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盲目少女の転生記~聖女へと至る道~  作者: 海・海
第1章:エルフの村
9/50

第9話:蹂躙

今回わ少し長いです。後、ブックマークが20件超えてました。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

「うう~。紅、ほんとにお別れなの?」


「グスッ、分かっていても悲しいよ~」


ミレイ、レイラ、二人とも私と別れるのを悲しんでくれてる。『感情感知』でそれがわかる。


「私も悲しいけど、エルフの寿命は長いし、生きていればまたどこかで会えるよ」


「そうだね、別に死に別れじゃないもんね」


「絶対会いに行く、だから待ってて、紅」


「ミレイ、レイラ、私たちはずっと友達、いや、親友だよ。だからきっといつか会える。たとえ、何十年、何百年たったとしても。だから、またね」


「またね」


こうして別れるつもりだった。なのに・・・


「死ね、ダークエルフ」


Aの声がしたと思ったら、突然弓矢の雨が襲い掛かった・・・のを『未来視』で視た。


「二人とも伏せてーーーー!」


こうして何とか矢をかわしたと思ったら、二人のエルフがミレイとレイラを拘束した。


「ごめん紅。油断した」


「くっ、抜け出せない」


「何で二人が?どうゆうつもりだ!答えろーーーー!」


「ふん、教えてやろう。それは「よい、わしが言う」長老!」


Aのセリフをさえぎって、別のやつが話してきた。


「儂が、この村の村長じゃ。さて、どうしてこんなことをしたか、それはおぬしを殺すためじゃ!」


「なぜ!ダークエルフは8歳の時に追放するのがルールのはず」


「事情が変わったんじゃよ。おぬしの力は強すぎる。今はまだ子供じゃが、このまま成長すれば村の・・・いや、世界の害悪になりかねん。そして、その友を名乗る二人にも同じ処分を下す!」


「ふざけるな!種族の違いがそこまで大事なのか!私だけでなく、同じエルフを殺すほど大事なのか!」


「もうよい。貴様と話すことなど何もない。殺せ!」


瞬間、ドス黒いものが私の心を支配した。


(ああ、覚えがある、この感情。これは・・・殺意。ああ、殺してやる。お前ら全員。一人残らず)


「「ダメ!紅!」」


「!」


(そうだ、殺意にのまれるな。冷静になれ)


「その二人は人質じゃ。殺されたくなければおとなしく・・・」


『サンダーアロー』


雷の矢が、二人を拘束したエルフに直撃する。


「もともと殺すつもりなのに人質?そんなの意味ないし、殺される前に助ければいい。これ以上私を怒らせるな。殺したくなる」


「くっ、皆のもの。矢を放て!」


「やめて!」


エルフが放った矢は、一本も私たちには当たらなかった。


「なぜ!なぜ当たらん!貴様、いったい何をした!」


「精霊にお願いした。あなた達に手を貸すなと」


この8年で分かったこと。それはコイツ等の弱さ。

コイツ等は狩りの時、必ず精霊魔法を使う。そんな事で弓がうまくなるはずがない。しかも、狩り以外、普通の生活で魔法が必要な時も精霊に頼るのだ。

何が言いたいかというと、こいつらは自力が低い。精霊がなければ何もできない。


「精霊が使えないのに、まだ殺そうとするの?」


「黙れ!何かの間違いじゃ!ダークエルフのほうが精霊に愛されているなど、あってはならん!」


「「「「「光よ、その汚らわしいものに裁きを、『ホーリーエリア』」」」」


(『ホーリーエリア』は一定範囲内のものに光魔法でダメージを与えるもの。あの人数で詠唱されたものが当たれば、ただでは済まない。まあ、当たれば)


「身体強化」


無属性魔法、身体強化。魔力をその体にまとい、身体能力を上げる。


(背後に回り込んで、仕留める!)


『サンダーレイン』


私が放った雷の雨が。エルフたちに直撃する。残ったのは五人。長老とAと、その他三人。


「「「くそ!魔法が無理なら」」」


その他三人が私に殴りかかってくる。その判断はあながち間違っていない。私のステータスは、魔力に比べて身体能力が圧倒的に低い。コイツ等よりも。だが・・・


「ふ!」


動きを見切って、それぞれ一本背負い。そもそも、身体能力が低いのは日本にいた時も同じだ。

女子の中ではともかく、男子の中では中の上といったところ。だから、武術も殴る蹴るより、相手の力を利用する柔術を中心に鍛えてきた。

もちろん、全く殴れないわけじゃない。いじめっ子には殴って対応していた。そのほうがスッキリす・・・効果的だからね。


『サンダーショック』


三人を雷魔法で気絶させる。『サンダーショック』は、雷で相手を気絶させる、スタンガンみたいな魔法だ。殺傷能力は低い。さて、次は・・・


「身体強化」


「グ八ッ」


Aを思いっきり殴る。もちろん一発じゃ済まさない。タコ殴りにする。


「さて、これで残りは、村長一」


「ヒーーー!来るな!化け物!」


「そのものに与えるは偽りの、しかし、本物の痛みを凌駕する。闇魔法『幻痛』」


「ギャーーーーーーーーーー」


闇魔法は、空間や精神に影響を与える。『幻痛』は、脳の痛覚神経に影響を与え、偽物の痛み、幻肢痛のようなものを与える。

頭に触れないと使えないし、イメージしづらく、まだ私の実力では、咏唱しないといけない。けど、苦しみを与えるにはピッタリの魔法だ。

かなり魔力を込めたから、二、三日はこのままだろう。


(本当はAにもこうするつもりだったけど、『感情感知』でAが後悔しているのがわかったし、まあいっか。けど、Aはなんで?もしかして、私と一緒にいるうちに心変わりでもしたかな?)


「ぐぁぁ、やめ・・痛い。早く、この痛み・・止めて・・」


(村長もあれだし、一件落着かな。圧勝だな。私)


「すご!」


「こんなに強かったのね、紅」


「違う」


「「?」」


「私の名前はアカネ。アカネにする」


〈名前をアカネに設定しました〉


前世と同じ名前。今更決めたのは、きっとまだ、誰かが自分に名前を付けてくれると期待していたからだろう。


「「!!!」」


「どうしたの?そんなにビックリして?」


「「ねえ、赤城紅音って名前、心当たりない?」」


「!!!」


なぜ二人がその名前を知っているのだろう、それは・・・


「あたし、西野マリア」


「私は、東野ツグミ」


「「久しぶり。紅音(ちゃん)」


「えええええぇぇぇぇぇ!!!!」


なんと。前世の親友の名を名乗ったのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] かつての前世の仲間と言うことがここで判明するとは、ビックリものだ!
[一言] これはどっちだろうか。同時代に転生者転移者が大量に湧いて出て知識を広めて現代に近い世界観になるのか広めず自分たちのみで使うのか。前者なら端から近未来とか現代の時代背景にしろとは思うけど。
2022/02/17 16:56 退会済み
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