表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第十章 結実
184/394

§172 帯電

ナズから起こされ、微睡みの中で2人分のキスを交わす。


56層への到達が叶い、昨日は休みを出した。

一部は休むどころか果敢に戦う事を望んだようだが、自由行動だ。

それも含めて休日と言っても良い。


毎日主人に監視されていては息も詰まるだろう。

同じ戦うにしたって、奴隷達だけで赴いた方が緊張感も・・・。

いや、迷宮では緊張しろよ。

気が緩んで全滅しました、とかでは話にならない。


そもそも、自分は主人の中でも大分緩い方だ。

元々いい加減な性格だし。

上下関係ならば自分よりも奴隷間の序列の方がキツイと思う。


特にそれを感じるのはアナとヴィーだ。


元一般人のナズは全員さん付けだし、

ジャーブは年齢で相手の見方を決めているように思う。

だがアナは序列で呼び名を変えているし、

ヴィーはパニを格下認定している。

いやまあ、それで合っているのだけれども。


昨日はアナがトップに立って迷宮を攻略した。

どんな感じだったのか気にはなる。

無茶な要求を平気でしそうで。


・・・後でこっそりパニに聞くか。


「ご主人様、どうかされましたか?」

「え、いや、何でも無いぞ。今日はどうしようかなあとか」


折角緩い気分で目が覚めたのに、難しい顔になってしまった。


「そういえば、昨日は食材を取りに行く予定でしたね。

 ヴィーの新しい盾の練習に時間を割かれたようですが、

 今日これから向かわれますか?」


「そうだなぁ。そういえば、ヴィーの調子はどうだった?」

「あの盾の使い方に悩んでいるようでした。

 大きいのでどう構えても身を守る事ができるのですが、

 余り正面に構え過ぎても攻撃ができないようで、

 攻防両立するにはまだまだ掛かりそうです」


そうか・・・。


やはりあれを使いこなすには相当の修練が必要なのだな。

ホイホイ買い与えて簡単に扱えるならもっと流行って良い。

竜騎士と言うジョブに就いた者全員が使用するのであれば、

普通に武具店で並べられているはずだ。


貴族や金持ちしか成れない魔法使い用の武器は普通に売っているので、

竜騎士用の武具だって普通に揃っていなければおかしい。

魔法武器は僧侶用かな?それはまあ良いや。


大楯と言う防具がそう成っていないのは、

一般的では無いと言う表れなのだ。

入手が困難な物であれば扱える者は少なくなり、それが市場を狭める。

モノが売れなければ武具店での扱いも減り、負のスパイラルとなる。


オークションなどでも目玉として扱われるのであれば、

まだギリギリ需要があるのだろう。

近接だしな。


弓はホラ・・・なんて言うか、まず一射目から技術が必要だし。

矢の補充も管理も大変だし。

狩人のジョブは恐らくアイテムボックスを持っていないだろうから、

大量に持ち込むなら大型の矢筒も必要となる。


56層では魔法込みで戦っても60本以上使ってしまった。

再利用できるとは言え、魔法無しならもっと大量に使用するだろう。

1戦闘あたり100本では利かないのでは無いだろうか。

そしてその後、散らばった100本を拾う作業。


面倒臭っ!

そりゃ廃れるわ。


「今日はヴィーの練習も兼ねて肉を集め、

 チリソースの原料となるレッドスパイスを集めに行こうと思う」

「解りました」「かしこまりました」


ナズが朝食の準備のために立ち、

アナは武具の手入れのために納屋へ向かった。


昨日のヴィーたちはアナの案内でスムーズに迷宮を回り、

ホドワの4層まで到達したらしい。

夕食時に成果と拾得品を出して来た。


1層のボスから革は出なかったそうだが、

皮とオリーブオイル、スパイダーシルク、ペッパー、

そしてコーラルゼラチンを受け取った。


3層でスパイスパイダーが出るなら、

スパイクスパイダーを倒すならこちらの方が良かったか?

