§258 過剰
一通り体が拭かれた後は昼食となった。
既に配膳は済んでおり、ナズたちを待たせてしまった事になる。
隣はパニを待たず食べてしまったのだと思うが、
おかずが強奪されていなければ良いと願うのみだ。
流石にヴィーを悪ガキ扱いし過ぎか、
勝手なイメージで語るのは良く無いな。
「待たせて済まなかったな、いただきます」
「あ、はい。頂きます」「頂きます」
「エマレットのためにお時間を掛けさせてしまっているようで、
本当に申し訳の無い事でございます」
「お前のため、でもあるかな?」
「そっ・・・そうだと致しましても、
何とお礼を述べたら宜しいのでしょうか・・・言葉が見つかりません」
「それなんだがな?イルマ」
「はい・・・?」
「お前をボルドレックから奪うために、自分は命を懸けてまで戦った」
「はい。存じております」
「そこまでして勝ち得た報酬なのに、
病気のせいでたった数年で死んでしまうとなると、
自分は一体何のため戦ったのかと言う事になる」
「・・・は、はぁ」
「屋敷のメイドは中古でも結構するのだそうじゃないか」
「そのようです」
「特にお前達姉妹は顔立ちも良いし、器量も良い。逸材だ」
「私はそのような大層な者ではございませんが・・・」
「姉妹の奴隷と言う事で珍しがってボルドレックは買ったのだろう?
それだけでも十分箔が付いていると思うが?」
「そ、そうでございましょうかね?」
「仮にお前たち2人で50万ナールだとしよう。
器具を作成するにあたり、5万ナールも掛からないと思う。
高いと言えば高いが、それで50万ナール間違い無く手に入るならば、
安い買い物だと思わないか?」
「そ・・・それはその通りでございますね?」
「以前、私が高級な装備をお与え頂けた際にも、
同じようにご指導を頂きました。
数千ナールを躊躇って数万ナール失っては損だと。
ご主人様はいつも大局を見据えていらっしゃいます。
イルマも、何が最終的にご主人様の利と成るかを考えましょう」
う・・・言ったと思うが、大局なんて見据えていないぞ。
単純にアナをやり込める方便であった。
そのように言えば納得して受け取って貰えると思っただけなのだ。
ただの屁理屈だったのだが、アナは別の捉え方をしてしまったらしい。
「私も以前、家の仕事をする事だけが自分の仕事だと思っておりました。
けれどもそれは私の勘違いで、その事でお叱りを受けました。
私達は、ご主人様のお眼に適ったのです。
ご主人様の思いを受け止める事こそが、
私たちに与えられた本当の仕事なのです」
ナズが何だか重たい女になって来てしまっている。
それに、自分から叱った事なんて無い。
恐らく言ったのはアナだ。
最近やけに悄らしい感じだなと思っていたが、そういう事か。
余り自分の事を高尚な人間だと思われても、いつか必ず綻びが生じる。
た、頼むぞ。
「そ、それでしたら、私などよりも妹のエマレットの方が、
若く顔だちも整っておりますし、優しく器量も良いかと思うのですが」
「何だ、そんなにイルマは自分の事が嫌いか」
「い、いえ、けっ、決してそのような事では無く、
本当にお選びになったのが私で宜しかったのかと不安でなりません」
「自分の奴隷の中に狼人族の男がいるな?」
「は、はい。ジャーブ様ですね?
狼人族らしい恰幅の、お強い戦士だと思います」
うーん、ジャーブは戦士ではなく聖騎士なんだが、まあそれは良いか。
「エミーはあれに与える予定だ。
病気が治るまでは手を出さないように言ってあるが、
もう既に2人は良い仲だ」
「えっ・・・ええ!?」
「確かにエミーは可愛いが、お前も十分可愛いぞ。
自分の顔を見た事があるか?」
「い、いえ、ございませんが・・・」
ナズに目を向けると、自分のリュックから携帯用の鏡を持って来た。
机に置いてイルマの方へ鏡面を向ける。
「イルマさん、どうぞ」
「こ・・・鏡ですか。初めて見ました」
「ボルドレックの屋敷には無かったか?」
「はい・・・。男性の主人であれば鏡などは必要無いかと」
「うん?夫人がいたりしなかったのか?」
「かなり前にお亡くなりになられたと聞いております。
私はお会いした事はありません」
ふーん?
こういう世界なのだし、病気にでもなったら一発でアウトなのだろう。
そういえばナズも母親を病気で亡くしていたな。
「では鏡もその時に処分したのかな?
