§038 遺失物
毒針を使ったジョブの開放作業は終了した。
ナズに暗殺者を取らせるつもりは無いのでやらせていない。
残った毒針は売ってしまって良いと思う。
ミチオ君は全員にやらせたようであるが、
奴隷全員を遊び人にするつもりでも無ければ不要だろう。
ジョブを解放・・・とは言うものの、
戦士が30Lvになるまでは転職可能リストには表れない。
ただ単に布石を打っただけに過ぎないのだ。
早くLvを上げなければ。
そのためにも、ボスの周回だ。
パーンとの闘いには慣れて置く。
慣れたら次は7層の攻略だ。
ミノは皮を落とすので、ナズの鍛冶師としての修業になる。
商人はLv29に成っていた。
あれからボーナスポイントは弄っていなかったので、
余りが5ポイントになっている。
勿体無いので、ワープと鑑定を切り、アクセサリ1も外した。
これで余りのボーナスポイントは8となったので、
必要経験値減少1/3から1/5へとポイントを割り振る。
Lvアップ効率は取得×10と必要1/5で、合計50倍になったはずだ。
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv29
設定:商人(29)英雄(15)戦士(27)探索者(27)
剣士(21)
・BP127
キャラクター再設定 1pt 5thジョブ 15pt
獲得経験値上昇×10 31pt 武器6 63pt
必要経験値減少1/5 15pt 詠唱短縮 1pt
結晶化促進×2 1pt
これで何回かパーンを殺れば目標には届くだろう。
早速6層の中間部屋に飛んだ。
中間部屋からボス部屋まで、ルートを移動する。
「ご主人様、この先の通路で魔物と戦っているパーティが居るようです」
「そうか、別の道は?」
「生憎、この通路は迂回できません」
迷宮の通路は複雑に絡み合っているため、
所謂壁伝い作戦は通用しない。
入口もボス部屋も階層中央にあったり、隠し部屋の向こうだったりと、
正確にルートを知らなければ同じ場所を堂々巡りする可能性がある。
パーンのボス部屋に行くためには6階層の構造的に、
現在通路を陣取っている者達の横を通過しなければならないようだ。
なるほど、エスケープゴート2匹とスパイスパイダーがいる。
パーティは5人なのか、エスケープゴートを1人ずつ担当し、
残りの3人がスパイスパイダーに囲みを仕掛けている。
「横を抜けても大丈夫か?」
「数が少なければ大丈夫かと思うのですが、
この状況では魔物がこちらに手を出して来る可能性があります」
「別にその位じゃ怪我はしないだろう?」
「横殴りと取られ兼ねないので、1匹になるまで待っていた方が無難です」
「うーん、そうか」
そういう事なら仕方無い。
横取り厳禁なのだろう。
下手を打って盗賊の箔を付けられても困る。
それならばと、
あのパーティたちにプレッシャーを掛けるように見える位置で待った。
・・・。
時間が掛かる。
「まだかな?」
小声でアナに聞く。
アナも小声で答えた。
「もう暫く掛かるかと思います。彼らの装備は銅の剣のようですので、
この階層を狩場にしている探索者ですと大体1匹5,6分です」
がーん。
残り1匹になるのに10分位掛かるのか。
やってられんな。
鑑定をしてみたが全員探索者であり、一番高いLvの奴でもLv8だった。
数で囲めば十分勝てるから、採算が合うのだろう。
戦士でも居ればスキルを使って早く倒せると思うのだが、
そうはしない辺り何か意味があるのだろうか。
派生職狙い?良く解らんな。
それにしても・・・ここで待っているだけでは暇過ぎる。
まだ早い時間だが昼食にするか?
