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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第五章 生活
66/394

§065 木箱

アナが隠れるらしい場所へ空き箱を運び、昼飯のために一度家へ帰った。


そしてナズに今回の仕込みをお願いする。

今回の武器はナズの料理なのだ。


ナズの仕込みが終わるまでに、こちらも準備を行う。


自分はこの後盗賊になるのだから、

アイテムボックスは空けて置いた方が良い。

中身が入っていたら取り出せなくなる可能性と、

入っている事で盗賊に成れない可能性の2つが考えられる。


万が一取り出せなくなった場合は、ジョブ変更ができず一生盗賊のままだ。

それは恐ろし過ぎる。


Lvも現在の探索者Lv34から盗賊Lv1になるので

ポイントに不整合が出たりしたら、ジョブが取得できないかもしれない。


いや、そんなに盗賊へのかせは甘く無いだろう。


不足したポイントは闇に消えるかもしれないし、

バグってジョブが戻せなくなるかもしれない。

どちらにせよ、そうなったら最悪だ。

失態を犯さないためにもクリアな状態にすべきだ。


アイテムボックスから金貨を取り出して纏めて置き、

銀貨はポーチにしまった。

素材は納戸へ、食品アイテムはナズに預けた。


英雄から盗賊への転落、とくと見るが良い。


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 英雄   Lv27

  設定:英雄(27)探索者(37)

  取得:村人(5)戦士(30)剣士(34)商人(30)

     色魔(1)奴隷商人(1)騎士(22)賞金稼ぎ(22)

     暗殺者(1)武器商人(1)防具商人(1)農夫(1)

     薬草採取士(15)錬金術師(1)料理人(1)村長(1)


 ・BP125(余り116pt)

   鑑定         1pt   2ndジョブ     1pt

   キャラクター再設定  1pt   詠唱省略       3pt

   パーティー項目解除  1pt   ワープ        1pt

   ジョブ設定      1pt


何気に騎士も賞金稼ぎもLv22と成っているし、

薬草採取士もLv15まで育ってきている。

この3つの育成を終わらせたら、

次は盗賊と錬金術師、そして料理人を鍛えられそうだ。

これが終わったらLv育成にいそしもう。


ナズから料理を受け取り、パピルスに巻く。

でき上がった4つをポーチにしまったら準備完了だ。


8つ作って貰ったので、残りの4つは今日の昼食とする。

調味料を出し惜しみしないで、できるだけ美味しく作れと命じたのだ。

現代日本でも中々食べれない、

病み付きになるような美味しいラップサンドができ上がっていた。


ラップは無いのでパピルスサンドだが。

ラップ」と言う意味では正しいのか?

