§180 温風
「ご主人様、いつでも大丈夫です」
家に帰るとアナが待っていた。
エミーの姉、イルマへの手紙を書き終えたのだろう。
「ああ、では宜しく。横に出すから手紙だけ」
ボルドレックの屋敷の側面へゲートを開き、
アナは手だけを突っ込んで地面を確認すると、パピルスを突き立てた。
以前にも行った手法だ。
半身だけを通過させ一定時間が経過すると、
MPがみるみる減って行くのを体感する。
段々と気分が悪くなって来るのだ。
例えるならそう、車酔いだ。
あの気分の悪さが全身に回って来る。
少々吐き気はあるものの、吐く程では無い。
眩暈がするものの、倒れる程では無い。
アナが手を引き抜いた時には安堵した。
だからと言って気分が回復する訳では無い。
アイテムボックスから強壮剤を1粒摘まんで飲み込んだ。
これ以上消費すると本当にクラクラして来て、思考までおかしくなる。
MPとはどういう構造なのだろうか。
人間の脳内で躁鬱状態を決めるのは、アドレナリンやセロトニンである。
アドレナリンについてはランナーズハイと言う言葉があるように、
スポーツ選手や格闘技のファイターなど一部のトップアスリート達は、
自身でコントロールして大量に出す事ができるのだと言う。
そうする事で競技中の苦痛や痛みを緩和できるのだ。
MPを大量に消失するとぼーっとして戦意まで消失する事からも、
アドレナリンに近い物質が消費されているようには思う。
と言う事は強壮剤と言う名前こそ付いているが、
これはアドレナリン補給物質なのか?
飲んだ瞬間から効果があるので魔法的に補給しているようには思うが。
自分はそういった方面に詳しくないのでそれ以上追求できないが、
科学者や物理学者に取っては宝の宝庫なのだろうな。
「アナ、明日は朝早くシルクスに行き、船に乗る事になった」
作業を終えたアナに、今日あった事を説明する。
「と言う事は暫くはお帰りにならないのでしょうか」
「いや、移動魔法で帰って来るが?」
「ええと、冒険者のフィールドウォークは、
馬車など動いている物の中では使用できないと聞きましたが」
「えっ?」
そうなの?
駄目じゃん。
10日も帰って来れないなら、ナズの歌の日はどうするんだ。
トラブルを起こして吹っ掛けられる予定があるのに、
あちらもこちらも対処できないぞ。
体が2つ無いと。
パニが冒険者になっているのならば、
船へ乗せるのはパニだけにして行って来て貰うと言う手もあるが、
原住民がわざわざ船で移動するだけあって、
冒険者のMPでは賄い切れない程遠いのかもしれない。
十分に経験を積んだ冒険者であっても、
太刀打ちできない消費量を要求する距離であるのならば、
パニを向かわせても帰って来れないだろう。
そうなると誰かを乗せて代わりに行って貰うと言う手段は無理そうだ。
移動魔法の消費量が移動距離に応じてでは無く、
移動距離が長くなると乗比例や指数関数的に増えるのであれば、
冒険者では一定距離以上の移動が不可能と言う事になる。
取り敢えず本当に馬車から移動ができないのか、
実際に確かめなければならない。
船から脱出ができたとしても、戻る事ができなければ同じ事だ。
「じ、自分にはフィールドウォークとは違う魔法があるからな。
ちょっとやってみよう」
「どういう事でしょうか?」
ホドワにはユーアロナに行く馬車の便がある。
乗合で20ナール、チャーターで1000ナール。
乗合でいきなりワープして抜ける訳にも行かない。
とすると1000ナール、高いな。
しかし必要な投資だ。
「ではちょっと行くぞ」
「えっ、私もでしょうか」
「それでしたら私は夕食の準備を致しますね」
アナを連れてホドワの商人ギルドに飛び、
ユーアロナまでの便をお願いした。
「今からですかい?乗合なら2人で40ナールだけど、
そんなに急ぎの用事があるんですかねぇ。
大急ぎなら冒険者ギルドの方が・・・」
「さるお屋敷で大量のガラス製品を納めるよう注文を受けたのだが、
荷馬車でどの位揺れるのかを一度体感して置きたいと言った具合だ。
駄目そうならば冒険者を雇わざるを得ないが、あちらは高く付くのでな」
「そういう事ですか。分かりました、銀貨10枚ね」
馬車の荷台に乗せて貰う。
こういう馬車ならば乗合とは違い、荷物を急いで運ぶ用途なのだ。
その荷を隠すために、或いは沢山積んでも零れ落ちないように、
丈夫な幌で囲まれている。
アナを御者の横に座らせ、自分は荷台に飛び乗った。
「じゃあ宜しく」
「かしこまりました、通常走行のように飛ばしますので掴まって下さいね。
