§098 対価
朝。
久しぶりに清々しい目覚めを迎えた気がする。
何にも恐怖することなく、心配の種もない。
昨日は程よく運動し、風呂に入り、そのあと・・・ゴホンゴホン。
兎に角、心も体も疲れもすっきりだ。
昨日は二日酔いの所を水の用意で叩き起こされたから、
寝起きはまるで力が入らなかった。
今日は調子がいいので、水の用意でもパンの買い出しでも余裕だ。
しかし水は昨日用意してしまったし、パンの使いはヴィーに譲った。
結局また、やる事のない暇な主人になってしまった訳だ。
体を起こすと、一緒にナズが起きた。
朝のキスを交わす。
「ご主人様、おはようございます。今日は早いのですね?」
「そうだな、風呂にも入ったしよく休めたって事かな」
振り返ってアナとも挨拶をする。
アナはいつでも待ち構えているのだと、
最近になってようやく学習した。
「おはようございます。私も何だか体が軽いです」
「そうだな、ナズに負けずアナの髪の毛もサラサラだ」
アナの尻尾がシュルシュルと腕に這って来た。
ん?尻尾にも言及が欲しいと言う事か?
「し、尻尾もふわふわだな」
「はい、ありがとうございます。ご主人様の石鹸のお陰です」
アナから尻尾で触れてきた事は、これまで無かった。
命令したり、こちらが興味を示した時にはそれなりの応答があったが、
それはそれだけだ。
興味があるのでしたらどうぞ、と言う雰囲気だった。
・・・デレた?
昨日伸び伸びやれといった事が多少影響したか?
それならばデレると言うのはおかしいな。
猫人族は元々べったりしない種族のはずだ。
自由に振舞うなら、主人からやや距離を置くと言う事に他ならない。
やはり、アナの気持ちは良く解らない。
「じゃあ、ちょっと早いが各自仕事を始めるか」
「かしこまりました」
「あの、私は朝の仕事がありませんので、ナズさんをお手伝い致します」
「ああ、宜しく」
「あっ、じゃあ一緒に朝食を作りましょう、アナさん」
自分のする事は・・・。
今日は大工がフックを取り付けに来る。
風呂で使う道具も一式揃えたいし、
そういえば盗賊からせしめた武具をまだ整理していない。
溜まったアイテムも売却して、それから・・・。
パピルスにメモをして、ポケットにしまった。
今日の迷宮は午後からだ。
ヴィーには悪いが、朝はやはり散歩だ。
パン屋の往復をすればヴィーと復路で会うだろう。
「ちょっと散歩してくる。パンはヴィーに任せる」
「かしこまりました、「いってらっしゃいませ」」
今日もホドワの朝は、心地いい日差しが溢れていた。
昼頃にはやや暑い位になるが、
基本迷宮に行くのだし日中は食事位しか家にいない。
そういった意味では、迷宮の中は温度湿度共に快適だ。
そういえばこの町は教会があった。
以前はストリートチルドレンを見かけたので、
ビビッて立ち入らなかった。
今はそれそのものが家にいる。
ヴィーを見て判ったが、孤児は大して怖く無かった。
お金はアイテムボックスに入っているし、
今日はパンを買いに来た訳ではないので小銭すら持っていない。
何も盗られようがないし安心だ。
教会の扉を開けると、そこには厳粛な空間・・・など無かった。
やや広めの玄関ホールはカウンターとソファが置いてあり、
待合室のようでもあった。
奥から人がやって来る。
「こんなに朝早く、急患ですか?」
「い、いや、この町に来て教会を初めて見たのでな・・・。
気になって立ち寄ったのだが、駄目だろうか?」
「そうですか、怪我や困りごとが無ければ普通は用がありませんからね。
今は患者も居ませんし、中を見て行かれますか?」
患者・・・?
怪我?
教会では怪我人や病人の治療を施すのだろうか。
以前、ミノから凄いタックルを受けて大怪我を負った時に、
アナはトラッサの教会に行けと強く叫んでいた。
「ではお願いする。教会とはどんな所なのだろうか?」
「ご存じなくて来たのですか、余程の田舎出身ですか?」
案内された部屋はベッドが4つ置いてあり、
大きな事務机を対面に椅子が2脚・・・そう、これは診察室だった。
「やっぱり怪我の治療をする所なのか。
教会は神を祭って経典を読んだり教義を広める所だとばかり」
「勿論、神様も居られますよ、ご覧になります?」
「えっ?あ、ああ。大丈夫ならば是非お願いしたい」
いるのか、神様。
大いに興味がある。
この世界の神か、どんな感じのご神体なのだろうか。
興味津々ながら、祭壇の部屋へと案内された。
しかし神様を祭ってある部屋が正面の部屋では無くて、診療室だった。
この世界の教会はちょっと良く解らない。
「こちらになります」
どう見ても小箱だ。
ギルド・・・ボックス、いやギルド神殿だ。
「いや・・・あの・・・、これはギルド神殿か?」
「ええ。こちらが、当教会の御神体になります。
ご興味がありましたら入信しますか?特に制限はありませんよ」
入信・・・?