混乱するし、ここではパピルスサンドで良いと思う。


ワープでアムルの町の目立たない場所に出た。


「じゃあアナ、潜伏を頼む」

「かしこまりました」



   ***



アナから合図を待って、自分も行動を開始する。


集荷場には絨毯の垂れ幕が下がっていたので、そこを利用させて貰った。

恐らく、そういう使い方であっているのだと思う。

まだ昼過ぎと言う事もあってか、集荷場はまだ誰も居ないようである。


町の中央広場まで移動して、例の商人の店で声を掛けた。


「こんにちは、お店の方はいらっしゃいますか」


少し間があって、以前石鹸を買い叩いた男が出て来た。


「おお、これはどうも、あなたはええと・・・この前の方ですね?」


「調子はどうでしょう?」

「まっ、まあこんな田舎ですからねえ、普通ですよ」


「そうですか、でもここには集荷場があるじゃないですか」

「えっ?はい、まあ。そういう町ですからね、

 もうじき男たちが集まって来ると思いますよ」


「そこでね、ちょっと考えたのです。

 ここなら彼ら相手に商売ができるんじゃないかって」

「ほう?そういえば、あなたも行商をしていたのでしたっけ」


「そうなのです、これでも商人なのですよ。

 親からは見聞のために、色々回って来いと言われたのですが、

 ここでなら自分にも商売ができるんじゃないかと思いました」


「それで、私に何か用ですか」

「いやいや、これはご挨拶替わりに納めさせて頂こうと思いまして。

 前回は路銀が尽き掛けていまして、助けて頂いたお礼も兼ねております」


パピルスに巻かれた兎の肉を鞄から取り出して置いた。

兎の肉は高価な物だと言う認識のはずだ。

挨拶回りで渡す位なら十分有りだと思う。


「これは?」


「兎の肉です。ああ、大丈夫ですよ。

 今回は歩いて来た訳ではありませんので、傷んではおりません。

 冒険者さんにさっき送って貰いました。

 帰りは・・・はは、また大変ですけどね」


さり気無く、帰りは徒歩なのだとアピールを入れる。


「いやーそうですか、そんな高価な物を、わざわざどうも。

 そういえば前回、街道を歩いて行かれたとか。大丈夫でした?」


来たな、お伺いだ。

何でお前は生きてんのって事だ。

大体、何故お前は歩きでトラッサに向かった事知ってるんだ。


「それなのですが、聞いて下さいよ。

 この町を離れてしばらくしたら道中で盗賊に襲われたのですよ!」

「それはまた災難でしたね」


白々しい。

素振りはそうでも、驚く顔をしていない。


「そこへ何と、旅の剣士様が偶然通り掛かりまして、

 もの凄い剣技で全員を倒してしまわれました」

「なるほど、それは運が良かったですね」


ホント白々しいな、なるほどじゃ無いんだよ。


「あれほどお強い方は、初めて見ましたね。何せ1対7でしたからね。

 もう完全に人生終わったかと思ったのですが、

 今こうして生きているのが不思議な位です」

「そんな方がいらっしゃったのですね・・・」


「首領には逃げられたとか言っておられましたが、

 どうせ子分がいなければ盗賊稼業も難しいでしょう。

 もうこの街道は安全だと言われましたので、今回は安心して帰れます。

 もしまた襲われても、なあに。相手が1人なら逃げ切れます」


さり気無くもう一度、街道を歩いて帰るアピールを入れた。

仕込みは完璧なはずだ。


「その剣士様は何処へ?」


おっとそうだ。

その謎の剣士がいなくなった事にしないと、

警戒して今回は襲って来ないかもしれない。


「この国では力を示せないから、

 別の国で名を立てるとか言っておられました。

 こちらの方に向かって来られたので、

 もしかしたらまだこの町で休んでおいでかと、

 お礼の品を用意したのですがね?

 お話を聞く限りだと、ここに立ち寄られた様子は無さそうですかね」

「そうですか、私は耳にしておりませんね。残念ながら」


そんな人物はいるはずが無い。

その剣士とやらは自分なのだから。


しかし、こうして自分が生きていると言う事実はくつがえらない。

この話は真実で、賊は倒され、剣士は実在したのだ。

自分の事だが。


「それで・・・、どんな仕事をなさるんですかね?」


「それなのですが、折角この町には人が集まるのに、

 冒険者ばかりではお金は落として行かないのでしょう?」

「まあ、そうですね。ただの荷役の中継地ですし」


「だから考えたのですよ、彼らにお金を落として貰えるように。

 簡単に食べられる軽食屋を、市場の前で始めたらどうだろうかと」

「弁当位なら持って来るでしょう、何もここで買わなくとも」


「どこの宿でも弁当を頼むと大体20ナール位でしょう。

 私なら、腕の良い料理人に飛び切り旨い奴を作らせて、15ナールです」

「そんな物がありますかな」


「実は既に持って来ているのです。ご賞味下さい、美味しいですよ」


パン屋で高級パンを、肉はヤギの肉を、ナズに味付けをして貰った。

元食堂の娘が作ったのだ、十分に金を取ってもおかしくは無いでき栄えだ。

実際、美味しかった。


材料費で言うとヤギの肉が入っているため、

1つあたり50ナール強はすると思う。

しかし自分で手に入れた肉なのだし、原価は高級パンと野菜だけだ。

支払った代金で言うと、15ナールで2つ作れたので原価7.5ナールだ。


「人の集まる昼過ぎ以降にだけに店を出して、

 料理は別の場所で作って持ち込むのです。

 大きな店舗もいらないですし、その分安くできるのですよ。

 私は材料を卸して儲けさせて頂くと言う寸法です」


手の内をばらす。

これなら俺にもやれそうか?