38層と36層でそれ程大きく難易度が変わったりはしないだろうが、

低い方が魔物の体力は低い。

それだけ倒し易いはずだ。


折角金を払って送って貰ったが、

ホドワの36層へ送って貰った方が良いかも知れない。

出る敵はミノのボスのハチノス、

ナイーブオリーブのボスのパームバウム、

何だか判らないが33層、32層の敵もちらほらと出るだろう。


ほぼパームバウムで時々ハチノスなら戦い易そうだ。


トラッサでは4層がチープシープだったので、ボスはビープシープ。

これが雑魚として大量に出て来る。

と言う事は、眠り対策が万全でないと厳しい。

まだまだ全員の耐性装備は先になる事だし。


朝食を摂った後、まずはトラッサへ。


ビープシープとパーンをヴィー1人で取らせて、他は全員見学だ。

ジョブは魔法使いをめ、魔道士へ変更した。

全体魔法アイスストームを連射せず単体魔法アイスボールで狙う。

これまで単体魔法で戦って来た事は殆ど無かったので、自分も練習なのだ。


ヴィーの動きを見ていたが、ガードは余裕なのだが手が出ていなかった。

構えるだけで精いっぱいと言った具合。

と言うより盾に隠れてしまって相手を見ていない。


「ヴィー、ちゃんと顔を出して受け止めろ。

 それでは魔物が次に何を仕掛けて来るか判らないだろう?」

「あいっ」


これまで使っていた鋼鉄の盾のように構えては駄目だ。

トロールやゴーレム戦で端っこで受けた際には、

強力な一撃を抑え切れずにいた。

その経験と言うか、癖が抜けていない。


大楯はそれ自体が重たいので真芯で受けなくたってびくともしない。

それどころか端に当たる事がほぼ無い。

まだこの特別な盾を手にして半日なのだ。

戦闘知識も未熟な12歳の少女に無茶をさせているのは判る。


ミスをする事無くしっかりと受け止めている現状に、

本来は100点を出してあげなければいけない所だった。

慣れればそのうち自分のタイミングで攻撃手段を見付ける事だろう。

寧ろ強力な防御壁を得た事に喜ばなくては。

あれなら魔物2体相手でも行けそうな気がする。


ビープシープはもうLv差的に10倍もあるし、

英雄・遊び人の2枚重ねの知力上昇効果もあって、

アイスボール2発で倒せてしまう。

弓を持たなければ3発だ。


あっと言う間に倒すので練習時間は1戦闘当たり45秒程度。

パーンでも然程さほど変わらなかったので、

果たして練習に成ったかどうかは判らない。

そもそも1対1なのだし、こういうのは2匹相手でないとな。


山羊の肉もラムも直ぐに10ずつ集まったので、ホドワの1層へ飛んだ。


「あれ?ここはホドワですよね?

 俺はてっきりトラッサの38層へ向かうのだとばかり」


直ぐにジャーブが気付いた。

迷宮の壁は迷宮ごとに異なる。

昨日練習のために潜ったホドワの壁なのだから直ぐ気付くだろう。


「ああ、トラッサでは38層だが、ここなら36層だ。

 その分倒し易いと思ってな。

 1つ下の階層で出るビープシープがまだまだ厄介だし、

 眠りの耐性を持っているのはお前とヴィーしかいないのだ」

「なるほど、確かにその通りです」


「いつも私達の安全を考えて頂ける事に感謝致します」

「そうなのですか?ご主人様、ありがとうございます」

「ふーん?」


魔法の発射回数とか戦い易さで判断したので、

別にそこまで考えてなかったのだが、半分合っているので良いのか。

それなら褒められて置こう。


一旦全員外に出て、迷宮の前で立っていた男に話し掛けた。


「案内を頼めるか?」

「えっ?いや、俺はただの待ち合わせなので無理だよ。

 案内ならギルドでやってるよ」


まだ朝も早い。

外で立っていたのはただの待ち合わせだった。


そういえばここホドワは町の中心に迷宮があり、

目の前に探索者ギルドがある。

わざわざここで待っておらず、用があるならギルドに来いと言う事か。

と言う事ならば昼でも出張料は取られない?

何だか二重に損した気分であった。


ホドワの探索者ギルドの受付に頼み、迷宮の36層へ送って貰う。


やはり受付が案内役を兼ねていた。

アイテムボックスを持つジョブは買取カウンターに立てないそうなので、

ここに勤める職員の中で探索者として働けるのは受付だけなのだろう。



   ***



「それでは、36層だが気を引き締めて行くぞ。

 各自、毒には注意しろ。おかしいと思ったら声を上げてくれ」

「「「はいっ」」」


「それからヴィーはまずは1匹を確実に押さえろ。

 攻撃はできたらで良いから無理をするな?