うーん・・・。
生きるか死ぬかの戦いをしている彼らの前で、
通路に座り込んで呑気に食事をしだしたら流石に文句を言われそうだ。
それに、まだそれ程お腹が減っていると言う訳でも無い。
「そういえばアナ、ラッシュの使い勝手はどうだ」
「はい、これならパーンにも使えそうです。早速やってみたいと思います」
「詠唱があるからな。
無理をせず、ゆっくりタイミングが取れそうな時に頼む」
「そうですね。
何度か使っている内に自然とできるようになるかもしれませんが、
慣れない間は気を付けて使います」
おっ、どうやらスパイスパイダーが倒れたようだ。
危ない魔物から倒すのはやっぱり基本だからな。
3人がエスケープゴートを相手している1人に加わり、4対1となった。
流石にこれではエスケープゴートと言え逃げられまい。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
やはり時間が掛かる。
囲まれたエスケープゴートがクルクルと方向を変え出した。
HPが半分になったのだろうか、攻撃はもうやって来ないようだ。
逃げる事ができなかったら反撃があるのかとも思ったが、
逃げる事しか考えない様子だ。
HP半分で絶対攻撃して来ないと言うのならば、
深層で数が多く邪魔になった時は早々にご退場して貰うと言う手もあるな。
とは言え、まだ半分。
さっきまで1人が相手していた分のダメージも入れて半分か・・・。
先が思いやられる。
「こんなに時間が掛かって狩りになるのか?」
「燃料と高級素材のスパイダーシルクですから・・・需要はあります」
「それもそうか」
ファッションに金を掛ける金持ちがいる限り、衣類の需要は無くならない。
そもそもこの世界の技術では衣類の耐久度は低そうだ。
迷宮で活躍する探索者に至っては服など消耗品だろう。
どんどん摩耗するし。
燃料なんかは毎日使う。
生活必需品だ。
そういえばブランチは燃やしても良いのだろうか。
薪にできるなら炭すら買う必要が無い。
魔法素材なんだから、普通の枝よりよく燃えてくれないと困るが。
そんな事を考えているうちにエスケープゴートが1匹消えた。
残りのエスケープゴートへの囲いが5人になる。
「もう通っても大丈夫かな?」
「そうですね、行きましょうご主人様」
「じゃあな、頑張れよ」
「お前らはボスか?せいぜい気を付けるんだな」
通り過ぎながら声を掛けると、向こうも軽口を返して来た。
***
ボスの待機部屋に着くと、4人組のパーティが通路付近で休憩していた。
順番待ちかと思って、離れて腰を落とす。
「xxxxxxxx?」
「ん?」
パーティのリーダーらしき男がこちらに話し掛けて来たのか、
パーティメンバーと会話しているのか解らない感じで喋っている。
「xxxxxxx?」
全員がこちらを向いたので間違い無い。
自分に話し掛けているようだ。
「ああ、済まん。人間語は判らないんだ、他の言葉で頼む」
特に用がある訳では無いと思うが、まあ社交辞令だろう。
「ボスに用があるのか?」
「えっと、そうだ、そちらも順番待ちか?」
「いいや、ただの休憩中だ。ここは魔物が来ないからな」
「ボスは行かないのか?」
「パーンは俺達にはちょっと緊い」
「じゃあ先に行っても良いか?」
「止めやしないぜ」
この階層で休憩が必要になる位の探索者であるなら、4人でも危ないのか。
確かに昨日、3人で行こうとする自分をアナは止めて来た。
そういえばミチオ君が遭遇したパーティは、
6人が揃っていて妨害装備を持ってしても全滅していた。
「じゃあお先に行かせて貰おう。ナズ、アナ、行くぞ」
「「かしこまりました」」
部屋の中央に踏み入れると、扉が開いた。
先程経験済みだ。
予習も準備も抜かりは無い。
3人同時に駆け出した。
入口の扉が閉まり煙が巻かれる。
今回もパーンが攻撃を仕掛ける前に囲みが完成した。
前回と同じパターンで部屋の隅に誘う。
但し今回はアナのラッシュが加わる。
自分はボーナス装備の指輪を外したので、攻撃力はやや落ちた。
差し引いてもさっきより楽になるのでは?
自分が剣でパーンの連続パンチを往なしている間に、
ラッシュの詠唱を完成させたアナが、
大ダメージでパーンの注目を引き付ける。
その隙にナズも得意の3連打を加え、順調にダメージを加えている。
そして、壁に追い詰めた所で、
最後のラッシュでパーンの体が半分に千切れた。
「おお、さっきより確実に早いし楽だ」
「凄い、凄いですよ!アナさん!」
「そうですね、私も強くなったのだと実感致しました。
これも偏にご主人様のおかげです。ありがとうございます」
「よしよし、じゃあもう1回行こう」
「「かしこまりました!」」
強敵と言われるパーンを難なく倒せた事で、2人の気分が乗って来ている。
あまり乗せ過ぎも良くは無いが、
この位の勢いが無いとこの先へ進んでは行けないだろう。
7層にタッチしてからダンジョンウォークで6層の中間点に戻る。
「アナ、さっきの通路を塞いでいたパーティはいるか?」
「ええと、いないようです。
待機部屋には先程休まれていた方々が残っておられます」
「魔物は?」
「ボス部屋に行くまでの間にはいません、直ぐに再戦できそうです」
ラッキー。
さっきの感覚を忘れないうちに再戦できる。
「じゃあ急ごう。新たに魔物が湧いたら面倒だしな」
「かしこまりました」
道中に新たに湧いた魔物はおらず、そのまま再び待機部屋に到着した。
「あれ、お前らさっきの・・・もうパーンを倒したのか?」
「そうだが、何かあったか?」
「いや、戻って来るのが早過ぎると思ってな。
普通3人なら30分位掛かると思うが、お前ひょっとして冒険者か?」
「いや、違うが」
ん?・・・また俺何かやっちゃいました的なやつか?