金持ちの夫人なら1つ位は持っていると思うんだが」
「そうなのですね・・・」
「どうだ?お前の顔立ちは。エミーにも負けていないだろう。
そもそも姉妹なんだし似たり寄ったりだ」
「そ・・・そうなのですか。これが私・・・」
イルマは鏡に映し出された自分の顔を、
本物かどうか確かめるようにペタペタと触った。
小さい鏡で申し訳無いな。
家が完成したら大鏡を買おう。
風呂場に置きたい。
「まあそんな訳でだな、これからエミーはジャーブと一緒になる。
改めて、イルマは自分に仕えて欲しい。これからも頼むぞ」
「改めまして、宜しくお願いしますね、イルマさん」
「宜しくお願いします。
何も難しい事はありません、イルマはこれまでと同じで大丈夫です」
「あっ、ありがとうございます。一生懸命お仕えさせて頂きます」
イルマが立ち上がって礼をする。
ンもう、それが駄目だって言ってるのに。
ほらやっぱりアナが強制的に椅子へ座らせた・・・。
「そういうのは好まれないご主人様ですので」
「も、申し訳ありません」
「普通で、大丈夫ですからね?」
イルマの普通がああ言う形なのだ。
ナズの思う普通とは違うので難しいな。
「どうでも良いが、午後は迷宮に行くからな。早く食べてくれ」
「はいっ、申し訳ありませんっ」
自分との話の最中、イルマはずっとスプーンを置いていた。
食べながら喋るのはマナー違反だと言う事も判るが、
隣よりも遅めに食べ始めているので、そこは急いで貰いたい。
*
*
*
午後イチと言う訳には行かなかったが、
迷宮に入った時間はいつもと然程変わらない時間であった。
今日のプタンノラの町は厚い雲が覆い、
窓の外では瀟々と雨が降っていたが、
迷宮では雨も風も関係無い。
何なら寒さだって暑さだって。
部屋に立ち込める梅雨の時期特有の、
湿気を含んだ重苦しい空気から脱するように、
我々は迷宮へ逃げて来たのだとも言えなくも無い。
暫く待つと、ラティ達がやって来た。
パニに依るフィールドウォークで、一旦は迷宮の外。
2段階移動だ。
一緒に行動できないのは織り込み済みなのでそれは良いとして、
いつもより集合はやや遅く、ラティもパニも濡れていた。
ダイダリ周辺も雨だと言う事なのだろう。
「外はどうだったか?」
「は、はいっ、そ、外はっ、大雨でしたっ」
「探索者の方も入り口に居ませんでしたので、
探索者ギルドの天幕まで行きお話を聞いて参りました」
「ああ、なるほど。で、何か聞いて来たのか?」
「は、はいっ。あ、あの、げ現在の探索進行度は、
にっ、28階層だそうですっ」
「と言う事は朝の続きから行けそうだな。地図を見せてくれ」
「は、はいっ、ど、ど、ど、どうぞっ」
ラティの画板を見ながら今朝の行程を思い出す。
ふんふん、確かにこのように進んだ記憶がある。
「ラティ、確かここで終わったな?」
「は、はい、ええと、こっ、ここですかね?」
地図を頼りに迷宮の構造を頭へ思い浮かべて、
ワープでゲートを出してみた。
──ヴォンッ!