 そのうち2匹を取って貰うようになるだろうから、

 受けるだけで無く、ちゃんと敵の方を見るように」

「あい!」


「アナ、まずは3,4匹位の集団が居ればそちらへ」

「かしこまりました、ではまずはそこの十字路を左に進んで下さい」


以前は口移しで解毒丸を与えたりしたが、

今はパーティライゼーションがある。

ポイントの端数で余裕が出て来たためだ。


倍率アップ系を上げて行くと、どうしても乗せられない端数が出る。

良かった、ジャーブと口移ししないで済んで。


「ご主人様、スパイススパイダー3匹とパームバウムです」

「よし、パームバウムはアナが石化させろ、残りはスパイススパイダーへ」

「「「はい」」」


状態異常耐性ダウンを撒く。

そしてアナの石化と自分の毒化、どちらが早いかの勝負だ。

スパイススパイダーであればなんて事は無い、

おかしな場所から攻撃されなければ。


以前低層で初めて戦った時、

ボス部屋入り口の真上に居て不意打ちを受けた事があった。

しかしここは通路。

たとえ天井に登る事があるとしても、

ナズの槍なら十分届くし、何だったらちゃんと見える。


33層下のスパイスパイダーと違う所は、大きさ以外は特に無い。

後列からスキルや糸を吐かれた際に、

毒消しを確実に準備して置けば何ら問題は・・・。

無いと思うが、硬い。


先程トラッサで準備運動をして来たとは言え、魔道士のLvはまだ9だ。

サンダーストームを放ったが、まるで効果があるように思えない。

要するに、余りダメージの足しになっていないのだ。

そもそもスパイススパイダーが何の属性なのか不明のままだった。


お供に出るパームバウムやハチノス対策のために、

遊び人のスキルは火魔法をセットして来たのだが、

果たしてスパイススパイダーにも有効かどうかはまだ判らない。


そして23層から一気に飛ばして来たために、

通常魔法なら何回程度で倒せるかも全く掴めない。

果ての無い魔法詠唱が続く・・・。


もうMPの無駄遣いを止めて雷魔法は止めて置こうか?


そんな風に思っていたら、アナの手が止まった。


「どうしたアナ?」

「いえ、石化したようには見えないのですが相手が動かなくなりまして」


「それは麻痺だ。さっきから麻痺をする魔法を使っている」

「ええっ!?そんな事がおできに成るのですか?」


あっ。


しまったな、魔道士を取得した事も、

雷魔法を使っていた事も全く説明していない。

実験の際はアイスボールを使用していたが、

新しい魔法を試すとも言わなかった。

そもそもウォーターボールすらまともに使って来なかったのだ。


それがアナには魔法使いの単体魔法であるように映っていたかもしれない。


戦闘関連の重大事項は事前に説明しようと思っていたが、

何だかんだで後回しにし過ぎてしまった。


「ええと、話せば長くなるが、一昨日魔道士のジョブを得た。

 だから今使っているのは雷魔法と火魔法の混合だ」

「こ、混合・・・。魔法使いと魔道士のスキルをですか・・・」


「それよりも早くっ、止まっているなら絶好の好機だろう?

