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合鍵

「それで合鍵を使って教授の部屋のドアを開けた訳ですね」


叔父は早坂さんに聞いた


「それで中に入ると教授があんな目に」


早坂さんは泣き続けている。



現場となった秋山教授の教授室は立ち入り禁止となり

僕らは大学のロビーで簡単な事情を説明した



「でお前はまたどうしてこんな所に」

ギロっとした目で叔父はこちらを向いた


僕は事情を説明した


「そういうわけで僕と篠崎は初めてこちらに来たのですが こんな事に」


僕は言った


「早坂さんが扉を開けるまでここには誰も立ち入りませんでした」


僕は証言した


「教授との約束は3時 お前らは2時55分にこちらに来たが

中から返事がなかった」


「それでドアを開けようとしたが中から鍵がかかっていて」


僕は言った


「教授はこの部屋の鍵を所有していた」


鍵はズボンの中に入っていた。


「ということはこの部屋は密室だった訳ですね

密室殺人事件に出会えるなんて何か感無量な感じですね」


何言ってるんだお前はといいたげな顔を叔父がするのを見て僕は口をつぐんだが

黄金のエルドラドとも言われる密室殺人に

興奮を隠しきれなかった。


早坂さんは泣き続け 篠崎はすっと下を向き緊張しているように見える



「叔父さん今はこんな感じなんで詳しい話は後日という訳には」


「そうだな警察署の方で詳しい話を聞かせていただきます

本日はこれで返ってもらって結構」


叔父は会釈をすると去っていった



「まさかこんなことになるとはなあ」

僕は言った 篠崎は何か考え込んでいる


「なあ 大丈夫か篠崎」

「ああ ちょっとあんな現場を見てしまった生で混乱しているだけだ」


顔が青白い


「ちょっと新宿駅で休んでいくわ」

篠崎が言った

「ああ 無理するなよ メールくれ」

「わかった」


僕らは新宿で別れた



「そういうわけで凶器は市販のナイフであり大量生産されている

そして指紋は拭き取られていた」


叔父は説明した


「一応お前も参考人となっているが教授とのつながりはないし

死亡推定時刻にアリバイが有るしシロだと我々は判断した」


「当たり前でしょう」


「甥をも疑うのが警察官だ 因果な商売だな」


叔父は苦笑いをした


「教授の部屋は密室でしたそれから何か導きだされることはないんですか」


「それなんだがな 簡単だ 合鍵を使ったんだ」


「合鍵は大学のものでしょう」


「いや犯行時に合鍵を使ったのは間違いない それも大学用ではない」


叔父は一息入れた


「教授は有る女生徒と不適切な関係に会った つまり不倫だ 

其のため女生徒に合鍵を渡していた そしてあの部屋を逢瀬の場にしたんだ 」


僕は呆然と叔父の説明を聞いていた


「其の女生徒は早坂葵だ」


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