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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第十章 結実
191/394

§179 培養

メモは6日前から準備されていたようだ。


最初のメモでは、

「屋敷内に於いて特別変わった様子もありません」

とだけ書いてあった。

次のメモは3日前、アイザックから久しぶりに手紙があったとされている。

流石に内容まで奴隷の彼女へ知らされる事も無いだろうし解らないだろう。

そこは仕方無い。


そして昨日のメモと今日のメモ。

昨日のメモには日中ボルドレックが冒険者の使用人を叩き起こして、

どこかに連れて行ったと言う事が記載されていた。


何か急ぎで準備をしていたようだともある。

先日酒場にやって来た2人組をどこかで雇ったのだろうか。

彼らを自らの使用人に命じて送らせたのだろう。


そしてその報告を受けたのが今日で、昼前と言う事だ。

最後のメモには、

「件の酒場の娘を確認するため、息の掛った者を向かわせるようです」

と書かれていた。

午前中に雇った者達からの報告を受けると直ぐ側近が呼ばれ、

大声で怒鳴り散らしていたのを聞いたようだ。


ヒートアップしていた様子から見るに、ずっと探し続けていたのだろう。

その報告がこれまで入って来なかった所を見ると、

ボルドレック配下の情報収集能力は知れていると言う事だ。

ナズが再び酒場で歌い出して、もう30日は過ぎようとしている。


トラッサの騎士団内で話題になってから人伝ひとづてに聞いたのだとすると、

ハッキリ言って本当に情報を集めていたのか怪しい位だ。

金だけ貰って丸投げ・・・いや、探してすらいなかった可能性まである。


やはり騎士団の伝手で子息の耳に入り、

その真偽を確かめるために自ら動いて情報を掴んだのだ。

それ故の叱責だろう。

今まで何をしていたのだと。


次回のナズの歌は2日後。

今日、明日に来られてもナズは不在だ。

確認に来られても不発に終わる。


しかしその報告を受けた結果、

2日後にやって来るのがボルドレック本人である可能性は無い。

大金持ちがわざわざ出向くと言うのは流石に考え難いので、

恐らくはその叱責を受けた側近の誰かなのだと考えられる。


それ故、手柄を急ぐため多少強引な手法で迫って来る可能性は高い。

迎え撃ってやろうじゃないか。


ナズとアナに自分の考えを共有し、手紙はエミーに渡して部屋へ戻した。

こちらも力技で姉を奪う予定なのだ。

細かな作戦を伝えて心配させる必要は無い。

エミーは深々と頭を下げて部屋を後にした。


「い、愈々(いよいよ)ですね」

「挑発に乗って来るでしょうか?」


「そこは上手い事女将さんに協力して貰うしかないな」


ナズは緊張した面持おももちで拳を握り締めた。


「直接ナズに手を出して来る事はあるまい、心配しなくても良いぞ。

 ただしその際はなるべく怖がれ。

 自分の挑発を制止する位で丁度良いと思う。

 お前の主人は弱いと訴え掛ける事ができれば最高だ」


「えええっ!?そ、そのような事は」

「ナズさん、それも作戦です。

 ご主人様を下に見る発言をする事で最大の利を得られるのならば、

 それは褒められる事であって咎められる事ではありません」


「わ、解りました、頑張ります」


ナズは良い子過ぎて、演技と言うか作戦が上手く行くかどうかは不安だ。

1回練習させてみようか?

器用な子だから直ぐできるだろう?


「よし、ちょっとアナが相手だと思って、主人は弱いのだと吹聴してみろ」

「は、はい」


「アナ、さんはい」

「ええっ?そ、それでは失礼します・・・コホン。

 おい、そこのお前。

 あまりボルドレック様を悪く言うとタダでは済まさんぞ」


「お、良い感じじゃないか。

 なんだと?やろうって言うのならこちらにも考えがあるぞ」


ナズの番だ。

アナと2人でナズを見詰める。


「えっ、そ、その、そうですね・・・。

 ご主人様おめ下さい、

 またそうやって喧嘩をして怪我をされたら今度こそ命に係わります。

 今度ばかりは泣いて頼んでも許してくれないかもしれませんよ」


ナズがジェスチャーを交えて迫真の演技で自分を止めに入る。

もう歌姫では無くアクトレスだ。

感心した。


ジャーブもそうだが、うちにいる子たちは芝居が上手なようだ。

もしかして日々の生活の中で自分に接している姿は皆芝居なのか?


