」
「っ~~」
相手は今の状況に何もできず歯を食いしばっている。
私もシンジに何もやらせてはもらっていない。
言葉で言われてはいないものの
何度も何度も声をさえぎられてはしたくてもできないものだ。
シンジはこのまま二人を負けへと追い詰めていた。
私はフィオネに指示をしようとするたびに声をさえぎられた。
・・こうなったら、私、フィオネに心の中で命じてやるっ
私はついに我慢できなくなって心に決めたのだった。
今回は時間があったので書かせてもらいました。
感想お待ちしています。