落ちて怪我をされても責任は取れませんので」
荷物を積んで落ちた場合は荷主の責任と言う訳か。
そうでもなければいちゃもんを付けられそうだからな。
本来はしっかり組み積んで見張りを付けるのだろう。
「ハイッ」
御者が手綱を引き合図を送ると、馬はゆっくりと動き出した。
馬車が町を出て街道を行く。
もう一度手綱で合図を送ると、馬はスピードを付けて走り出した。
街中でドカドカ急いだら危ないしね。
ホドワの街も遠くなり、がらんとした街道が広がる。
こうしてみるとホドワの街は周りに何も無い。
荒野に突如として現れた都市なのだ。
対してユーアロナの方は穀倉地だった。
何処かでその境界があると思うのだが、
前の方は見えないので窺い知れない。
そろそろ良いだろう。
ワープを幌に向かって念じると、
移動用のゲートは歪な形で現れた。
幌のカーブに沿ってぐにゃりと曲がる。
・・・ああそう。
それもそうだよね。
ここで長方形の長いゲートが出たら、
幌を突き抜けて奇妙な構図だ。
くぐって自室に戻り、ゲートを閉じる。
MPの消費量は大した事も無かった。
どうやら移動中でも通常の距離で認識されるようだ。
再び先程の馬車の荷台を思い浮かべてゲートを開く。
壁から幌へ。
こちらは長方形だ。
移動は・・・成功した。
やはり歪な形でゲートがぐにゃりと曲がる。
空間的には1つとして繋がっているのだろう。
きっと移動元で上の方から移動したら、
こちら側では天井から落ちると思う。
ワープの魔法は本当に万能であった。
但し、消費量がデカい。
フィールドウォークとの比較で言えば、
2倍か3倍位はあるのでは無かろうか。
それだけ常識を超えているし、そもそもがボーナス魔法なのだ。
その位のハンデは負って然るべきだろう。
これで船からの移動もできそうだと安堵した。
後はユーアロナまでの25分、
する事も無く暇なので荷台にクッションを持ち込んで休ませて貰った。
こういう馬車は揺れて痛い。
お偉い様の乗る御輿馬車とは違うのだ。
サスペンションも無いし、荷物用なので座布団なんてある訳が無い。
アナは尻が痛くなっていないだろうか。
そもそも、生まれて初めての馬車では無いのかな?
暇な時間はステータスを確認した。
遊び人と細工師はLv50となっていた。
細工師は基本ジョブなので、扱いは戦士と同じクラスだ。
上級職は取れていない。
きっとスキルを利用して敵を倒す事が要求されるのだろう。
と言う事は。
細工の職へ就いたならば日がな1日細工仕事をさせられる環境に於いて、
迷宮へ赴きスキルを利用して敵を倒すだなんて事は絶対にしないだろう。
貴重な細工師に死なれても困るだろうし。
上級職は更にレアなジョブなのでは?
期待が湧く。
帰ったら直ぐにでも魔法反射で敵を倒そう。
遊び人にも上級職は取れていなかった。
こちらの解放条件は何だろうか。
遊び人自体はジョブを22種類取得した時点で現れた。
恐らく村人はカウントされず、村長もカウントに無いのだろう。
自力で取得したジョブでは無いからだ。
後から何とかなる他の職業20種を解放する。
これが真の条件だと思われる。
ではその上級となると、中上級職を規定数以上なのだろうか。
他の職を終端まで極め、遊び人までも極めるとなると、
相当に時間が掛かる。
最効率でやっても目利きの仲買人は49歳であった。
寿命が300年位無ければ、
遊び人の上級職は一般市民では難しいのでは無いだろうか。
力のある貴族や王族のような、高火力高Lvの部下を何人も従えて、
毎日迷宮の深部に通わせていたとして、ようやく到達できそうだ。
それが遊び人の上級ジョブ。
王族が遊び人などと言うのは示しが付かないので有り得無い。
そんなの無理ゲーだ。
いや、ゲームでは無くそれが現実だ。
この世界に於いては。
非常に気になるが何種類の上位ジョブが必要となるのかも不明だ。
僧侶や神官の上位ジョブならば、
もう少し真剣に深階層へ籠れば取得できそうではある。
次の迷宮での目標が決まった。
遊び人の上級ジョブを解放する事、それが命題だ。
生活面では将来に渡る職を見付ける事だ。
これは追々やって行く。
まずは動き出したエミーの治療法を模索する事、ナズの追っ手を退ける事、
この2つを片付ける。
あれこれとやっている間に、
馬車はユーアロナの冒険者ギルド前に到着したようだ。
揺れが収まり、馬がヒュルルンと高鳴り声を上げる。
「着いたよー」
荷台から降りると、そこは穀倉地だった。
いつの間に。
もう少し情景を眺めて置くべきだったかな?