 今のうちできるだけ沢山叩いて石化を!」

「は、はいっ。そうでしたっ」


ナズやジャーブ達は最前列で戦っているので、

中列で何が起きていたかを見る事はできない。

今のやり取りも含めて、後で説明せねばなるまい。


結局毒が先に入り、その後にパームバウムは石化した。

魔法は5ターン目に移る。

中々倒せないのでじれったい。

魔道士のLvが上がって来たら多少はマシになるのだろうか。


氷魔法でも雷魔法でも矢は消えないので、

威力が上がって来たら雷魔法2回を撃った方が効率は良いだろう。

魔物を退場させると言う意味では、麻痺させたら石化させた事に等しい。

麻痺状態の敵をアナが一方的に叩けば、即座に石化するからだ。


だが上級ジョブである魔道士は成長が遅そうだ。

勇者は英雄の比では無い位成長に難があるのだと思う。

今後の育成はかなりスローペースになると覚悟せねばならないだろう。


続いてナズの抑えていたスパイススパイダーも石化が完了する。

ナズとアナはもう阿吽の呼吸でお互いに隙を作り出している。

対応がし易い魔物から狙うのは基本だ。


ヴィーでは盾の不安定さが、

ジャーブとでは大きく振り回す大剣自体を避けなければならない。

最前列ではフレンドリーファイヤーが当たり前に起きる。


味方に当たらない、と言うのは単体魔法と全体魔法だけの特権のようだ。

従って中距離攻撃のナズと近接ガードメインのアナが、

最もコンビネーションが取り易い。


続いてジャーブとナズ、ヴィーとアナがペアで残りの2匹を囲った。

やはり取り易い先を取るのだ。

大楯と槍では干渉しあって隙を突けない。

ジャーブも接近されては剣を振り回し難いだろう。

ナズとジャーブのペアは正しい。


「おりゃぁぁぁぁっ!」


ヴィーが大楯でスパイススパイダーを押し込んで壁に挟むと、

アナは怒涛の突きを入れた。


もう安心だろう。

しかしヴィーも考えたな。

昨日の成果かな?


ジャーブはカウンター待ちをしてじっと動かなかったが、

相手も動かないでいた。

何をお見合いしているんだか。

って、そうだよな。


ジャーブも魔法でスパイススパイダーを麻痺させた事を知らない。


「ジャーブ、それは麻痺しているから今のうちにボコれ」

「えっ?は、はいっ。道理でずっと動かなかったんですね」

「えっ、これが麻痺なのですか?でもどうやって・・・」


「いいから説明は後だ」

「はいっ」


結局魔法は18ターン。

威力的には上だが効果的に低い魔道士の魔法と、

威力は低いが熟練度の高い魔法使いの魔法。


スパイススパイダーもパームバウムも両方同時に消えたので、

恐らくスパイススパイダーも火属性が弱点だったのだろう。

飛んで火に入る虫らしいし、虫は火に弱いのだと思う。


ざっくりだが大体36回魔法攻撃したのと等しい。

この階層は非弱点魔法で魔法36回と覚えて置こう。


「ご主人様、矢を集め終わりました」

「ありがとう、ナズ。それでな?」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・。


先日の56層遠征中に魔道士のジョブを取得した事を伝えた。

そして使用魔法が変わり、氷と雷魔法が利用できる事を説明する。


「と言う事は、ユウキ様の雷魔法で敵が麻痺するんですか・・・」

「今後は私が攻撃する魔物以外も硬直する事があるのですね?」


「そういう事だ。まだ熟練度が低いから簡単には麻痺をしないだろうが、

 今後動かない敵を見たらそれは麻痺だ。どんどん打って出ろ」

「それでは、私たちが麻痺をしてしまう可能性は無いのでしょうか?」


「味方には当たらないから大丈夫だ。

 あ、いや、ウォールを出したら判らないな。やってみるか?」

「えっ、いえ、済みません。大丈夫です」


アナが遠慮がちに一歩引いた。


大丈夫もくそも無い。

氷や水、炎、砂が実体化するのだし、

サンダーウォールを出したらビリビリする雷柱が現れて、

触れた者にダメージと麻痺を与えるのだろう。


パラライズウォールと言っても良い。

電気柵代わりに使える・・・?