教会の一員になると言う事か?
「ええと、入信したらどうなるのだ?」
「特に制限はありません。
迷宮に行かれる方の多くはこちらで入信されて行きますね。
特に荒事を嫌う女性の方などは、
恋人や夫を助けるために入信している事が殆どです」
ええと・・・迷宮を行くのに助けになる。
でも本人は戦いたくない。
しかしパートナーを助けられる。
要するに僧侶か!
「そ、僧侶のギルド神殿と言う事か」
「おお、よくお分かりで。入信には制限はありませんが、
素手だけで魔物と戦わなければなりませんので、
大体はお連れ合いの方と一緒に試練をやって頂くのが普通ですね」
そうか、荒事を嫌う人が素手だけで魔物を倒すのは厳しい。
剣に覚えがある者とパートナーを組み、
弱らせて貰って止めだけする。
2人のコンビネーションが必要だ。
それでカップルにぴったりのジョブなのか。
そういえばトラッサの奴隷商の所にも曰く付きの女僧侶がいたっけ。
「それでは神官と言うのは?」
「神官もこちらで受け付けておりますが、こちらは修行が必要です。
修行の他に、適性検査や僧侶での経験なども審査します。
それから神官や巫女になった場合は
交代制でこちらに勤める義務が課せられます」
「と言う事は、あなたは神官なのか」
「はい、そうですよ。
医務と僧侶への転職の補助を行うのが、我々の仕事です」
ここで修行の内容を聞いておくのはどうだろう。
自分で勝手に満たせばジョブを得られる。
正規の手段で神官になると色々面倒そうだ。
「ちなみに、その修行と言うのは・・・?」
「神官に興味がおありですか?」
「ああ、まあちょっと」
「1つは、僧侶になって数多くの人を救う事です。
大けがをされた複数のパーティが運ばれる事がありますが、
彼らを全員を助ける事で、悟りが開けましょう」
要するにMP枯渇の極限状態で、
正気を保ちながら、それでも献身的に治療をしろと言う事か。
たしかに、それは精神面の修行になりそうではある。
「或いは、精神の間で断食修行をする事ですね」
ラマダン!?
あるのか、ラマダン。
宗教行事で断食をする月間の事だ。
ただし、本当のラマダンなら夜は飲食しても良い事になっている。
「どのくらいの期間で、食事などはどうするのだ?」
「断食修行の期間は1回に付き10日間、
朝と晩にコップ一杯の水が支給されます。
その間には部屋から出てはいけませんし、
その間は収入も得られませんので余りされる方はいませんね・・・」
そりゃあそうだろう。
滝行に比べて2つとも条件がキツ過ぎる。
ちょっとどちらも厳しそうだ。
MP枯渇状態になったら主人として危うい。
うっかり自殺なんてしたら4人の命にも関わる。
もう自分1人の体では無いのだ。
断食も無理がある。
よほど酔狂な人ならばともかく、真面目に精神修行なんて、
ぬるま湯で育った日本人の自分にはハードルが高すぎる。
どこかで滝を探して滝行するしかないのだろうか。
「ど、どちらも大変そうで自分には難しいな」
「そうでございますか。
当教会では随時新規の僧侶や神官を受け入れておりますので、
いつでもお越し下さい」
「ところで治療の方はお金を取るのか?」
「そうですね。怪我の度合いを見て、といったところですかね」
「奴隷でも見て貰えるのか?」
「ええ、勿論大丈夫ですよ?