日も傾き、日差しも柔らかになっている。
いつもならもうそろそろ迷宮から引き上げる時間だろう。
御者に礼を言って別れた。
このまま冒険者ギルドに入ってワープして帰っては、
お前は何をしに来たんだと言う話になる。
テスト走行だと言った手前それもありかもしれないが、
商人ならばまずそのお得意さんとやらの家に顔を出すべきだろう。
自宅から持って来たクッションを持ち歩きながら階段を上って行く。
「ご主人様、お持ち致しましょうか」
「それもそうだな」
アナがクッションを受け取ると、抱き抱えて付いて来た。
馬車は宿屋の前に向かう。
帰りの客でも探すのだろうか。
若しくはそろそろ日も暮れるので今日はここで一泊なのか。
人の目が無くなったので改めて階段を下り、
冒険者ギルドの壁絵からゲートをボルドレックの屋敷に繋いだ。
「ここは?・・・そういう事ですね。返事は・・・無さそうです」
アナは察して、手紙等が無い事を確認して報告した。
再び家に向かってゲートを繋ぐ。
クッションを置くためだ。
「アナ、もうひと仕事頼む」
「かしこまりました」
アナを連れてそのまま迷宮へ。
魔法をたくさん撃ち込んで来る上に脅威が低い魔物。
パッと思いついたのがマーブリームだ。
しかし、アレは空中を漂って攻撃して来るので、
後列に固定する事が難しい。
確実に発動を狙えるのは・・・やはりパーンなんだよな。
「済まないが、アナ。もう一度焼かれて欲しい」
「えっ・・・」
アナの表情が曇る。
普段はあまり表情を変えないが、露骨に嫌そうな顔をした。
「か、かしこまりました」
以前は細工師Lv25だったので反射率、と言うか軽減率が25%だった。
今回は更にその半分を回避できる。
できれば火属性の耐性装備を持って来てやりたかったが、
コボルトが無いのでそれも難しい。
トカゲのカードはあるが、どうせならちゃんとした状態の装備を作りたい。
トラッサ6層の中間部屋、ボス待機部屋を経てパーンと対峙した。
「以前よりは軽減できるので大丈夫だ。前回程熱くは無い・・・と思う」
「は、はい。頑張ります」
恐々(きょうきょう)とした返事が返ってきた。
破魔鏡を自分とアナ2人に掛ける。
2人で反射するのだからダメージは2倍だろう?
耐性で1/2割引きされるのだから、半分の魔力で押し返す事になる。
こちらも受けるダメージは半分だ。
確実にダメージを受ける事となるので、僧侶は必須になる。
魔法は使わないので魔道士のジョブと交換した。
準備万端だ。
扉が開いて、パーンが現れた。
「アナ、魔法を反射させて倒す。
ずっと避けるだけだが、耐えてくれ。傷は癒す」
「は、はい。反射・・・とはどういう事でしょう?」
「以前ここで実験した、魔法を軽減したスキルがあっただろう?
