§165 硬直
ここかな?
魔物の部屋に通じるであろう道を探し、壁をペタペタと触る。
なるべく5人で固まって、フォーメーションを乱さずに。
扉が開くとそこに吸い込まれてしまう。
ヴィー以外は経験しているので大丈夫かと思うが、
ヴィーが驚いて転倒しないかと心配だ。
──パチッ。
何か作動したような乾いた音がした。
同時に壁へ切れ込みが走り、床が蠢く。
9層や13層では床が畝ったが、ここでは動く床だ。
床の一部が絨毯・・・いや皮膚のようにぐにゃっと撓み、
部屋の中へ吸い込まれていく。
今回のようにここが魔物の部屋であると判った上で、
移動トラップの構造が解っていれば脱出できなくは無い。
しかしうっかり手を掛けてしまった場合ならば足を掬われて転倒し、
確実にこの中へ呑み込まれるだろう。
あっと言う間に5人全員が魔物の部屋へ誘き寄せられ、
その入口は固く閉じてしまった。
中にいた魔物全てがこちらを感知し、一斉に集まり出す。
「今のうちにできるだけ隅の方へ!」
「「「はい」」」
少しだけ奥側に移動し、そこで陣形を取った。
(ガンマ線バースト!メテオクラッシュ!オーバーホエルミング!)
3つのスキルを使い、空間が捻じれている間に全体を確認する。
ギュッとMPが減ったので、用意して置いた強壮剤を飲み込んだ。
オーバーホエルミングには欠点がある。
近くはハッキリ見えるのだが、遠くはモヤモヤして良く見えなくなるのだ。
見た所直ぐに詠唱を開始しているロールトロールはいなさそうだった。
足元のスキルマークを中心に探すだけなので、多少モヤってもこれは解る。
ただしレムゴーレムだらけなので隠れた部分が見難い。
次は弓を引きながら少し移動しつつ探すべきだ。
そして回復しきれていないMPを補完するため適当に矢を放つ。
これだけ密集しているので、多分どう撃っても何かしらの魔物に当たる。
何だったら多分3本撃っても何かに当たるだろう。
(ウォーターストーム!ウォーターストーム!)
通常魔法を念じてワンセットを締め括る。
引き続きMPが回復したらオーバーホエルミングして弓だ。
急激に気分が悪くなったが、ぐんぐんッと回復した事を体感する。
次はMP回復のためのオーバーホエルミングだ。
隊列的には自分が中心となり、全員に守られている格好となっている。
殿を務めるアナの横を抜け、
更に集まっているレムゴーレムの隙間も抜けてロールトロールを探した。
最奥に赤い詠唱マークを見た。
止めなければならないので、集中して1回放つ。
続いて適当に2回、狙いを付けずにばら撒く。
ここでオーバーホエルミングが切れたので再度使用した。
部屋全体を見回すにはこの位置からでも難しい。
2連射を適当に放ち、今度はヴィー側の方に抜けて様子を見る。
ロールトロールの位置関係は大体把握した。
アナ側最奥に1匹、ヴィー側の方面から中距離と遠くに合わせて2匹。
ジャーブは目の前でレムゴーレムと共に制している。
以前2体同時にカウンターさせた練習が生きているのだと思う。
ナズはレムゴーレムに密着し、パンチを誘発させる。
できるだけ間合いを詰めてその攻撃を生かし、
反撃でレムゴーレムを転倒させるつもりだろう。
成功を祈る。
ナズ側にもロールトロールがいたが、
そちらは注目の方向だからいざとなったら直ぐに魔法を止める事が容易だ。
レムゴーレムの隙間を詰めてこちらに向かおうとウロウロしていたので、
現状で危険性は低い。
3回目の射撃体勢に入る。
オーバーホエルミングからの2本撃ちで、
でき得るだけロールトロールを狙った。
パットバットもウロチョロして見えるが、完全に空気だ。
レムゴーレムの壁の前に、近寄って来すらしない。
元々気まぐれに動く奴だ。
最接近しないと急降下は仕掛けて来ないし、
これだけ距離があると逆に安全だろう。
但し数が多い。
レムゴーレムの隙間を埋めるようにバサバサしている奴と、
動かないレムゴーレムを止まり木にして休憩している奴と、様々だ。
ブラックダイヤツナは1匹だけ確認できた。
それが動く先々で周りのコウモリがバサバサと跳ね回っていたので、
良くも悪くも目立っている。大きいし。
そしてブラックダイヤツナもレムゴーレムが邪魔をして、
こちらに来る事はできないでいる。
完全に回遊魚だ。
ブラックダイヤツナにも魔法攻撃があったとは思うが、
なるべく隙間を詰めて移動しようと悪戦苦闘しているようなので、
あの位置から撃って来る事は無さそうである。
大体、奴が魔法を詠唱する時は空中へ逃げるので直ぐにでも撃ち落とせる。
と言う事は逆に安全なのかもしれない。
やはり注意すべきはロールトロールの魔法だけだ。
2セット目の魔法を用意する。
(ガンマ線バースト、メテオクラッシュ!)