大切な労働者1人も救えないような主人など、
主の風上にも置けませんからね」
良かった。
奴隷と言う身分での差別は無いらしい。
むしろ労働環境を良くする方向が推奨されるようで、これは良い事だ。
やはり住み込み労働者と言う考え方は間違っていない。
古代ローマでは奴隷とは只の労働者階級を指す言葉だった。
この世界でもそうなのだろう。
酷い事をするのは主人に依ると言うか、それは現代の地球でも一緒だ。
「この辺りは孤児が多いな?孤児も診察をするのか?」
「ええ、そうですね。
比較的人が少ない時間であれば、
我々の余力もありますので診る事もあります。
ですが、基本的にお金の払えない方はお断りしておりますね」
やはりそうだよな。
MP回復には薬が必要だし、ここで働く以上は労働なのだ。
無報酬でやれるのはMPに余裕がある早朝だけ、と言う事なのだろう。
それで前回、身なりの悪そうな子供がこの辺りにいた訳だ。
「なるほど、良く解った。
いろいろありがとう、僧侶については検討をしてみる」
「はい、それでは」
教会は町医者だった。
そして崇める神はギルド神殿だった。
スキルに頼るのだから、怪我のみで病気は治せないだろう。
帰宅の途中でヴィーとすれ違い、
今日のパンはミニパンにしろと言って置いた。
家に帰り食卓で待っていると、ちゃんとミニパンを買って来た。
知らない通行人に向かって話しかけるつもりで説明したので、
ブラヒム語でしっかり理解したと言う事で間違いない。
「今日の午前中は大工が来ると思うので、迷宮は休みだ。
家でゆっくりしていてくれ」
「「かしこまりました」」「分かりました」
「ヴィーはこれな」
「あり、ありがとござます、ご主人サマ」
昼食用の銅貨8枚を渡す。
たどたどしいが、今のも多分ブラヒム語だった。
今日も頑張って来て欲しい。
ヴィーは食器の片付けの手伝いをした後、元気に家を出て行った。
自室で横になっていると玄関が叩かれた。
──ドンドン!
「いますよーどうぞー」
返事をするとウッツが戸を開け、弟子たちがぞろぞろと入って来た。
「おう、朝早くで済まんな」
「ああ、宜しく。
フックを付けて欲しいのはこの廊下と台所、それからタライの部屋だ。
それからタライの部屋にはタオルを掛ける取っ手も付けて欲しい」
「あの部屋はもう使ってるのか?」
「ああ、いい仕事ぶりで感激だ」
大工は3人でやって来ており、
鉄製のフックを廊下の壁に打ち付けた。
これ自体は大した作業ではない。
フックの加工の方が面倒そうだ。
なにせ原始的な製法でしか金属を加工できないのだから。
続いて台所のテーブル付近にフックを取り付ける。
ランタンを壁に吊るすと、いい感じの部屋になった気がした。
最後に風呂に取り付けて貰う。
タライの部屋を案内するとウッツが驚いて声を上げた。
「なんじゃぁこりゃ?染め物するんじゃなかったのか?」
「いや、最初からそういうつもりでは無かったので、すまんな」
「と言うか、これは何だァ?」
見て風呂だと理解できないのか。
そうだな。
湯は冷めているし、ジャーブが流した事でだいぶ減っている。
「これは・・・うん。風呂だ。
そう説明しなかった自分も悪いが、
驚くほど予定通りなのでびっくりしている」
「風呂?!・・・これがっ?」
「ああ、今までそういう注文は流石に無かったか?」
「い、いや、貴族様に頼まれて風呂を作った事はあったが、
もっとこう、1人が入ってやっとと言うか。
・・・兎に角、こんなにバカでかい風呂は見た事無い」
「そうなのか。
以前そういう物を作らせた知人に聞いたままでお願いしたので、
自分はこれが普通だと思っていた」
「そうかい、そいつもとんだ酔狂な奴なんだな・・・。
いやともかく、風呂ならこれだけの水を汲むのは相当大変だろう?
・・・そうか、お前んトコはナージャも入れて奴隷3人か」
正確には4人だが、彼女らは風呂を炊く要員ではない。
「い、いや、奴隷には水を汲ませてない。
そんな大変な仕事はさせていないでな」
「えぇっ!?じゃあどうやって水入れたんだ?」
「それはほら、こう・・・」
「うぉっ」
ウォーターウォールを出して風呂桶に水を足した。
しまった、無詠唱はまずかったか?
魔法使い自体、そうそうお目に掛かるものでは無いので大丈夫かな?