あれは実を言うと反射していたのだ、早く!」
既にパーンは駆け出して殴り掛かって来ていた。
アナを向かわせて盾で往なさせる。
接近していると徒手格闘ばかりで魔法を撃って来ない。
離れさせなければならないな。
「アナ、盾で押し返せ。剣は使うなよ」
「はいっ」
パンチを受けるインパクトを狙って盾で小さくガードプッシュする。
パーンは元々格闘が得意な魔物では無いらしい。
そんな事をセリーが言っていたような気もする。
何度か押し返されたパーンは蹌踉めき、距離を取った。
成功だ。
足元には魔法陣が描かれ、魔法の詠唱態勢に入っている。
その発動をじっと待つ。
「アナ、もっと距離を取れ。これから魔法を連発させる」
「はい、大丈夫でしょうか。6層とはいえ、あの魔法はかなり強烈でした」
「心配するな、その都度回復する。ちょっと熱いかもしれないが──」
体の周りがポカポカと温かくなって来た。
温風ドライヤーを当てられている感じだ。
自分の魔法では炎の破片が集まって燃えるように見えていたので、
他人から見たら今の自分達もそう見えるのだろうか。
これまで水魔法も食らった事はあるが、
自分が発動するような大掛かりなエフェクトは無く、
視界が遮られるような感じは無かった。
結論から言って、思った程熱くは無かった。
チョット熱めの風呂・・・程度で、我慢できる範疇だ。
これが50%カットか。
熱量を50%カットでは無いと思うから、
しっかりとダメージは受けたはずだ。
パーンとは目測20メートル位の距離を取った。
以前パーンを周回した際に、
自分たちの「落し物」を狙って、他の探索者達が返り討ちに遭った。
その際、最後の探索者は部屋の隅に追いやられていたのだろう。
パーンの立ち位置も部屋の隅であった。
入り口から部屋の角までは目測15メートル位はある。
それ以上に距離を取ったので、パーンは連続して魔法を使って来るだろう。
元々魔法が得意の魔物と言う話だし。
後は回復をしつつ破魔鏡を掛け直すだけで良い。
2回目の魔法の詠唱が見える。
回復は万全だ。
確かに熱くは感じたが、殆ど痛みを感じなかったので手当ては1回のみ。
アナも喚き叫ぶような事は無かった。
破魔鏡も掛け直した。
2回目の熱風地獄がやって来る。
ホントに、近距離ドライヤーと言う感じだ。それが全身。
焼けるような熱さはあっても、焼け死ぬ程の苦しさは無い。
魔法のダメージがこれ程まで減少できるのであれば、
深層部の攻略でも大いに役立つだろう。
更に耐性装備を整えれば怖い物は・・・状態異常位だな。
早く全員分を揃えたい。
パーンは結構な体力を持っていたはずだ。
こんな熱風程度では中々倒し切れないだろう。
かと言って手を出す訳にも行かず、根比べが続く。
自分と違って魔物は即座に次の魔法を撃って来ない。
詠唱時間もあるのだから、待機時間は倍以上だ。
十分に距離を空けているので徒手攻撃も無い。
暇な時間が続いた。
どうせならもっと人数が欲しい。
4人なら4倍の攻撃力になるのでは無いだろうか。
耐性で半減されても、通常魔法ダメージの1回分位は見込めるだろう?
デルタ・・・いやクアッドアタックだ。
今よ、姉さん!跳ね返して!†
2回目の魔法を食らい、破魔鏡と手当てを掛け直した所で、
アナにはそのまま持ち堪えるように頼んでゲートを開いた。
ボスとの戦闘中であってもワープは使用できる。
今まで調べようと思っても試して来なかったが、これは大きな発見だ。
退出できるのであれば、当然入場もできる。
無論、ボスを倒した後に閉まっていた入口へゲートを出せていたし、
ミチオ君も通常戦闘中にワープを使用していたので、
予想としては限り無く可能であるとは思っていたのだが。
急いでナズ、ジャーブ、ヴィー、パニを呼び寄せ、ゲートに突入させた。
「これは、ちょっと・・・」
「ユウキ様、我々は武器を持っていないのですがッ!」
「タテがないと!アタイこまるよ!」
「あ、あの、僕は何故呼ばれたのでしょう」
パーンはまだ魔法の詠唱中であった。
集めた4人はまだ破魔鏡を掛けていない。
何だったら装備も身に着けていない。
オーバーホエルミングで時間を引き延ばし、4人に破魔鏡を使った。
かなりMPを使った気がする。
それもそうだ、破魔鏡4回と手当4回、ワープも連続で5回使っている。
パーンとの根比べなのだから、強壮剤が必要になる。
アイテムボックスから3粒取り出して、1粒を飲み込んだ。
パーンの魔法が炸裂する。
「キャアァ・・・ァぁ、あら?」
「うわっ、熱っ・・・熱?・・・くない?」
「いや、アツいよ!おふろよりアツい!アッチ、ァアッチ!アチッ」
「少し熱めですが、僕はこの位なら平気です・・・」
ナズは「ちょっと熱いですかね?」とか呑気な事を言っているので、
やはり効果的には大成功だ。
何だったら、もうパーンは怖くない。
「パーンの魔法を軽減するスキルをお前たちに掛けたのだ。
このまま暫く耐えてくれ」
「そ、そうなのですね」
「これを何度も受けるのですか」
「アツいのヤだよぅ」
「ヴィー様、これもご命令です」
破魔鏡と手当を1回ずつ掛け直す。
パーティ人数が6人になったので、ダメージ係数は1.5倍だ。
パーンよ、どんどん撃って来い。それがお前の引導だ。
結局12回の反射を経てパーンは自らの体を肉に変えた。
最初の2回は2人で返したので・・・、
ちょっと待っててくれ、今ジョブを替える。
(10×6+2×2)÷2÷2で16。
パーン自身の魔力では通常魔法16回分で自死すると言う事だ。
結構掛かるんだ。
いや、パーンのHPが多いのか?