敵陣真っただ中で使ったため、
ヴィーやジャーブの視界に入った所で使ってしまった。
「うぉぉ、ユウキ様、これはっ!」
「ま、まぶしくて見えない!」
「済まん!直ぐ戻る」
戻ると言いながらも、それは矢を撃ち込んでからだ。
ヴィーの目前のパットバットに狙いを付けて2射放ち、
直ぐさまホームポジションへ戻った。
(ウォーターストーム!ウォーターストーム!)
視界がぐるぐる回り、眩暈と吐き気で床に落ちた。
拙い、MPを使い過ぎた。
いや、回復しきれなかったのだ。
急いでアイテムボックスから強壮剤を掴み取って飲み込む。
「ギャん!・・・がはっ」
眩しさのあまり目を閉じていたのか、
ヴィーがレムゴーレムに殴り飛ばされて壁へ打ち付けられた。
拙い、いろいろ拙い。
直ぐジャーブが位置取りを変えてレムゴーレムの進行を止めたが、
隊列に綻びができたのは事実だ。
ジャーブが立っていた位置は自分が替わり、
力技でレムゴーレムのパンチを避けた。
オーバーホエルミングが無ければこの失態で終わっていたと思う。
ナズも未だレムゴーレムに対し有利な状態を作り出せないでいる。
恐らく槍を振り回すには狭過ぎるのだろう。
アナはレムゴーレムに押されて戦線が後退して来た。
もうあまり時間は掛けられない。
オーバーホエルミングを使用し、アナ側のトロールを注視する。
魔法詠唱中が1匹、落ち着いて狙う。
そうか。
先程もここで1本撃っただけだったので回復量が足りなかったのだ。
続いてMP回復のために2本撃ちで1回放ち、
次はジャーブが請け負ったヴィーのエリアに注目する。
こちらも詠唱中のロールトロールがいた。
ヴィーに気を取られて対処が遅れていたら危なかった。
やはり1本を番って集中し、確実に狙いを付けて放つ。
だがここにはブラックダイヤツナが飛び回っており、
散らされたパットバットたちが散けていたのが気になる。
念のためもう一度オーバーホエルミング2本撃ちで2回、
ロールトロールがいたはずの位置を狙ったつもりだ。
後で効果が切れた際にもう一度確認しに行こう。
放置しては絶対拙いのだ。
ロールトロールが放つ雷魔法には麻痺の効果がある。
仮に麻痺が最悪な状態で発動した場合、
アナとナズ、そして自分が動けなくなる。
いや、ナズは麻痺耐性の鎧だったかな?
どちらにせよ、誰か1人でも欠いてはならないのだ。
そうなった場合今度こそジ・エンドだ。
ユウキの冒険はここで終わってしまう。
コンティニューは無いのだから確実に抑えなければならない。
メテオクラッシュのエフェクトは終わったが、
3セット目の魔法コンボを使用するのは躊躇った。
MPが回復し切っていないし、ロールトロールの動きが気になる。
ここでメテオクラッシュを発動させると魔物の詠唱を発見し難くなるし、
MP切れで動けなくなったらそれこそ終わる。
ヴィーが元の位置に戻り、ジャーブとその場を分かち合った。
自分も奥に下がる。
こちらは何とか持ち直したが、アナの方がもう限界だ。
押され過ぎている。
自分が入り込むスペースはもう僅かであった。
と言うより、ナズの方は少し戦線を押し返していた。
押して押されての、戦線は一進一退の状態だった訳だ。
急いで片を付けなければならない。
魔法7ターン+αでレムゴーレムは沈められたのだ。
次が4ターン目、後もう少しだけ耐えてくれっ。
オーバーホエルミング後に弓を引き、
2本撃ちで2回、矢を4本を射出しながらガンマ線バーストを唱える。
続いてオーバーホエルミングから再び矢を射出、
今度はメテオクラッシュを使用する。
そもそも魔法を一度に全部使用する必要なんて全く無かったのだ。
回復、詠唱、回復、詠唱、で十分だった。
やってみて過ちに気付く。
ちょっと考えたら判るだろ?