いかんいかん、疑心暗鬼になって来た。

自分が使用人たちを信じてやらなくて何が主人だ、管理者だ。


「中々良いじゃないか」

「素晴らしいですね」

「そっ、そうでしょうか、恥ずかしいです」


両手で頬を押さえながら照れる仕草が可愛い。

これはもう即頂くしか無いだろう。

昼間から2つの果実を美味しく頂く事にした。

甘露で甘美な甘味だ。


  *

  *

  *


2人を脇に抱えながら、午後の迷宮はお流れになった。

もう今から向かうにしたって遅い、怠い。

心地良い疲労と言うか、今の幸福感をもう少し噛み締めていたい。


そんな訳で、今日はもうこのままゆっくりするのだと2人に伝えた。


エミーがハーブティーを入れて持って来た。

3客だ。

・・・声、当然漏れ聞こえていたよな。


ジャーブ加入時は多少配慮したが、

アナもナズも、そういう事は意識しなくても良いのだと言っていたので、

今ではすっかりお言葉に甘えさせて貰ってしまっている。

家人の奴隷はともかくとして、実際問題ご近所的にはどうなのだろう?


異世界小説に於いて主人公がハーレムを作る話は少なくないが、

周りに配慮しながら致すような描写は一切無かった。

多少、昨夜はお楽しみでしたね的な描写が一部作品にあるものの、

殆どは王道勇者っぷりが凄くて参考に成らない。


そもそもこういう文明が低い世界での一般市民の性事情ってどうなんだ?


太平洋戦争後のアメリカで、大停電が起きた事件があった。

その際人々は夜間にやる事が無かったので家でヤった結果、

大勢の子供が生まれたそうだ。


地球では人間同士致せば子供ができる。

この世界では他種族間で子を儲けられないので、

似たような状況に至っても増加率は知れているのかもしれない。


勿論他種族同士の恋愛もあるだろうから、

同種同士の婚姻を積極的に勧めないと滅んでしまう種もあるのでは?

そうなると、そういった行為は無下に咎められないと信じたい。


うーん・・・いや、奴隷には繁殖業者もいるようだしそうでも無いのか?

良く解らないので有耶無耶のままにした。

元一般市民のナズがそれで良いって言うのだから、ヨシッ。†


机に置かれたハーブティーを啜りながら、

ちょっと豪華な椅子にもたれ掛かって一息吐く。


アナもナズも左右の椅子に座ってエミーが淹れてくれたお茶を頂いた。


・・・そういえば、薬の件はどうなった。

カビは生えているのだろうか。

あれからもう数日経っているので、そろそろ良い頃合いだろう。


「アナ、例の件は頼んだ。ナズは好きにして良いぞ」

「かしこまりました」「ご主人様はどちらへ?」


「うーん、見たくない物を見ると言うか、

 見てはいけない物を扱うと言うか・・・、

 ナズは腐った食べ物を見た事があるよな?」

「はい?腐った物ですか・・・そうですね。一応、ございますが」


「ではカビは?」

「カビとは何でしょう?」


だよなぁ、雨が殆ど無いこの地域でカビる事なんて。

カビる前に腐るだろう。

そして腐らせる前に食材はちゃんと考えて使う。


どこかの日本と違って、こういう世界背景では飽食とは行かないのだ。

残飯すら奴隷に与えてリサイクルしているのだから、

腐らすなんてとんでもない事なのだろう。


「青くなったチーズは見た事があるか?」

「いえ、そのような物は見た事がありません。

 ホドワでは白いチーズしか売っておりませんね」


チーズを販売している者か、酪農業者なら目にした事はあるのだろう。

果たしてそれが食用に向くと言う所まで知っているかどうかは怪しい。

大体白くカビたチーズだって本来は食用だ。


「まあ、ちょっと実験だ。見に来るか?」

「はい、ぜひお願い致します」

「では私はイルマへ手紙を書きます」


台所事情を扱うだけあってナズはカビに興味があるのか?