自分が同Lvの魔法使いだとして、装備無しだとその位は掛かるのだろう。
「これは、新しいスキルをお試しになったのでしょうか?」
「ユ、ユウキ様、我々は一切攻撃をしていないのですが・・・」
「あれ、ホントだ、いなくなってる・・・」
(ヴィー様、先程魔物が魔法を使った瞬間に消滅しました)(ふ、ふーん)
ヴィーは体を抱えて縮こまって耐えていた。
最も豪快で辛い物が得意なのに、熱さに弱く臆病だ。
そもそも元は盗賊だし、自分自身で火を噴き出せる癖に、変な奴だ。
「もう良いぞ、突然で悪かったな。アナも帰って良い」
「かしこまりました。皆さん、行きましょう」
5人を労って家に戻した。
さて、ジョブはどうだ。
ジョブ設定のスキルを使用すると、・・・うん。
取れていた。
未知の新ジョブだ。
一番下に機工師の文字があった。
そこで矛盾が生じる。
現在この世界では細かい仕上がりの逸品を作る細工仕事はあるが、
機工師と言うのならばもう少しメカニックな物を作って然るべきだ。
例えば銃とか。
しかしこの世界に於ける発達段階ではそのような物はまだ無い。
もっと文明が進んでから明らかになる隠しジョブなのか?
それならば自分は先駆者とも言えるだろう。
それよりも銃を作った所で魔物相手に有効なのかと言う疑問もある。
スキルで作れば武器として利用できるのか?
そう思って選択してみたが、
使用するスキルは反射鏡の他に解析と続いた。
反射鏡・・・は文字通り、破魔鏡の上位スキルだろう。
受けた魔法ダメージを半分吸収せずに無効化しそうだ。
いやそうなのかどうかすら解らないが、上位的な効果は見込まれる。
だが上位ジョブは育て上げるに苦労するだろうし、
それがダメージ無しで反射していては、
不意打ちの際は受けたかどうかすら確認できない。
反射したのだと理解できた方が、再度掛け直しする際には有利だ。
それから解析・・・と言う事は、魔物の状態を調べるスキルか?
状態異常や弱点、耐性が判ったりする?
そうならば知らない魔物の弱点が明朗になり探索は便利だろうが、
それが上級職のスキルだとするとちょっと残念過ぎやしないか?