彼らが立ち去るのを待った方が良かったか、
7層で狩りをした方が良かったか・・・。
目立ちたくは無いのだが。
「まあでも、あのパーンを瞬殺するぐらいには強いんだろうな」
「自分の強さは解らんな」
そう言って誤魔化した。
「お前らが入って直ぐに別のパーティがやって来てな?
今頃戦っていると思うぞ、残念だったな」
「そうか」
ここの段階の探索者なら、ボスの攻略には30分位掛かるらしいし。
入って直ぐならここで待たねばならない。
昼食にするべきかな?
弁当を取ってきて貰おう。
その前にここでワープは拙いから、まずは外だな。
迷宮の外に出て、歩いて旅亭まで行って戻って来たら丁度お昼頃だろう。
食事が終わった位には前のパーティもボスを倒している事だ。
「じゃあナズ、弁当を貰って来てくれ」
「かしこまりました」
小声で耳打ちする。
「迷宮の入り口にダンジョンウォークで扉を開けるから、
そこから歩いて旅亭まで行って、また歩いて戻って来い。
1層入り口の壁にゲートを開けっぱなしにして置くから、
迷宮に戻って来たら1層を選びゲートから帰って来い」
いつもは旅亭の裏側だ。
何故今日はそこではないのか、と聞かれると面倒になる。
詠唱省略を外して詠唱をした。
「入り組み惑う迷宮の、勇士導く糸玉の、ダンジョンウォーク!」
ヴォンッっと音がして、迷宮の入り口へと繋がる扉を開けた。
「では行って参ります」
「ご主・・・いえ、何でもありません」
ナズが出て行った。
アナが何かを言いたげだったが、呑み込んだ。
アナの気持ちが解かる。
何故詠唱があったのか、なぜダンジョンウォークなのか、
その疑問が出たが、理解したので止めたのだ。
「ナズが戻って来るまで時間が掛かるだろうから、休憩しながら待とう」
「かしこまりました」
休憩していたパーティを追い越して待機部屋中央で休憩すると、
ナズが返ってくる前に扉が開いてしまうかもしれない。
部屋の隅で待たせて貰う事にした。
腰を落として、水を飲む。
「お前らはずっと3人なのか?」
4人組のパーティのリーダーらしき人物が話し掛けて来た。
「ずっと、と言うか、ついこの前に2人を買った。
この娘は3年の経験があるらしい」
「手練れの奴隷を揃えて一気に攻略か、なるほど、なるほどなぁ」
「さっきのはドワーフだったぞ、やっぱ強ぇんだろうなぁ」
パーティー全員がうんうんと頷いた。
「高かったけどな」
「そりゃそうだ」
「ははは」
「俺もそんな金があればなぁ」
「お前はあの女に入れ込むの止めたら良いんじゃないか?」
「だはははは」
何だか盛り上がってる。
気の良さそうな連中とパーティを組むのも吝では無いが、
異世界でいきなり気を許せる知人を作るのは難しいだろう。
多くの異世界モノの物語では、序盤に超強力な仲間を手に入れる。
それも、どういう訳か向こうからやって来る。
パンを咥えて撞かって来る美少女ゲームのヒロインの如く。
現実ではそんな上手い話なんて無い。
この世界に奴隷と言う制度があって、
それに対して十分な準備があったからこそ、
序盤に90万ナールもの大金を用意できたのだ。
それに最強だなんて程遠い、雑魚中の雑魚だ。一般人だ。
それでも知っていたから用意ができたし、知っていたから買えた。
ミチオ君のように手ぶらで来ていたら、多分最初の盗賊で終わっていた。
いや、そこを越せたとしても街道で野垂れ死んで終わった。
「いやーそれにしても、さっきのパーティには悪い事したな」
「そうか?何だかいけ好かない感じだったから、俺は別にどうでも良い」
「絶対、落とし物狙いだったよな?」
「アイツら人を見る目が無いな」
落とし物?