ゴーレム対策になるかも知れない。

ウォールは当たり続けている間中ずっとダメージを与え続けていた。


ともすれば、通常魔法の1発を1回の麻痺判定より、

遥かに麻痺をさせ易いのでは無いだろうか。

次はちょっとやってみよう。

丁度アナは竜革の小手を身に着けている。

ナズやジャーブ、ヴィーだと武器から導電して感電しそうだ。


「じゃあ次を探してくれ」

「かしこまりました」


続いてアナはスパイススパイダー3匹とハチノス2匹、

それからパームバウムの、計6匹の群れに案内した。


慣れたと思われたのだろう。

1回の戦闘で流石にそれは無い、鬼教官アナだ。

もう少し様子を見て欲しいのだが・・・。


ハチノスはやはりデカい。

レムゴーレム程では無いが、それでも2頭が横に並べば通路は一杯だ。

それよりも動きの遅いスパイススパイダーが後列に回り、

パームバウムは更に後ろで空気だ。


「ジャーブ、ヴィー、頑張ってハチノスを止めろ、アナは補佐だ。

 スパイススパイダーのスキル詠唱が見えたら直ぐ報告するように!」

「はいっ」「分かりましたっ」「あいっ!」


「ナズは隙を見て後列に槍を通して行け、どうしても無理なら弓で狙う」

「はいっ」


前後列に分かれて配置に着く。

状態異常耐性ダウンを全体に掛け、ジョブを暗殺者に切り替えた。

自分の準備は大変だ。


戦略の指示、スキルの使用と入れ替え、矢の射出と魔法の詠唱。

それでいて、危険そうならばパーティライゼーションで解毒薬の使用だ。

いずれも警戒を怠れない。


せめてどれか1つ代わって貰えたら・・・。


無理だろうな。

全てはボーナススキルの恩恵だ。

戦略の指示程度ならできそうだが、彼女らはそこまで詳しくないのだ。


ジャーブの知識も12層止まりだったし、

40層当たりまでの情報があるのは自分だけだ。

勿論ここに出て来る雑魚ならば一度は戦った低層のボスなので、

ある程度の対処法は判るだろう。


だがパーティ全体の統制と言うか、

どの戦力をどこに、と言うのはそういう訓練をしていないと無理だ。

特に最前線で戦う者がその任務を背負うのは酷と言う物だ。


遠くから一歩引いて見る立ち位置と、

パーティをコントロールできるヒエラルキーが必要になる。

そうか・・・探索者は大事だ。


強力なスキルを持っている訳では無いので、

20層以降からは荷物持ち位しか出番が無かろうかと思っていたのだが、

逆に後ろから戦闘を見る位置へ押し下げられる事で、

戦い方の細かい指示ができるのだろう。


決して他のジョブになるための踏み台ジョブなどでは無い。

探索者はやはりパーティリーダーたるべきジョブだった。


前衛陣がハチノスを抑えている間に、

中列でウロウロしているスパイススパイダーに向けて、

実験の為サンダーウォールを放った。


乾いた雷鳴音がパチパチと鳴り響き、

よくあるメカニック的な行き止まりである所の電磁バリアーが現れた。

しかも結構なサイズだ。

横から見えないので厚さは判らないが、一目で理解できる事がある。


アレに触れたらヤバイ。


突如現れた光の壁に、ジャーブは驚きの声を上げた。

アナもその光のカーテンに目を奪われ一瞬動きを止めたが、

再びハチノスを突く作業に戻った。


「ご主人サマっ光ってる!」


「そりゃあ光るだろう、雷の壁だ」

「ちがくて!、あか、あかいやつ、魔物の!」


よく見るとヴィーの後ろにいるスパイススパイダーの足元に、

赤い詠唱マークが出ていた。


「止めますっ!」


ナズは槍を突き入れた。


あっ、ダメ、今突いたら・・・。


「あぁぁ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁ゛ぁっ・・・」


ナズの籠手は金属製だ。

槍も鋼鉄の槍で全てが金属だった。

当然そうなる。


「アナ、ナズを引き剥がせ!」

「えっ?は、はい、大丈夫ですよね?」


「お前は大丈夫だ、早くっ!」

「はいっ!」


アナは恐る恐るナズの手を掴むと、

一気に引き寄せて槍を雷の壁から引き抜いた。


「ナズ大丈夫か?」

「は、はい・・・かなり痛みがありましたが、何とか」


アイテムボックスから滋養剤を取り出して、

2つをパーティライゼーションで使用した。


「あっ、治まりました」


「今、滋養剤を使用した。2つでもう平気か?」

「ええっ!?あの、そ、そうですか、そういえばおできになるのでしたね」

「は、はい、もう大丈夫です。それよりも、魔物の方が」


「ナズが突いてくれたおかげで詠唱も止まったし、

 何なら3匹とも麻痺しているようだ」

「本当・・・ですね、恐ろしい魔法です」


「そういえばナズは麻痺耐性の鎧を持っているのだったな、良かった」

「あっ、はい。そうでしたね。痛みは防げないようでしたが・・・」

「やはり、あの魔法壁に触れたら麻痺をしますか」


「アナは大丈夫だ。その皮の鎧であればアレの影響は受けない」

「そうなのですか?後で詳しくお話をお聞かせ頂いても?」


「ああ、後で説明しよう。今はヴィーの援護を、ナズはジャーブだ」

「「はいっ」」


スパイススパイダー前面は安全になった。


このためアナはハチノスの裏側に回り、

怒涛の突きで2体を石化させる。

その後スパイススパイダーの麻痺が抜け切らない内に、

それらの石化も順次完了して行った。


最後に残ったパームバウムは4人全員で取り囲んだ。

いやだって特徴も何も無い雑魚だし。

弱点属性が無いのが厄介位だとセリーも言っていた。


後は適当にMPを回復させながら、

ファイヤーストームとサンダーストームを連射するだけでした。

∽今日のステータス(2021/11/15)


