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現実も漫画の世界もなかなか厳しい


 氷水を頭からぶっかけられた。冷たいを通り越してもはや痛い。体中がじんじんする。



 そう、そんな衝撃が私の体中を駆け巡った。


 なぁーんだ、ただのたとえ話じゃないか。

 そう思われてもしょうがないかもしれない。でも、そう表現したくなってしまうほど私の中では驚くべき事実だったのだ。


 馬鹿な私は今知ったのだ。この目の前にいる人物によって。よりによって、全てが終わった今知ったのだ。あぁ、もう少し前に思い出してたら。どんなに楽だったのだろう。そしたらあんなことや、こんな目にあわなかったかもしれないのに!!くそぅ!!わたしのバカやろう!!だって、だって、


 まさか自分が転生者だったなんて!!!!!!


 まさか自分が前世で夢見た漫画の世界の中にいたなんて!!!!!


 そして、そして、その漫画の最終話が今さっき終わったなんてぇぇぇ!!!!



 私の中にそれは大事にしまわれていた前世の記憶がふつふつとよみがえってきた。


 私はいたって普通でそこそこ明るく、小遣いはもらったらすぐ使うタイプの女子高校生だった。ちなみに、勉強はまあまあ頑張っていたと思う。いい点数をたたき出すとボーナスがもらえたからね!!好きな物はバンドと少女マンガ!!とりあえずこの二つのためにつらい1週間を何とか繰り返して生きてた。


 どうしてそうなっちゃったのかは正直わからない。でも、学校で死んじゃった気がする。そんな時のんきな私はこう願ったんだ。


「何でも良いからとりあえず、ヒロインに甘い少女マンガの世界に生まれ変わりたぁぁぁい!!」って。


 我ながら、死に際に身を捩じらせながら目を血走らせて、歯が折れるんじゃないかってぐらいにかみ締めている女子高生って恐怖かも。まぁ、自分の小さいプライドを捨ててまで切実に願ったわけだけども、本当に死んじゃう間際にこんなことも頭をよぎってしまったわけで。


「金持ちの子供もありかも。」


 それで転生に失敗したんだ。いや、転生自体は成功した。それでも、前世の記憶がないって意味ないじゃないですか!?転生したって気づいたのがいまさらっておかしくないですか!?そんでもって、原作のヒロインでなければ、悪役令嬢でもないってつらくないですか!?よりによってなんで私は原作中でも天下を誇る三ノ宮家の皆様と関わっているのでしょうか!?!?


 

近年は大変多くの方が漫画、ゲーム、ファンタジーの世界に転生してるけれど大体皆幼稚園から小学生の間、遅くても中学生になったら思い出してるじゃないか。怪我したり、メインキャラクターたちの名前を聞いて記憶が呼び起こされてるじゃないか!!何できづかなかったんだ私!!


 

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