お前の代わりに俺がやろうと言う気にさせる。


「そりゃあ、多少は売れるかもしれませんが、商売になりますでしょうか」


もっともな意見だ。

販路拡大の自信があると宣言する。


「最初は大した利益は期待してません。

 誰かが面白がって1つ買えば、絶対病み付きにさせる自信があります。

 噂が広まれば他の場所にも店を持って、どんどん客を増やせます。

 何も無いここだからこそ、始め易いのです」

「そうですか。上手く行くと良いですな」


あれ?興味無しか?

儲け話には1枚噛ませろとか言って来るもんじゃ無いのか?

それ程儲からないと思って馬鹿にされた感じだな。


そうか、代わりにやろうにもそんな値段では材料費で赤字だし、

腕の良い料理人なんてそうそう見付からないだろうから、

しゃしゃり出る気にはなり難いか。


失敗か?


「そちらのご商売の邪魔は致しませんので、

 同じ商売人として今後は仲良くして頂ければ」

「ええまあ、そのような話でしたら、お断りする理由もありますまい」


お、協力的なのか?


まあそうだ。

ご用聞きを乗っ取る訳でも無いし、やる事はほぼ食堂なのだ。

自身のテリトリー外の仕事をされても、文句の付けようは無いだろう。

歓迎しているのなら、また別のストーリーを作る必要がある。


「それで、この町の町長様にも挨拶をしたいと思いまして。

 以前買い取って頂いた石鹸は、もう町長様へお売りになりましたか?」

「えっ、いや、そうですね、喜ばれておりましたよ」


今の反応は臭い。

多分良い所を突いたのでは無いだろうか。

どんどん被せて行こう。


「ですので、町長様にお目通りをしたくこうして仲介をお願しに来ました。

 先程のウサギの肉も、その手間賃だと思って頂ければ。

 石鹸をお気に召されたのなら、また融通できますともお伝えたいですし」


更に危ない橋を渡りに行かせて貰う。


自分が町長と対面して、あの石鹸はどうなりましたと聞く。

そんな物は知らんと返されたら、困るのはこの店主だ。

実際に販売していたのなら、お気に召されましたかとでも言って置けば。


自分を差し置いて商売されるのも、本当は嫌なはずだ。

外からやって来た別派閥の人間に自分の島を荒らされたくは無いだろう。

裏稼業もしているならば尚更だ。

べたべたとされても動き辛いだろうし。


「今日の今直ぐでは流石にご迷惑でしょうから、

 今日は宿を取って明日出直そうと思っております。

 宜しくお伝えて頂けませんでしょうか」

「あの石鹸は、今日も持って来ているんですか?」


「そうですね、今日は1つ持って来ております」

「それなら今買い取りますよ?」


食い付いて来たな。

町長に売っていないとなると、

あの石鹸はどこか別の場所に捌いたのだろう。

町長に渡されては困るのだ。


「明日、ご挨拶も兼ねて町長様に直接お渡ししようかと思っていたので、

 申し訳ありません。この町では他に売る当ても無いのでしょう?」


どうだ、これでかなり危ない所を進んだ気がする。


町長と直接やるのはこちらだ。

これからは、こちらへ便宜を図って貰う。

石鹸もお前には売らねーよと。

実際、もう無いのだし。


「そうですか、会って貰えるかどうかの保証はできませんが、

 また明日お越し下さい。聞いてみますよ」


「何卒、口利きをお願い致します。それでは」


そう言って宿に向かう。


別に町長と会わせてくれなくても良い。