魔法とは無詠唱なのですキリッ・・・と言う事で1つ頼む。
大工のウッツと、その弟子たちは呆気に取られていた。
「そ、そうかい。ナージャを買った主人だから凄ぇ奴かと思ったけど、
貴族様ンとこのお坊ちゃんだったのですかい・・・」
貴族でなければ魔法は使えない、そういう暗黙の了解だ。
恐らく自爆玉と言うアイテムは、
相当高い・・・もしくは入手に困難な代物なのだろう。
作れる物なら一度作ってみたい気がする。
薬草採取士・・・?では作れなさそうだ。
1つ上のジョブなのだろうか。
「残念ながら自分は貴族では無いな」
「そ、そうかいよ。そんならいいんだが」
「まあそんな訳で、いろいろ他に必要な物が出てきてな?」
「あ、ああ。何だ?」
「まずそこに着替えを入れて置く籠を置きたい、籠を載せる台になる机も。
それからこれは石鹸なのだが、これを入れる穴の開いた入れ物が欲しい」
「せっ石鹸まで!・・・で穴ってのは何なんだ?」
「石鹸を濡れたまま箱に入れると、下に水が残って溶けてしまうんだ」
「そうなのか?石鹸自体知らねえ、使った事がねえ」
「だから、水抜きができる箱が欲しいのだ。
こう・・・箱の真ん中に穴がある感じの」
ジェスチャーで箱を描き、真ん中をくり抜いて水が落ちる仕草を加える。
「お、おう、なるほどな・・・ちょっと待ってろよ」
大工は何か弟子と相談を始めた。
いくらでできるかの勘定だろう。
オーダーメイドになるが、余り高くないと良いな。
「おう、俺たちにもこの風呂入れさせて貰えねえか?」
「えっ?それは構わないが」
「それで報酬ってのはどうだ?その・・・なんだ、石鹸も使ってみたい」
「え・・・あ、ああ。まあ良いけど・・・」
風呂の使用料と交換で、石鹸置き及び籠と机か。
もう一声欲しいな。
「では、そこの入り口を開けると風呂が見えてしまって少々恥ずかしい。
簡単で良いので衝立が欲しいのだが、
それを付けてくれれば風呂に入っていいし、
ついでにナズの手料理も付けるぞ」
「何だと!本当だな?おい、野郎ども聞いたか!
風呂に入った後ナージャの手料理と歌が付くらしい!」
「うおぉぉぉ!」「まじですかああぁぁ」
勝手に歌が追加された。
ナズを見ると照れくさそうに頷いたので、
本人が良いなら良いだろう。
「おい、家からあの使ってない机と、籠作るラタンを持って来い。
あと、板4枚と角木の小せェの2丁だ」
「分かりましたッ!全員総出で持って来ます!」
「親方っ、酒はッ?」
「おう、ご主人、酒は!?」
「あ、ああ、解った、用意しようか。夜だぞ?」
なんか、酒盛りする流れになってしまった。
そして総出といったな?
何人連れてくるのだ。
「あ、あのウッツさん、弟子は何人いるのかな・・・?」
「お、おお。俺入れて8人だ。宜しく頼むぞ!」
ナズの方を見ると、困惑顔で頷かれた。
こりゃあ今から準備で大変だ。
「すまんが、アナもナズを手伝ってくれ」
「あっ、俺にいい考えがあります!」
「どうした、ジャーブ?」
「以前出された、あの辛いパンを出されては如何でしょうか!」
「それはお前がまた食べたいだけだろう?」
「えっ、そ、そうですけど、酒場で出す事になったと伝えれば、
あの女将さんにも貢献できると思いませんか!」
まあ確かに色々世話になっているし、恩を売っておいても悪くはない。
ただ、あの材料・・・特に唐黍粉の方が心許ないんだよな。
大工達8人分と自分達の4人分で12個作った所で、
まだ1/4は残る計算だから大丈夫か。
いや、酒盛りするなら足りんな・・・。
またヴィーを退け者にするのも可哀そうなので、材料全部使うか。
「じゃあ、粉を混ぜて捏ねるのはお前の役目だ」
「えっ・・・」
ほらみろ、言わんこっちゃない。
藪蛇だぞ、ジャーブ。
言ったからには責任を持ってやれ。
「じゃあ、ナズとアナとジャーブは、あれを振舞ってくれ。
ヴィーにも後で残してやりたいから、唐黍粉は全部使え。
小さめで、そうだなあ・・・半分の大きさで36個作ればいいだろう。
前回の3倍の量を使えば足りると思うが。ナズ、覚えてるよな?」
「はい、大丈夫です。それからご主人様、お肉は?」
「まだパーンがあるか?」
「はい、ございますが最後の1枚ですね」
「では、昼の迷宮で取りに行こう」
「「かしこまりました」」
「ああ、それと昼食はそれとは別なので、宜しく」
「は、はい。同時に準備致します」
大工達は風呂場で盛り上がっているし、
ナズたちは台所が戦場になった。
自分は・・・アイテムの売却と雑貨を買って来よう。
水も足さなきゃいけないし。
水を入れて雑貨を買って、
水を入れて売却に行って、
水を入れて武器の新調・・・かな?