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv54

  設定:探索者(54)遊び人:氷魔法/知力中(48)

     英雄(47)細工師(49)暗殺者(36)魔道士(1)


  取得:村人(5)戦士(30)剣士(34)商人(30)色魔(1)

     奴隷商人(1)騎士(31)賞金稼ぎ(31)武器商人(13)

     防具商人(1)農夫(1)薬草採集士(30)錬金術師(1)

     料理人(18)村長(1)盗賊(30)僧侶(19)

     魔法使い(50)神官(1)博徒(35)冒険者(1)


 ・BP152

   鑑定          1pt   必要経験値減少/10 31pt

   キャラクター再設定   1pt   結晶化促進×16   15pt

   パーティー項目解除   1pt   6thジョブ     31pt

   パーティライゼーション 1pt   MP回復速度×3    3pt

   パーティジョブ設定   1pt   詠唱省略        3pt

   獲得経験値上昇×20 63pt   ワープ         1pt


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv46

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 暗殺者 Lv45

 ・ジャーブ     狼人族  ♂ 28歳 騎士  Lv45

 ・ヴィクトラ    竜人族  ♀ 12歳 竜騎士 Lv44

 ・エマレット    狼人族  ♀ 19歳 料理人 Lv32 OFF

 ・パニ       竜人族  ♂ 15歳 探索者 Lv44


  ↓


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv54

  設定:探索者(54)遊び人:火魔法/知力中(48)

     英雄(47)細工師(49)暗殺者(37)魔道士(11)


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv46

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 暗殺者 Lv45

 ・ジャーブ     狼人族  ♂ 28歳 騎士  Lv45

 ・ヴィクトラ    竜人族  ♀ 12歳 竜騎士 Lv44

 ・エマレット    狼人族  ♀ 19歳 料理人 Lv32 OFF

 ・パニ       竜人族  ♂ 15歳 探索者 Lv44



 ・繰越金額 (白金貨2枚)

     金貨 90枚 銀貨 36枚 銅貨 97枚


  迷宮案内料            (3300й)

   33層移送            3300


            銀貨-33枚

  ------------------------

  計  金貨 90枚 銀貨  3枚 銅貨 97枚



 ・戦利品

   ペッパー   ×6   パームオイル ×2

   革      ×2


 (前日)

   皮        ×13   オリーブオイル  ×17

   スパイダーシルク × 3   ペッパー     × 1

   コーラルゼラチン × 8



 ・異世界47日目(朝)

   ナズ・アナ42日目、ジャ36日目、ヴィ29日目、エミ22日目

   パニ12日目



 ・トラッサの迷宮

  Lv   魔物       /    ボス

  4 チープシープ     /  ビープシープ

  5 スパイスパイダー   /  スパイススパイダー

  6 エスケープゴート   /  パーン



  ・ホドワの迷宮

  Lv    魔物       /    ボス

  1  ミノ         /  ハチノス

  2  ナイーブオリーブ   /  パームバウム

  3  スパイスパイダー   /  スパイススパイダー

  4  コラーゲンコーラル  /  コラージュコーラル


  34  ハチノス       /  センマイ

  35  パームバウム     /  カナリアカメリア

  36  スパイススパイダー  /  スパイクスパイダー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 魅力的な世界観と主人公のヤラカシ。 [気になる点] えぁりん様>wikiとか作っれくれても良いんじゃよ? 感想返しありがとうございます。 すみません、残念ながらそこまでの力量はなく。 …
[一言] モンスターカードについてのリクエストがあったので、個人的メモを転写します。 一応全編何度もチェックはしてますが、抜けがあったらご容赦を。 §028 収得 羊 §029 購入 コボルト×…
[良い点] 定期的な更新がされているので、前の内容を忘れず読みやすい。 [気になる点] アナの装備の竜革のミトン=竜革の小手のことなのだろうか? ジャーブの装備も竜革の手袋なので導電して感電はしないの…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