その方がシナリオ通りだ。

そうですかと引き下がって徒歩で帰る。

新たな刺客が遣わされて返り討ち、捕縛だ。


逆に町長と対面させられたら、

この偽商売道具のパピルスサンドを渡して、美味しくなって貰うだけだ。

明日またナズに同じ物を作って貰う必要があるが、それは安い物だ。

商売をさせて貰えますかと、正式にお願いする。

そして歩いて帰り、誘いに乗ったか確認する。


本当に商売をする事になってしまったのであれば、

肉がコストゼロで手に入るのだから、

ナズに作らせアナに店番をさせれば良い。


短期間だけ店を出させて貰って、採算が合いませんのでサヨウナラだ。

原価はパンと野菜で15ナール以下だし、赤字は無い。

余ったらナズが働いていた酒場で売って貰っても構わない。

もしかして大ヒットしたら、そのまま異世界パン屋でも始めるか。


兎に角、この商人が盗賊の家に向かって動くか、

町長の家に向かって動くか、家を空ければそれだけで十分なのだ。



   ***



「こんちはー、女将さんいますか?」

「あら、ええっと、この前来てくれたお客だね、今日はどうしたんだい」


「ちょっと商売を始めようかと思いましてね、それで1泊お願いしたい」

「こんな町で商売になるかねえ、日用品ならあの商店で事足りるよ」


「あの店は何を扱っているのです?」

「まあ、言えば何でも揃えてくれるよ、2日掛かるけどね。

 自分で買いに行くよりは安いよ、銀貨4枚も取られるよりはましさ」


ふうん、やはりあいつは用聞き商人なのか。

そしてこの徒歩3日の距離は銀貨4、いや片道2枚なのだろう。

良い事を聞いた。


別の街まで買い付けに行くためには冒険者が必要だ。

冒険者の知り合いがいればこその商売と言える。

その冒険者には恐らく盗賊の息が掛かっているのだろう。

この前の襲撃の早さや、やって来た方向からも納得だ。


どんどんあの商人の黒さが鮮明になって来た。


金目の物を持っていそうな者の情報を流す。

小銭を貯め込んだ町人の情報を流す。


あの商人がいなくなれば、この町の人たちは多少困る事になるだろう。

しかしそんな奴の掌の上で生活をする人達が、

最終的に幸せかと言えばそうでは無いはずだ。


大体、社会のギアは外れても次のギアが組み合わさるようできているのだ。


  ──俺がいなかったらこの仕事は回らない。


それは幻想だ。

実際は、その穴を他の誰かがちゃんと埋める。

笑止、バイトリーダーなのだ。


「そんな訳で、明日は町長さんに面会をしたいのだけど、

 ここの街の町長さんはどんな感じの人なのかな?」

「うーん、まあ普通の人なんじゃ無いかねえ、悪い話も聞かないし。

 だからと言って愛されているかと言われると、私には分からないねえ。

 まあ威張ったりはしてないから、普通に会ってくれるよ」


影が薄いのだろう。

やり手の実力者なのかと思ったが、

任命を受けてそこにとどまっている感じなのか。


行けば普通に会って貰えるのは良い事だ。

あの商人に拒否をされた場合、

直接行くと言い張れば動かざるを得ないだろう。

かなり有益な情報を得た。


それにしても町長の人となりが良く解らない。

気さくと言う程でも無いが、傲慢と言う訳でも無さそうだ。

この町のメインはあの集荷場だ。

あれが上手く回りさえすれば何も問題は無いのだろう。


あの商人も命令を受けて、

仕方無くここで商売をする事になったのだろうか?