大丈夫のようだ。
実際の地形に対して理解が及んでいなくても、
この目で見た場所であれば記憶から再構成できるらしい。
出た直後にノンレムゴーレム3体とモロクタウルス、
タルタートルが居る魔物のグループの中心に出てしまった。
「うぉっ、撤退、撤退!」
「きゃっ、あっ、あの、了解致しました」
続いてやって来たアナを押し返す。
「駄目だ、魔物のグループが陣取っていて通路に移動するのは危険だった」
「そうですよね、普通に考えれば、通路は魔物が居ますよね・・・」
「ご主人様の移動魔法はどこでも移動ができる反面、
危険個所であっても移動できてしまうのは注意が必要ですね」
そうか・・・。
ダンジョンウォークがエントランスと中間部屋だけに限定されているのは、
移動の制限と言うよりは、移動者の身の安全のためと言う訳か。
ボス部屋への移動制限はトラブル防止のためだろう。
「ま、まあ大した距離でも無さそうだし、歩いて行くか」
「「かしこまりました」」「分かりました」「はーい」
「もっ、申し訳ありませぇぇん」
「ラティのせいでは無いからな、謝る必要は無いぞ」
油断すると直ぐラティは面倒臭い感じになってしまう。
軽く撫でてやってから最前列に押し出した。
そもそもこの移動方法ではラティたちが付いて来られない。
パーティを再結集しない限り送る事もできない。
通路でわちゃわちゃやってると魔物が近くにいたら危険だし、
他のパーティに見つかっても面倒だ。
やっぱり本来移動できる箇所以外への直接移動は控えるべきなのだろう。
結局29層の最初から、ラティの途中まで取った地図を頼りに進み始める。
とは言え魔物は既に午前中に何度か戦っている相手である。
そもそもノンレムゴーレム自体、以前練習のために幾度と無く戦った。
期間にすれば数日程度であるが殲滅力は他人の数倍ある事から、
回数で言えば1日でも数十日分の量を熟してはいる。
要するに我々は様々な魔物のグループパターンを経験している訳だ。
この階層でどんな魔物が出ようとも問題なんて起きる訳が無い。
道中に出て来た魔物の数グループを片付けて、
先程ワープを出して諦めた位置までやって来た。
そしてやはり、ノンレムゴーレム3体とその他2体が陣取っていた。
そこで我々が来るのを待っていたかのようだ。
そういえばこの階にはまだ我々しかいない。
魔物たちも活動を活性化させていないのかもしれない。
ロックバードは我々だけの状態でも飛び回っていたが。
止まると死んじゃう病気か何かか?
いつもの布陣で前列を3人で固める。
タルタートルが一番手前にいた関係で、
前列はノンレムゴーレム2匹が、
後列にはモロクタウルスとノンレムゴーレムと言う構成になった。
となれば、後列のモロクタウルスの魔法に注意だ。
前衛3人が前線を留めている間に、
イルマのウォーターウォールがノンレムゴーレムの中心部に設置される。
自分は既にオーバードライブ後に、
サンダーストームとウォーターストームを入れた後である。
「後ろですっ!ロックバード2匹が来ます」
「はいっ、僕が取りますっ!」
「私も行きますっ」
これまで警戒だけして手を出さなかったナズと、
最近少し勇敢になって来たパニが後列で壁を作り、ラティを庇う。
そのラティも画板をイルマに預け、いつでも参戦できる状態を取っていた。
一度は来た道であるので、筆を取る必要も無い訳だし。
やる事も無く手持ち豚さんだったのだろう。
豚さんは失礼か、ラティは迷宮に籠る探索者らしく筋肉質だ。
我々は8人のパーティが上手く機能するようになっている。
だたマップを描くだけの技師枠のつもりでいたラティは、
意外と強く思いの外勇敢であった。
性格や喋り方で損をして来たのだ。
貰ってくれる相手がいないとか嘆いていた気もするが、
ラティにもパートナーを?
うーん、そこはどうなのだろうか。
人間の場合、身籠ったり出産したら1年は動けなくなる。
「ご主人様、魔法です!」
よそ事を考えていたらモロクタウルスの詠唱が始まっていた。
危ない危ない。
オーバードライブで弓を絞り、何とか詠唱中断を間に合わせた。
イルマのウォーターウォールも消えた事だし2ターン目が詠唱できる。
オーバードライブしてガンマ線バースト。
アクアストーム、サンダース・・・1回目で魔物全体が消えた。
あれ・・・?
魔法のコンボは順番的にガンマ線バーストが先だ。
再使用時間までが長いので、
少しでも次の魔法に干渉する事無く回したかったからだ。
つまり、サンダーストーム2回は必要無いと言う事になる。
これまでずっとやり過ぎていたようだ。
いや、違うな。
2つ下層のロックバードで既に2ターン分キッチリ要求されていた。
イルマの魔法が成長したのだと思う。
イルマの出したウォーターウォールの持続ダメージが、
サンダーストーム1発分に迫ったのだ。
その結果2ターン目中2回目の魔法を使用する必要が無くなった。
モロクタウルスは弱点を突けるので、
1ターン目の魔法コンボで既にHPが残り僅かである事は解かる。
問題は弱点を持たないノンレムゴーレムの方だ。
それが同時に消えたと言う事は、イルマの成長以外に思い当たらない。
後からやって来たロックバードに向けて、
イルマのウォーターストームが発せられる。
自分もオーバードライブ後に魔法を重ねた。
ロックバードが羽毛に代わり、フワフワと舞い落ちる。
具体的にどの位のダメージ分貢献しているかは解らないが、
確実に自分の魔法1回を減らす位の威力は見込めるようだ。
特にMP消費の激しいガンマ線バーストが、
1戦1回で済む事はMP効率の大幅な改善に成り得る。
余り期待させるのも悪いので、この事実はもう暫く黙って置くか。
属性の関係で常にと言う訳でも無いだろうし、
そもそも壁魔法を持続的に当て続ける事はゴーレム系以外だと難しい。
「挟まれても大丈夫そうだな、ラティもわざわざ済まなかった。
パニもしっかり戦えているようだし、
まだまだラティの世話になる日は遠そうだぞ?」
「は、は、は、はいっ、パ、パニさん、ありがとうございますぅっ」
「いえ、僕もできる事があればお手伝い致しませんと」
「ふーん、パニも中々ヤルじゃん」
「もうパニ君は立派な剣士だよ」
「そ、そうでしょうか・・・」
おっ、ヴィーがパニを褒めている。
良いんじゃないの?