読みが甘過ぎて自己嫌悪だ。
同時にやろうとして集中を欠くよりも順番の方が断然安定する。
そしてまたオーバーホエルミング。
ロールトロールの魔法詠唱が無いかをこまめに確認し、
念のために1体1射ずつ撃ち込んで置いた。
相変わらずブラックダイヤツナがパットバットを撒き散らす。
ピックホッグはこちらに詰め寄れる隙間を探し駆けずり回っているようで、
今の所魔法の脅威は無いようだ。
それよりも居たはずのロールトロールが見えないので、
あのコウモリの中に埋もれているのだろう。
見えないし狙えないのは拙い。
この後メテオクラッシュのエフェクトで床も天井も赤く染まる。
そうなったら魔物の詠唱マークが見えなくなってしまう。
イチかバチか、パットバットの群れの方に計3回、矢6本を放った。
ジャーブはロールトロールを往なして止める。
同時にレムゴーレムへもカウンターを決めているので、
攻守凄まじい事をしているのが見て解る。
ジャーブはもう直ぐ聖騎士に届きそうな位Lvが上がっている。
こうまでも格の違いを見せられると、何だか自信を無くしてしまった。
きっとルスラーンやイルハンも同じような事ができるのだろう。
自分が戦えているのはボーナス魔法と、
殆どズルみたいなスキルであるオーバーホエルミングのおかげである。
それを含めて戦術と言えばそうなのだが、
明らかにこの世界に於ける条理を無視しているのは否めない。
危険牌を絶つために、
ブラックダイヤツナ付近のロールトロールの方へ単騎で進軍した。
両手を上げて威嚇するポーズのまま止まっているのを確認する。
この格好はフライトラップで見た。
足元は隕石のエフェクトが重なってしまい確認できないが、
これは詠唱だ。
危なかった。
放置していたら致命傷を受けかねない。
直ぐさま接射で2発を叩き込み、
オーバーホエルミングの効果時間内にホームベースへ戻る。
──ズザッ。
「いってェ!」
足元は既にマグマの床に変わっている。
ようするに何がどうなっているのか良く判らない。
急いでいたので確認を怠ったせいか、
レムゴーレムの足っぽい物で躓いて前のめりに転んでしまった。
集中が切れてオーバーホエルミングも切れた自分に、
ハットバットの群れが襲い掛かって来た。
背中をバットで叩かれるような痛みが2回、3回、4回・・・。
流石にミスリルジャケットを着ていたって痛い。
ここは56層なのだ。
ダメージが通って、自分の命を削っているのが良く判る。
拙拙拙い。
起き上がろうにも背中へのタックルが止まらないので、
体が持ち上がらないのだ。
(オーバーホエルミング!)
何とか気持ちを切り替えて、スキルを使用する。
体を捻って横に転がり、起き上がろうと顔を上げると、
レムゴーレムの足がさっきの場所に降りて来た。
コンマ数秒遅かったらあれの下になっていた訳だ。
本当に恐ろしい。
今のはちょっとちびった。内緒だ。
あっ、後で洗濯の際にエミーにはバレてしまう。
ゆ、許せ、エミー。
体を起こしてウォーターストームを連射し、戻りつつ矢を撒き散らした。
自軍エリアに戻って一息安堵を吐く。
と言っても、もう自分が入り込むスペースは無い。
アナが押され過ぎて、ほぼナズと背中を1つにしている。
ジャーブとヴィーの横に並ぶのが精いっぱいだ。
こうなってしまったらオーバーホエルミングを切らさず使用し、
力技で避ける以外に対処の方法が無い。
限界だ。
ここが今の自分でやれる精一杯だったのだ。
後り7秒程度を何とか避け、
もう一度ガンマ線バーストを放つ事に全てを賭けた。
(オーバーホエルミング!)