「どういう事だ?」
「いやね、先程お前らがボス部屋に入った後、5人組の連中が来たんだ」
「ああ、そいつらなら通路を長い事陣取って邪魔だったな」
「そうかい、で、そいつらがやって来て、
お前らがボス部屋に入らなかったかと聞かれたんだ」
「まあ、隠したって意味は無えし、普通に答えたんだけどよ」
「絶対狙ってた!」
「だよな?わははは・・・」
「そしたら直ぐ扉が開いたから、全滅したと思ったんじゃないかな。
喜んで入って行ったよ」
「縁起でも無いな」
「まあ、ここはそういう所だ、しょうがないだろ」
「でもお前らは直ぐ戻って来たからな、凄えな。
パーンを瞬殺できる位には強えんだな」
「ドワーフがいると違うって話は本当か?」
「だから冒険者だと思ったのか、残念ながらまだ探索者だ。
あのドワーフの娘も、高かったがかなりの槍の使い手だった」
「いいなぁ」
「それでもパーンをあのスピードで倒せるんなら、
兄ちゃんも相当強いんだろ?
冒険者ぐらい直ぐに成れそうだし、俺もいつか成りてえなあ」
冒険者に憧れる者は多い。
別に探索者でも殆どスキルは一緒だろ、とは思う。
「冒険者はそんなに良いのか?」
「ああ、稼ぎが良い」
「そんなにか?」
「熟練者になって依頼を受けるようになると、
あちこち飛び回るからな、パーティには外せなくなるし」
「10日幾らの契約でパーティに加わったり、
ギルドで飛ばしを請け負ってもそれなりに儲かるな。
自分が無理だと思った階層は同行を拒否できるし、
安パイを取れるんだよ」
なるほど。
迷宮に潜った報酬とは別に、案内料として固定収入を貰える。
場所の制限が無いから色々な依頼を受けられる。
仕事にも沢山ありつける、その上選ぶ事もできる。
憧れるのも納得だ。
「落とし物と言うのはどういう事だ?初めて聞いたが」
「そのまんまだよ、全滅したらアイテムが落ちる。
ボス部屋に弱そうな連中が入ったのを見たら狙い目って事だ」
失敬な。
弱くは無い・・・と思いたい。
階層とLvの差は3倍以上だし、戦略など無くても十分勝てるだろう。
より安全を取っているだけで。
「まあ分かるよ。
兄さん3人だし若そうだし、皮の鎧だし・・・メンバーは女だし」
「お前は人を見る目が無い」
「だからあの女は止めろと何度も言ってるんだ」
「あの女はお前より強いぞ」
「だはははは」
また盛り上がっている。
この男の女はたいそう悪女なんだろうか。
あの連中の前で、アナのスキルに付いて少し話していた。
戦士になったばかりだと判断されたのかもしれない。
気の弱そうなドワーフと、成りたての女戦士。
主人も若造で装備も貧弱だ。
なるほど、落とし物をする可能性があると。
「その女と言うのは余程なのか?」
「そうなんだよ聞いてくれよ、こいつなあ・・・」
ナズが来るまで暫く話をした。
例の女の手玉の取り方に付いて聞かされただけなので、
こちらの事は大して話していない。
「ご主人様、お待たせしました」
「ご苦労さん、休んで良いぞ」
「はい、それでは失礼致します」
ナズが床に膝を突いて、リュックから弁当を取り出す。
息は上がっていない様子なので、全力で走って来た訳では無さそうだ。
まあ、水飲め、水。
ドワーフの水じゃなくて悪いな。
***
弁当を食べ終わり、準備をした。
先程のパーティたちは休憩が終わったのか、
食事をしている最中に去っていった。
「よし、それじゃあ行くぞ」
「「はい」」
待機部屋中央まで進むと、空いていればボス部屋の扉が開く。
さっきの5人組は・・・。
──ゴゴゴゴ・・・ゴゥン。
無事終わった後のようだ。
いつものように駆けだして・・・中央に煙が集まらない。
どうした?
「ご主人様、背後の右奥です!」
パーンは部屋に入って扉側の右奥でこちらを向いていた。
足元が光っている。
拙い。
オーバーホエルミングを使用して駆け寄る。
1/3は縮めたが全然届かない。
もう一度オーバーホエルミングを使用する。
2/3まで距離を詰めた。
間に合え!
オーバーホエルミングを使用して全力で飛び込んで突きを入れる。
──ガキッ!
魔法発動前に何とか一撃を入れられた。
だが、身を挺して思いっきり飛んで突きを入れたため、
着地は胴体からで床にはうつ伏せで倒れた。
パーンの回し蹴りが飛んで来た。
やばい!
オーバーホエルミング!
足の動きがゆっくりになる。
ゴロゴロと転がって軌道から外れ、
目の前に足が来た時に、何とか剣を当てた。
オーバーホエルミングが切れる。
今度はパーンが急降下パンチを振り下ろして来た。
まだまだ拙い。
オーバーホエルミング!