前列のドロップ品は各自1つずつ、羽毛はナズが拾って持って来た。
「どうぞ、ご主人様」
「うん、ありがとう」
「こちらは岩と鼈甲ですかね」「アタイはお肉!」
ここで戦うと、どうしても避けられない事がある。
それはアイテムボックスが岩だらけに成ってしまう事だ。
この国の迷宮は、できるだけ早期に潰す事が推奨されている。
それも早い者勝ちだ。
仮設の店舗は周りに作られるが、
湿地では長期に住む事は難しいので、町など作られるはずも無い。
それはつまり、この国では建築ラッシュは起きない事を意味している。
岩の在庫はダブついているのでは無いだろうか。
売れないと言う事は無いだろうが、
仮にそうであったらトルキナまで戻って売れば良い。
しかしそれも100個単位で持って行ったら、
また受付にぶつくさ言われそうである。
憂鬱になりながらも、岩を受け取りアイテムボックスへ収めた。
なるべくならこの階層は早く突破したい。
***
午後いっぱい29層を回り、中間部屋を越した所でお開きとした。
やはりイルマの魔法2回分は、
自分の魔法1発を確実に減らす威力へ成長したのだと確認できた。
イルマの状態を確認すると、魔法使いはLv29まで育っていた。
もうそんなになるのか。
それもそうか。
ここは29層、ここで延々と頑張ればLv50だって目指せる階層なのだ。
1回分のコンボを減らすまでには至っていないので、
殲滅スピードはイルマ無しでも変わらない。
しかし自分の方は以前より遥かに強くなっている。
トラッサの56層に行った時よりもだ。
地道にではあるが勇者と魔道士のLvも上がって来ているので、
魔法の威力はその分増大している。
道化師に至ってはLvが上がる毎に2職分の知力上昇が加算される訳だし。
それはつまり魔物を倒すスピードに関して、
自分の魔法強化の方が階層を潜るインフレよりまだ勝っていると言う事だ。
そう思うとイルマの魔法がブーストされ、急激に頭角を現したのは納得だ。
もう自分を抜いた6人で組んで探索しても、
30層位ならば地図を完成させられるのでは無いだろうか?
今の所崩れるような事は無かったし、
そもそも相手は特殊な攻撃を仕掛けて来ない魔物ばかりだ。
ああ、でもなあ・・・。
経験値補正は自分にしかないし、
1日任せても殲滅力的に半分も進まないだろうし、
悩ましい所だなァ。
イルマの魔法がもう2倍位の強さになってくれる事を望むばかりだ。
やはり魔道士か。
それしかないのか。
イルマに望む事は贅沢ばかりである。
*
*
*
夕食後、食器を戻しに行ったエミーが再び湯桶を持って戻って来た。
エミーには以前この部屋では女性陣が体を拭くようにと伝えてあったので、
自分の分を含めて7つの湯桶が運び込まれた。
隣はジャーブとパニの2つ分である。
「ご主人様、体を拭く仕事はこれから3人となりますよね?」
「そうですね。イルマも一旦向こうの宿に移動しましょうか」
「かしこまりました」
「えっ、いや、良いよ、行って拭いて戻って来るなんて面倒だろ?」
ナズは眉を顰め、アナは首を傾げている。
当のイルマは、自分が拒否した理由が解らないと言った具合だ。
イルマは自分の体を拭くと言う仕事に関しては、
直接任せた訳でも割り振った訳でも無いはずなのに。
しかしナズとアナに取ってみれば、
大事な協定を結んだ運命共同体なのだから、
愛人として欠かす事のできない3人だけの仕事だと認識している。
これは血の同盟だ。
この仕事が完遂されるまで、誰1人欠けてはならないらしい。
いやいや、怖いよ。
「ナズ、アナ、別に体を拭くのは大層な仕事では無いからな。
いちいち移動するのも面倒だし今は前と同じで良いぞ」
「ご主人様はイルマさんにお風呂の1番を命じられましたので、
体をお拭きする仕事はイルマさんが指揮を執るべきです」
「その練習も兼ねまして、イルマには拭き方を指導する必要があります」
「そうですね。ナズさん、アナさん、宜しくご教示下さい」
えーっ!何その盟約?