細工師Lv50ともなれば50層を渡り合えているのだし、
既に殆どの系統の魔物は制覇しているはずだ。
今更何の意味があるのだろうか。
取得こそしたが、これを育ててもあまり意味は無い気がする。
Lvに応じて解析の度合いが深まると言った事は無さそうだ。
鑑定がアイテムを対象とするならば、解析は生物用なのだろう。
そんな事をしなくても、ボーナススキルの鑑定で全てが見通せる。
それより情報深度が浅いのならばまるで役立たないスキルだ。
そう匂わせて置いてからの破魔鏡のような有能スキルと言う線もあるが、
やはりボーナス鑑定の前では霞んで見える。
上級ジョブ1つを解放したと言う事で良いだろう。
試しにセットしてアナを「解析」してみたが、
「アナンタ」とだけ表示されるウィンドウが出て来ただけで、
特に何も得られる情報が無かった。
人間相手ですらまともに使えないようではたかが知れている。
あ、いや、初対面の人物の名前位は判るのか。
顔を見て名前が思い出せないような人には良いかもしれない。
商人ともなれば多くの人と出会う事になるので、
取引相手の名前を失念と言う事態は避けられるよな。
効果はMP微上昇、知力中上昇、器用中上昇。
ジョブの持つパーティ効果も大した事は無さそうだ。
結局魔法で戦うのだし、英雄のMP中上昇か知力中上昇が最も効率は良い。
名前こそカッコ良いが、機工師は現時点で有効性を見い出せなかった。
ジョブを付け替えて魔道士を戻し、武器商人をセットした。
こちらはLv30までなので直ぐだろう。
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv54
設定:探索者(54)遊び人:中水魔法/知力中(50)
英雄(48)暗殺者(42)魔道士(23)武器商人(13)
*
*
*
夕食後にパーティを再編してスパイクスパイダー戦を周回した。
その際には暗殺者を封印して5thジョブとし、
浮いたポイントを必要経験値減少に回した事で、
経験値効率は400倍の恩恵を受ける事ができた。
24匹倒した所で武器商人はLv30となった。
36層のボス1万匹近くを倒した計算だ。
元々戦闘職でないジョブは緩めなのだし、中級職とは言えこんな物だろう。
効率も良いし倒し易いので、明日もここで防具商人を上げてみようか。
∽今日のステータス(2021/11/21)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv54
設定:探索者(54)遊び人:中火魔法/知力中(50)
英雄(48)細工師(50)暗殺者(42)魔道士(24)
・BP152
キャラクター再設定 1pt 結晶化促進×16 15pt
パーティー項目解除 1pt 6thジョブ 31pt
パーティライゼーション 1pt MP回復速度×3 3pt
パーティジョブ設定 1pt 詠唱省略 3pt
獲得経験値上昇×20 63pt メテオクラッシュ 1pt
必要経験値減少/10 31pt ワープ 1pt
取得:村人(5)戦士(30)剣士(34)商人(30)色魔(1)
奴隷商人(1)騎士(31)賞金稼ぎ(31)武器商人(13)
防具商人(1)農夫(1)薬草採取士(30)錬金術師(1)
料理人(18)村長(1)盗賊(30)魔法使い(50)
僧侶(19)神官(1)博徒(35)冒険者(1)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv46
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 暗殺者 Lv45
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 騎士 Lv45
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv44
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv32 OFF
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 探索者 Lv46
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv54
設定:探索者(54)遊び人:中火魔法/知力中(50)
英雄(49)魔道士(24)武器商人(30)
・BP152
キャラクター再設定 1pt 必要経験値減少/20 63pt
パーティー項目解除 1pt 5thジョブ 15pt
パーティライゼーション 1pt MP回復速度×3 3pt
パーティジョブ設定 1pt 詠唱省略 3pt
獲得経験値上昇×20 63pt ワープ 1pt
取得:村人(5)戦士(30)剣士(34)商人(30)色魔(1)
奴隷商人(1)騎士(31)賞金稼ぎ(31)暗殺者(42)
防具商人(1)農夫(1)薬草採取士(30)錬金術師(1)
料理人(18)村長(1)盗賊(30)魔法使い(50)
僧侶(19)神官(1)博徒(35)細工師(50)
冒険者(1)機工師(1)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv47
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 暗殺者 Lv46
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 騎士 Lv46
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv44
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv32 OFF
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 探索者 Lv47
・収得品
羊の肉 × 1
レッドスパイス ×24
・繰越金額 (白金貨2枚)
金貨 89枚 銀貨 89枚 銅貨 67枚
馬車代 (1000й)
銀貨-10枚
------------------------
計 金貨 89枚 銀貨 79枚 銅貨 67枚
・異世界50日目(15時頃)
ナズ・アナ45日目、ジャ39日目、ヴィ32日目、エミ25日目
パニ15日目
・トラッサの迷宮
Lv 魔物 / ボス
6 エスケープゴート / パーン
・ホドワの迷宮
Lv 魔物 / ボス
36 スパイススパイダー / スパイクスパイダー




