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精霊使い  作者: 黎奈
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第十二話 夢

ルミルとシンジは幻夢げんむの森を歩いていた。

普通の森となんら変わらない風景。


一体何で 幻夢 ってついたのか?

ルミルは不思議に思って仕方がなかった。


シンジは平然と森の中をつき進む。

私はシンジの後姿を見て歩いている。


どうにもシンジと隣で歩こうなんて気がしない。


だから私はいつもシンジの後ろを歩いている。

シンジもそのことにどうこう言わないし。


まぁ、そんなことはさておいて、私たちはひたすら森の中を進んだの。


日が暮れるまで私とシンジは歩き続けた。


日が暮れる頃には私は呼吸を乱していた。

シンジは呼吸一つ乱さず平然としている。


シンジは私の様子をあきれ半分で眺めながらこういった。


「・・・今日はここで野宿する。・・・まだまだだな。」


と。


 まだまだだな その言葉が私にはすごく耳に残っていた。


シンジにとって私は足手まとい。


私は今まで以上にそのことを自覚させられた。


そして夜、私たちは大きな大木の根元に寝袋を敷いて寝た。


歩き疲れていた私はすぐ眠りについた。

これから見る悪夢のことを知らずに。



夢の中の私はシンジとともに歩いていた。

風景からして幻夢の森だと分かった。


歩いていたシンジがいきなり止まったので夢の中の私はシンジにぶつかった。

シンジはそのことに何も言わず、周囲の気配を伺っている。

夢の中の私も周囲の気配を伺っているときだった。


ガサガサ、ガサガサ、バサ、バサバサバサバサッ!


突然何か大勢出てきた。


数え切れないくらいの多さだった。


それは人の軍勢。


黒い衣に身をまとい、私たちに殺気を向けている。


そいつらを目にしたシンジが


「二手に分かれる。・・にげろっ!」


と私にささやいた。


ささやくと同時に私たちは左右に走って逃げ出した。


夢の中の私が走った距離が一キロも満たないところで後ろを向いた。

だが、後ろには誰もいない。

夢の中の私の周囲には人の気配なんかなかった。


狙いはシンジ!?

あんなに大勢を相手にシンジは・・・!?


シンジが危ないっ!!


夢の中の私は必死にシンジの気配を探りもと来た道を走る。


そして夢の中の私は見た。


シンジが捉えられている姿を。




私はここで目が覚めた。


何!?今の夢・・!?


私はとっさにシンジを見た。


シンジは寝袋に顔をうずめ眠っているようだった。


寝顔が見れないことが悲しい。


そんなことはさておき、私は寝袋から抜け出して少し離れた場所にリュクを呼び出した。


「どうしたんだ?こんな夜更けに。ん?顔色悪いぞ?」


「ちょっと、夢を見ちゃって・・。この森は幻夢の森でしょ?何かリュクなら知ってると思って。」


「幻夢の森で見た夢か。それは正夢になるかもしれない。」


「え?」


「この森には多少なりとも夢の力が宿っているからそうなってもおかしくないってこと。

それに幻の力も。その力は強大だ。俺にはわかる。だから、気をつけろよ。」


「う、うん。わかった。後一つ聞きたいの。いい?」


「なんだ?」


「私、ジュンとのバトルのときおかしかったでしょ?そのことが気になって・・。」


「あぁ。自分で気づいていたんだな。いつもと違ってたぞ。

それと、ルミルに触れたとき翼の文様が脳裏によぎったんだが、もしかして、天寿の民俗か?」


「私の母がそうだったよ。その力を譲り受けただけ。まぁその末裔になるのかな?

やっぱりそれが少しあふれたからああなったと思ってる?」


「あぁ。憶測でしかないけどな。たぶんそうだろ。

今のお前ならコントロールが可能かもしれないぞ。

少し体に異変が起きるかもしれないが。」


「そうだね。夢のためにもそこは何とかするよ。ごめんねこんな時間に。」


「いいって。何かあったらすぐ呼べよ。力になるからな。」


「ありがとう。お休み。」


私はリュクをリングに戻した。


あの夢が正夢に・・。それは絶対にいや。

なんとしてでも阻止しないとっ。


私はこの後ウィーミアを呼び、翼の文様に封印されている力を解き放ってもらった。


そして私は

      絶対にシンジを守るッ!

                   と、心に誓ったのだった。















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