風呂場に入ってウォーターウォールをできるだけ出して買い物に出掛けた。
雑貨屋では大きな柔らかめの布を人数分・・・、
いや今日は大工達も入るのだ。
材料費もあるだろうからこの位はサービスしないと。
合計13枚の大きな布を選んだ。
そして、垢すり用に麻布を2枚。
それにしても柔らかで大きな布は、なんていうか高い。
タオルと言う文化が無いのだから、
既製品はなく生地そのものだ。
厚手の木綿の生地・・・と言えばいいだろうか。
4760ナールを支払い、雑貨店を後にした。
次はアイテムの売却だ。
一旦家に帰り、ウォーターウォールを出せるだけ出した。
あまり時間を掛けていなかったので完全回復には至っていない。
さっきは最大の20発を撃てたが、8発が限度だった。
確か1分1発くらいの回復スピードだったので、
10分くらいしか経っていないのだろう。
溢れたシェルパウダーと附子から作った滋養丸、
そしてわずかな毒針を探索者ギルドの買取カウンターで売却した。
3割アップで4969ナール、先程のタオル代が戻って来た格好だ。
装備の売却をしに、一旦納屋に戻る。
自分が持っている・・・ワンドも合わせて売ってしまおう。
魔法使い最弱装備だし、これを持っておく意味は全くない。
盗賊のボスが持っていた剣は、克服の鋼鉄剣と言う武器だった。
鋼鉄剣の威力がそのままに、防御低減が付いている。
例の九段のモンスターカードだろう。
このせいでジャーブは良い防具を身に着けていたのにも拘らず、
致命的なダメージを被ったのだ。
どのくらい攻撃が貫通したのかは判らないが、
頭目が高Lvの盗賊だったとして、
ジャーブが一撃で瀕死に陥る程のダメージを繰り出してきた。
この有用な剣はヴィーに与えようか。
後はそこそこに良い武具が揃っていたが、
空きスロット的な意味で必要のない物ばかりだった。
これほどの武具を買ったとは思えないから、
追いはぎして集めた物なのだろう。
つまり、これだけいい装備を持った探索者が奴等にやられて亡くなった。
そう思うとやるせない。
いや、ドワーフがいたな。
あいつは元鍛冶師だったのかもしれない。
そういえばドワーフの装備だけ、やたら高そうな物ばかりだった。
それに、これ見よがしの頭目の装備だったので可能性は高い。
いつも通り、ホドワの武具屋に売却すると7万200ナールと成った。
拾い物を売るだけでこんなにか。
合わせて売ったワンドは多分ゴミみたいな値段だろう。
なるほど。
パーンと戦った時自分らのパーティでは勝てそうもないと考え、
跡を尾けて来たあのパーティの心情が今になって理解できた。
∽今日のステータス(2021/09/16)
・繰越金額 (白金貨2枚)
金貨 36枚 銀貨140枚 銅貨155枚
パン代 (28)
ミニパン ×2 20
丸パン ×1 8
雑貨購入 (6850→4795й)
木綿の生地 ×13 6500
麻布 ×2 100
手拭い ×25 250
アイテム売却 (3823→4969й)
シェルパウダー × 74 1998
滋養丸 ×111 1665
毒針 × 32 160
武具売却 (54000→70200й)
ワンド 200
カトラス 1200
鉄の剣 ×2 2000
鋼鉄の剣 5500
ウォーハンマー 9000
鉄の兜 1625
革のジャケット 2000
銅の鎧 1500
チェインメイル 2500
鉄の鎧 1800
鉄の脛当て 2000
竜革の鎧 ×2 6000
革のグローブ ×3 6000
竜革の手袋 ×2 4800
革のブーツ ×2 1750
硬革のブーツ 1875
鉄のグリーブ 1750
竜革のブーツ ×2 2500
金貨+ 7枚 銀貨+ 4枚 銅貨-54枚
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計 金貨 43枚 銀貨144枚 銅貨101枚
・異世界23日目(朝)
ナズ・アナ18日目、ジャーブ12日目、ヴィー6日目
エプロン完成まであと3日、家のフック取付の日