2人で裏口から庭に出る。


庭では暇を持て余したヴィーがジャーブと打ち合いをしていた。

いや、打たれさせ?大楯を振り回しているので危ない。

反対の手に握り締めるのは木刀だが、

大楯だって思い切りぶつければ鈍器ではなかろうか。


さて、庭の日陰に置きっ放しだった桶の蓋を取り外し中を確認する。

ムワっと嫌な臭いがして思わず顔をしかめた。


「こ、これは・・・」


ナズも鼻を覆う。


嫌悪の顔は初めて見た。

この目で見詰められなくて本当に良かった。

いつも通りの可愛いナズに戻っておくれ。


5つのパン生地はどれもが変色しており、

特に果物の皮へ押し当てた生地は酷く色が変わっていた。

自分の手で捏ねただけの物は、色の変化こそ無いがドロドロになっている。


これは多分雑菌が繁殖して発酵したのだろう。

手には数万種類の雑菌が潜んでいると言う。

この世で最も汚いものが手らしい。

いや、知らんがな。


カビの色を確認する。


オレンジ色の固まりがポツポツとできている物、

黒い焦げ跡のようになっている物、

緑のコロニーが円状に広がっている物、

オレンジと緑でまだらになっている物があった。

他にも粉っぽく見える物は多分白カビだろう。


ひとまず数種類のカビの培養に成功した事となる。


ここから青カビを見付けたいのだが、

本で見た青カビは青と言うより灰色に近い緑で、

恐らくこれかな、と言うパン生地を取り出してみた。


残りはどうしよう、燃やすか。

汚物は消毒だー!†


庭にバーンウォールを出し、不要なパン生地と桶に溜まった水を捨てた。


「うぉっ!どっ、どうされましたか!?」「うひゃぁっ!」


前触れも何も無く突然魔法で火を起こしたので、

ジャーブもヴィーも打ち手を止めて驚いていた。


「な、何も無いんだ、気にするな。要らない物を燃やしただけだ」

「そ、そうですか。ご苦労様です」

「びっくりしたー」


ついでにアクアウォールを出して桶をゆすぎ、

他のカビの胞子や雑菌を洗い流す。


手にした青カビ付きのパン生地から、

更に青カビだけを抽出して培養したい。

もう一度青カビの株を増やすために桶で培養を行うが、

ここから先は器具が必要だろう。


アルコールまたは煮沸消毒されたガラスの瓶と蓋、

それから抽出用の道具を揃えなければならない。

まずはクリーンな環境で培養できるようガラス製品を手に入れよう。

何度も蒸留された良い酒も必要になるかもしれない。


桶に再び水を足し、緑掛かったカビが発生した生地を収めた。


「それがカビなのですね、食べられるのですか?」


「いや、食べたらお腹を壊すな。チーズなら食べられる」

「ええと、そちらは小麦粉を練った物に見えましたが」


「そうだ、これから薬を作るのだ。

 作った事も無いし上手く行くかどうかは解らんが、

 もし上手くできたらエミーの病気を治せる」

「ええっ!?エミーちゃんの病気が!?本当でございますか?」


「しー、しーっ!」


大声を出したナズの口を塞ぐ。


そもそも病気が治ると言う事実も広めてはまずいだろうし、

エミーが病気だと言う事実も広まるとまずい。

あの家の者は病気持ちだと言う噂が広まりかねない。


「まだ上手く行くかどうか解らんのでな、内緒だ」

「は、はい。申し訳ありませんでした」


「これからシルクスに向かうが、ナズも一緒に来るか?」

「私もご一緒させて頂いて宜しいのでしょうか?」


良いも悪いも一緒に行くかどうか聞いたのだから、

返事はYESかNOで答えてくれないかな。

記者会見じゃないのだから、質問を質問で返さないで頂きたい。†


ナズと共に以前ランタンを購入した店へ出向き、

ガラスの平底食器が無いかどうかを訊ねた。


「あー?ガラスの食器か。今出せる物はこんな感じだが」


見た所、普通の食器だ。

縁取りに過度な装飾がされているので、蓋はできそうもない。