さっきから守りの一手だ。
MPが相当に消費されてクラクラして来た。
もう一度転がってやり過ごし、その勢いで体を起こして一撃を加える。
当てて行かないとMPが切れる。
ラッシュをする余裕は無いし、余計なMPも今は使わない方が良い。
最大MP向上の特性を持つジョブは一切取得していないから、
現在の最大MPは英雄のLvだけに依存している。
それがっ・・・・・・低いッ!
床に突いたパーンの拳にデュランダルを当てる。
ナズとアナが追い付いた。
一旦代わって貰うために彼女達の方に転がって逃げた。
幸いにもパーンは部屋の隅にいる。
距離を取られた所で行き止まりだ。
もう魔法の心配は無いので剣を杖にして体を起こした。
その間はアナが受け、ナズが牽制しながら突いていた。
後は余裕だろう。
立て直してゆっくりと間合いを詰めながら、
オーバーホエルミングとラッシュを3回決めた。
そこでパーンが2つに裂けた。
「ふぅぅぅーーーー」
「またご主人様が瞬間移動しました・・・」
「いや、実際には走ったんだがな」
「恐ろしい速さでパーンの攻撃を避けていらっしゃいました・・・」
「必死でスキルを使った。おかげで頭がクラクラする」
「何はともあれ、お疲れ様でした。ご休憩なさいますか」
「そうだな、もうパーンはいいや、
この状況でも倒せる事が解かったし、ミノに行こう」
「そうですね・・・。
と言いますか、ご主人様1人でも十分倒せてしまいそうです」
「いやいや、2人が居ないとやっぱり厳しいぞ」
「そうでしょうか?」
「あのっ、お役に立てているならば嬉しいです!」
それよりも部屋に例の5人組の装備が散乱している。
「ナズ、アレを取ってきてくれ、アナはアレを」
「「かしこまりました」」
先程パーンがいた付近の部屋隅に2つ。
恐らく最後にそこへ追い込まれたのだろう。
中央に1つ、入り口から見て左側の部屋の隅に1つ。
もう1つはボス部屋の出口だ。
あれは魔法でやられたのだろうか。
逃げ出そうと必死だったのかもしれない。
銅の剣が5つ。
皮の鎧が5つ。
皮の帽子と皮のブーツが5つ。
魔結晶が5つ、黒が1、赤が3、紫が1だ。
装備はそれ以上良い物を持っているし、売ってしまって良い。
魔結晶は1つになるのだったな。
5つ全部を押し当てると紫1つになった。
プチプチ感?
いや、砂糖菓子を擦り合わせているような、
魔力の少ない方が崩れて行く感じだった。
こういう表現は人それぞれだと思う。
確か紫が1000ナールだった気がする。
自分のと一緒にしようと、ポーチから取り出すと緑色になっていた。
緑は1万だった気がする。1万から9万9千999の間だから、
ここからは慎重に見て行かないと売り時を逃してしまう。
緑魔結晶と紫魔結晶を1つにする。
流石に黄色には成らなかった。
やっぱりそろそろ家を借りたい。
Lvも順調に上がって来たし、今度は金策を始めるべきかもしれない。
2人から装備を受け取って、アイテムボックスに詰めた。
「じゃあ7層に行こうか」
「「はい!」」
∽今日のステータス(2021/08/04)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv29
設定:商人(29)英雄(15)戦士(27)探索者(27)
剣士(21)
取得:村人(5)色魔(1)
・BP127(余り4pt)
鑑定 1pt 武器6 63pt
キャラクター再設定 1pt アクセサリ1 1pt
獲得経験値上昇×10 31pt 詠唱省略 3pt
必要経験値減少/3 7pt ワープ 1pt
5thジョブ 15pt
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv22
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 戦士 Lv23
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv30
設定:商人(30)英雄(17)戦士(29)探索者(29)
剣士(23)
取得:村人(5)色魔(1)奴隷商人(1)
・BP128
キャラクター再設定 1pt 5thジョブ 15pt
獲得経験値上昇×10 31pt 武器6 63pt
必要経験値減少/5 15pt 詠唱省略 3pt
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv24
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 戦士 Lv25
・取得品
銅の剣 ×5
皮の鎧 ×5
皮の帽子 ×5
皮のブーツ ×5
魔結晶 (約1300)
・異世界10日目(昼前)
ナズ・アナ5日目、トラッサの市まで1日、宿泊7日目
・トラッサの迷宮
Lv 魔物 / ボス
6 エスケープゴート / パーン
7 ミノ / ハチノス