自分がゲート出して送り戻すのは面倒だと言っているんだが、
日本語通じてる?日本語じゃないけどサ。
そもそも勝手に決めたのはナズたちで、自分からは何も命じていないぞ。
なんて言うか、こう・・・。
自分の理解する所とはかなり遠い所に彼女たちの矜持がありそうだよ。
忖度し過ぎて当の主人が置いてきぼりって奴だ。
そのうち、主人に仇成す者なので始末して参りますとか言い出し兼ねない。
考え過ぎだろうか?
不安は募るばかりだ。
「で、では、あちらの旅亭に移動して戻って来るのは大変なので、
纏めてここでお願いしよう」
「かしこまりました。では私は左を」
「私は右ですね。イルマは正面をお願いします」
「かしこまりました、変な所があればこの場でご指導下さい」
変って何よ、指導ってどういう事よ。
拭く作業が痛いのか心地良いのかどうか、
ジャッジを下すのは自分の筈なのだが。
ちょっとこれまで対応を緩くし過ぎたようだ。
ここはひとつガツンと言わせて貰わなければならない。
「ええと、下着の方は・・・」
「はい、優しく脱がして頂いて・・・。
そうですね、苦しそうでしたら納めて差し上げて下さい。
あっ、ええと、イルマさんはまだ直接触れてはいけないのでしょうから、
手拭いで覆って優しく包んで差し上げて下さい」
「ご主人様はこのように、こう・・・、こう・・・、
そしてこのようにされるのがお好みですので、
後はイルマの思うように考えてやってみて下さい」
「かしこまりました、全力で当たらせて頂きます」
*
*
*
ぐぬぬ・・・。
ガツンと言うどころかガッツリ搾り取られて、
自分の思っていた尊厳のある主人像は儚くも消失させられた。
所詮は淡い人の夢であった。
∽今日のステータス(2022/03/10)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv64
設定:探索者(64)魔道士(38)勇者(28)暗殺者(44)
道化師:下雷魔法・荒野移動/知力中・知力大(35)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 隻眼 Lv23 1st
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 忍 Lv23 1st
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 聖騎士 Lv21 1st
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv49 1st
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv40 OFF
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 冒険者 Lv14 2nd
・ラティ 人間 女 28歳 探索者 Lv43 2nd
・イルマ 狼人族 ♀ 21歳 魔法使いLv14 1st
・クルアチ 兎人族 ♀ 18歳 村人 Lv1 OFF
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv65
設定:探索者(65)魔道士(39)勇者(29)暗殺者(45)
道化師:下雷魔法・荒野移動/知力中・知力大(36)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 隻眼 Lv24 1st
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 忍 Lv24 1st
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 聖騎士 Lv22 1st
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv49 1st
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv40 OFF
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 冒険者 Lv14 2nd
・ラティ 人間 女 28歳 探索者 Lv43 2nd
・イルマ 狼人族 ♀ 21歳 魔法使いLv29 1st
・クルアチ 兎人族 ♀ 18歳 村人 Lv1 OFF
・収得品
ハサミ × 1 鼈甲 × 6
羽毛 × 19 バラ × 34
三角バラ × 1 岩 × 71
・異世界74日目(昼)
ナズ・アナ69日目、ジャ63日目、ヴィ56日目、エミ49日目
パニ42日目、ラテ21日目、イル・クル18日目
プタン旅亭宿泊4/20日目 シュメ旅亭宿泊4/20日目
・ダイダリの迷宮
25 シザーリザード / マザーリザード
26 タルタートル / トータルタートル
27 ロックバード / ファイヤーバード
28 モロクタウルス / ボスタウルス
29 ノンレムゴーレム / レムゴーレム