ガラス瓶も見せて貰ったが、水や酒を入れる用途なのでどれも深く、

そしてやはり縁取りは装飾が成されていた。

注ぎ口の加工も施されており、蓋もできそうに無い。


「これではちょっと用途的に合わないのだ。形を注文はできないかな?」

「それは構わないが、できるまで掛かるぞ?」


「どの位だ?」

「そうだなあ、注文してから絵図と値段が添えられて来るから、

 それ見て買うか買わないか決めるんだよ。

 買わない商品を注文する訳には行かんからな。

 船は10日掛かるし、返事が来るまで最短22日だな。

 だから、そっから作らせると合計50日前後か?

 ああ早くて、だぞ?」


ばっ・・・。


馬鹿じゃね?

そんなに待っていられるか。


「直接頼みには行けないのか?」

「そりゃ構わないと思うが、職人に直接は無理だぜ」


ありゃ、そうなのか。


ミチオ君達の場合、ペルマスクでは鏡を直接職人に依頼していた。

まあ、直接交渉を行ったのはセリーであったが。

それはできないと?

コネとか伝手がいるのだろうか。


「どうすれば良いんだ?」

「シュメールの職人街には一般市民が立ち入れないんだ。

 だから専門に扱う商人へ依頼する。

 結局向こうへ行ってもやり取りに2日か3日は掛かるぞ」


50日が10日+3日なら十分では無いか?

行くべきだろう。


「そうか、分かった。行ってみる事にするよ」

「そうなのか?まあ、そりゃ止めねえけど船に乗るのも大変だぞ」


まだ何か制約があるのか。

船・・・そうだよな。

一般市民が乗せてくれと言って乗れる状況では無いのだろう。


こんな時代の船は一般的な交通手段としてでは無く、

大きな商会が抱える貿易用途の専用船であるはずだ。

どこの馬の骨とも解らない者をホイホイ乗せてくれる訳が無い。


うーん、それでは困った。

町娘を助けたり胡椒と交換で船が貰えるなんてラッキーな話は・・・。†


・・・おお!そうだ、コネはあった!


若干使いたくないが。

そして最悪の組み合わせである相方を連れて来てしまったが。


シルクス騎士団の入り口で名を名乗り、イルハンへ拝謁を申し出た。


ここの騎士団ギルドには演習用の敷地が無く、

周囲にある小奇麗な一般商会と同じ石造りの建屋となっている。


迷宮も無いし治安維持に努めるだけで、

その部隊は別の場所で訓練をするのだろう。

オフィスビル化してしまっているのだ。


暫くして騎士2人に案内され、建屋の2階へ案内された。

ノックして部屋に入る。


甲冑が立派なイルハンが、これまた立派な椅子に座っていた。

執務室の机には書類の束が乗っている。

多くの船が出入りする港街なのだし、業務は大変そうだ。


「おー、来たな。若ェの。えーっと何だっけな」


「御無沙汰しております、商人のユウキです」

「おー、そうだ、ユウキだ。この前は旨い物を済まねえな。

 あれは何処の街の何て料理なんだ?

 親父に食べさせてやろうと思ったんだが、

 名前も知らねえし説明もできねえ。今度持って来いよ」


「ええと、アレは現在ホドワの酒場で出しておりますので、

 注文でしたらそちらへ」

「あー、あー、あー!そういえばそんな事を言っていたな!

 早速遣いを出すか。持ち帰りできるのか?」


「そうですね、そういう客が多いとは聞いております」

「そうかそうか、そりゃ良い。助かった」


そう言うと席から立ち上がろうとしていたので慌てて止めた。

いきなりタコスの話で終わりにされそうだった。


「あ、あのですね、今日はその件では無くて」

「ああ、そうだった、済まねェなこっちの話ばっかりで。

 で、何しに来たんだ?」


「はい、実はシュメールに行きたいと思いまして、

 そのためにどこかの船へ乗せて頂きたいのですが、

 お口添えを頂けないかと思いまして」

「シュメールだぁ?」


イルハンが鋭い顔付きになった。

何か不味いのか?