積極的に商売をしていると言うよりは、

完全に町の機能の維持、用聞きにとどまっている。


安定はしているがあまり旨みの無い仕事、

より大きな富を求めて悪事に手を染めだしても不思議は無い。

値段や荷をちょろまかしたりしている内に段々と・・・。

可能性は高い。


それならばあの商人が排除された所で、

後釜は直ぐに据えられるだろう。

ならば安心して天誅を下せる。


問題は想像と全然違った場合。

あの商人を排除したら、この町の物流は崩壊・・・、

は、流石に無いか。


5日で1日の便が少し増えるだけで、

混乱も最初の数日にとどまるに違いない。

自分で買いに行く手間が掛かり、多少はコスト増になると思うが。


冒険者が来ないような陸の孤島では無いのだし、

集荷場へ集まる冒険者に多少色を付けてお願いすれば良いだけなのだから。


「ああ、女将さん。朝食は自分で用意してあるから、不要です。

 1泊銀貨1枚で良かったっけ」

「はいよ、夕食はどうすんだい?」


「それなんだけどね、ちょっとこれ夕食に食べてみて下さいよ。

 これを売れないかなと思って。

 これでは夕食に足りないだろうから、その分を頂ければ」


包みの2つを女将さんに渡す。確か亭主がいたはずだ。

女将さんはパピルスの包みをクンクンと嗅いで、品評した。


「ふーん、良い匂いだね。じゃあ後で頂いてみるね」

「できれば、感想もお願いします」


宿泊者向けの1室に案内され、ごろんと横になる。

このままアナからの合図を待つだけだ。


もしかしてこの宿もグルなのかとも考えられなくも無い。


1人で宿泊した事がバレている可能性。

流石に考え過ぎか。

見張りがいたり、宿泊者に付いて尋ねれば良いだけだ。

女将さんの素振りからは意外性が感じられなかった。


ともあれそういう可能性を考慮して、

布団代わりに置かれていたタオルケットの下へリュックを置き、

ふわっとした空間を作って寝ている振り状態を作成した。

傍から見れば潜り込んで寝ているようにしか見えない。


暫く待機をしていた所で、

アナが両手をブンブンと振って合図を送って来た。

OKのサインだ。


ワープで店の内壁へ直接飛ぶ。


・・・


息を潜めて見回したが、店内には誰もいなかった。

当然だ、誰もいなくなったからアナは合図を送ったのだし。


直ぐにオーバーホエルミングを使用し、色々な場所を探して行く。

カウンター横にある棚、引き出し、小箱、瓶、壺の中、

・・・大した物は見つからない。


カウンターがあった部屋を出て、事務室の方も調べた。


机、引き出し、机の下の木箱の中、椅子の下、戸棚、戸棚の中の小物入れ、

床に置いてある豪華そうな箱の中・・・あった、あの石鹸だ。


直ぐにろうとして、思い留まった。

今、この石鹸を持ち出すと、

ジョブが自動的に盗賊に成ってしまい、

オーバーホエルミングが切れる可能性がある。


一先ずは調査が先だ。


石鹸と一緒に宝石類も大量に入っていたが、

これは・・・良く集めたと感心した。

まあ今回の件とは関係が無い。

それよりも石鹸と一緒だった木箱はどこだ?


オーバーホエルミングを連発しているのだ。

回復手段が無いので息切れして来た。

ポーチから用意して置いた強壮丸を全て取り出して、一気に口へ入れる。


もっと買って置けば良かったと後悔した。

この調査が終わったら直ぐ買いに行こう。

この後も危ない展開が待っている気がする。


木箱はどこだ・・・。


この建物は商人の自室と、

商売用のカウンターのある部屋の2つしかなかった。

つまり、生活の場は別にある。

そこが恐らくアジトなのだろう。


箱だけアジトに持って帰ったのかもしれない。

石鹸を残して?

石鹸は宝石と一緒に入れられていた。

宝石扱いだったのだろうか?


珍しい物を貯め込むのが趣味なのか?

宝石箱はあったが、金そのものは見当たらない。


商人はアイテムボックスを持たない。

この部屋のどこを探しても金庫が無かった。

つまり、本人が所持して移動できる程にしか現金を持っていない。

アジトにはあるかもしれないが、盗賊たちと分配はしているだろう。


盗賊は自分達で金目の物を換金する事が難しい。

だからこそ、こいつが替わりの顔になる。

それらは売れたら分配するが、自分で手に入れたお宝は売らずに懐だ。

分配しようにも、現金以外では盗賊達も貰って困る。


盗賊達にも手を付けられない、

「現物」をこっそり集めるのがこいつの本性だったのだ。

それがこの宝石箱と言う事なのだろう。

つまり住民と盗賊仲間を二重に裏切っていた訳だ。


両者のためにも早くとがめを受けて頂きたい。


オーバーホエルミングも厳しくなって来た。

もうこれ以上は探しようも無い。


最後に石鹸をポーチへしまい、宝石箱を元に戻して証拠の隠滅をした。

∽今日のステータス(2021/08/18)


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 英雄   Lv27

  設定:英雄(27)探索者(37)

  取得:村人(5)戦士(30)剣士(34)商人(30)

     色魔(1)奴隷商人(1)騎士(22)賞金稼ぎ(22)

     暗殺者(1)武器商人(1)防具商人(1)農夫(1)

     薬草採集士(15)錬金術師(1)料理人(1)村長(1)


 ・BP125(余り116pt)

   鑑定         1pt   2ndジョブ     1pt

   キャラクター再設定  1pt   詠唱省略       3pt

   パーティ項目解放   1pt   ワープ        1pt

   ジョブ設定      1pt


 ・異世界15日目(昼前)

   ナズ・アナ10日目、ジャーブ4日目、家の工事の日2/2

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