国同士険悪な仲・・・では無いだろう、貿易している位だし。


「シュメールは外の商人が行っても門前払いだぞ、何しに行くんだ?」


そうなのか。

そういえばさっきも聞いたが、中に入れないのだったな。


自国の産業を守るために厳重なのだろう。

外国の商人が買い付けに行っても相手をして貰えない。

いや、町に入れない。

恐らく地元の許可された者しか商売が許されないのだ。


「どうしてもガラス製の食器が必要になりまして、注文をしたいのです。

 商売のためでは無く1つ2つを依頼したいだけなのですが、

 ここで注文をすると50日以上も掛かると言う事でして、

 シュメールに行って頼んだ方が早いと聞きました」


「うーん、それなら別に構わないと思うんだがよ、

 結局船で行っても10日は掛かるぞ。帰りも10日。

 それに、船が行く先はシュメールじゃねェ。

 サンドラッドっちゅう別の国だ。

 そこからシュメールへは幾つかの街を経て行かにゃならん」


船の行き先はシュメールでは無いのか。

それは驚きだ。


てっきり港にはシュメール産の物が入って来るのだから、

船はシュメールに行くものだと思って疑いも無かったが、

実際には別の国へ輸出された物を再び輸入していたのか。

それではシュメール産の装飾品はバカ高くなるはずだ。

ランプやガラス品が高級品だと言うのも頷ける。


しかしそうであっても行かざるを得ない。

蓋付きシャーレとビーカーは絶対に欠かせない。

できればピペットも。


「それで構いませんので、何とかお願いできませんでしょうか」

「あーん、うーん・・・まあ良いだろう。

 どうせ今日はもう船が出ないから、明日の朝書面を取りに来い。

 それを持って明日の船に乗せて貰え」


「本当ですか、ありがとうございます!」


深々と頭を下げる。

ナズも一緒だ。


「それより、お前の決闘はまだか?

 お前に賭けてルスラーンの借りをチャラにするんだから早くしろよ」


「えっ、いや、それは相手の出方次第と言うか、

 相手から吹っ掛けられませんと、こちらからはどうして」

「チッ、そういえばそうだったな、早くしろよ。

 そんで、そこの娘とも1戦手合わせしたい。約束は忘れんなヨ」


「は、はい。それは勿論でございます。な?ナズ」

「えっ?は、はい。その時は宜しくお願い致します」


「そんじゃ明日だな。見ての通りよ、忙しいんだ」


イルハンは書類の束をポンポンと叩いて不機嫌そうな態度を露にした。

執政官の息子と言う立場もあって、全ての仕事が回って来るのだろう。

こればかりは一般市民の自分では何の役にも立てなさそうである。


「はいっ、お忙しい中ご面会頂きありがとうございました」

「次は頼むぞ」


イルハンは片手を口元でクイクイと捻り、酒の催促をした。

商人なのだから仕入れて来いと言う事だ。

中々に無茶な事を。


シュメールに行ったら探してこようか。

船に乗せて貰う運賃だと思えば安かろう。


「では、シュメールで1番の酒を探して参ります」

「そりゃ良いな、頼むぞ」


騎士団ギルドを後にして、一旦家に戻った。

∽今日の戯言(2021/11/20)


いよいよ用意したあった別の国へ。

正直設定を作った際にはこんな長編になるなんて思わなくって。

しかし、意外と日数は経過していないみたいで。



 ・異世界50日目(13時頃)

   ナズ・アナ45日目、ジャ39日目、ヴィ32日目、エミ25日目

   パニ15日目

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― 新着の感想 ―
[良い点] もしや、次話からは新章 航海編に? そして、待望のお米にも再会を! [気になる点] 本文) >「うーん、それなら別に構わないと思うんだがよ、 結局船で行っても10日は掛かるぞ。帰りも1…
[気になる点] 10日間の船旅… 移動する船とフィールドウォークやワープは使用できるのか? 奴隷たちは無所属奴隷に…なるのか? この二点が気になる。 大荷物が無いなら冒険者ギルドに行って陸路を…
[一言] いつも楽しく拝読いたしております。 エミーの治療に進展があって、安心しました。 早く治してあげてほしいのに、色々いそがしかったり、カビが生えるのに時間がかかったりとヤキモキしておりました。 …
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