避けて避けて、矢を放って避けて、矢を放って、
次のオーバーホエルミングを切らさないように頭の中で連打する。
多分次の効果時間になった。
また避けて避けて、避けて、弓で狙って、避けて・・・。
足元のマグマのエフェクトが消え去り、元の薄暗い床面に戻る。
アナ側の最奥のロールトロールが腕を振り上げていた。
(オーバーホエルミング!)
駆け寄りながら弓を構え、撃ちながらガンマ線バーストを念じた。
ロールトロールとレムゴーレムを残して魔物が消滅した。
一度に多くの魔物が煙へ変わると、霧が立ち込めたように視界を遮る。
ピッグホッグとハットバットがいなくなってそこへ隙間ができたため、
レムゴーレムとロールトロールは更に密度を増した。
矢もそろそろ限界である。
足元付近の散らばる矢をオーバーホエルミング中に回収し、
拾っては撃ちを繰り返す。
適当に撃ち込んだ事を後悔した。
目の前のレムゴーレムに当てて置けば、
毒が回って一体早く倒せたかもしれない。
散らばった矢は直ぐに回収できたはずだ。
遊び人の魔法は水魔法がセットしてあるが、
ロールトロールの弱点は火魔法だ。
ウォーターストームとファイヤーストームを念じて魔法を発動させる。
先程のメテオクラッシュ分だけMPが回復しきれていない。
と言うか、もうMPを回復する手段が無い。
残った矢は数本であるためこれをMP回復用に回してしまうと、
ロールトロールの詠唱を止める事ができなくなってしまう。
まだ後もう1ターン分は3セットの魔法が必要になる。
アイテムボックスから強壮剤を摘まみ、5つを飲み込んだ。
ガンマ線バーストとメテオクラッシュ分のMPが回復できたと思うので、
直ぐさま発動させる。
レムゴーレムの密集地でオーバーホエルミングを用い、
敵陣渦中を駆けずり回りながらだ。
奥の方に居たロートルトロールの足元には詠唱マークが出ていた。
慌てて弓を構えて狙いを付けながらファイヤーストームを念じる。
ピリッとした痛みと衝撃が体に走り、
駆け出していた足が縺れて、再び前のめりに転んだ。
矢は射出したか、していないか、定かでは無い。
たとえオーバーホエルミング中であっても、
その間に魔物の魔法が発動したらその時点でダメージを食らうのだ。
先程打った顔面の同じ場所に痛みが走り、
苦痛と屈辱、そして絶望が頭の中に渦巻いた。
遅かった。
多分あのロールトロールのサンダーストームが発動し、
自分は麻痺をしたのだ。
目は動くが足も腕も動かせない。
呼吸はできるが声も出せない。
全ての筋肉が麻痺するのでは無く、手足と喉だけが動かないようだ。
終わった。
手当ては無理だ。
こうなってはスキルの入れ替えもできない。
アイテムも取り出せないし、何なら避ける事もできない。
この後に待っているのは・・・そう、死。
せめてエミーを死後解放に設定してやれば良かった。
ナズ、アナ、ヴィー、パニは設定してあるが、
エミーは身請けした際に何の説明も無く払い下げられた。
その後も自分で設定せずにそのままだった。
済まない、エミー。
姉を迎える約束を果たせなくて。
感傷に耽りながら目を閉じた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ご主人様?、大丈夫でしょうか・・・ご主人様?」
「ユウキ様、聞こえておられますか?
アイテムは集め終わりましたのでここに積みますよ」
「まだご主人様は麻痺から抜けていらっしゃらないのだと思います。
もう暫く待ちましょう」
「ご主人サマ死なないよね?」
「大丈夫ですよヴィー、麻痺をしてしまわれただけのようです。
最後に魔法で敵を壊滅させる辺り、流石ご主人様です」
ええっと・・・。
アナが落ち着いて解説している所を見ると、
魔物は倒し終わったのか?
ガンマ線バーストが間に合った?
メテオクラッシュの継続ダメージが入ってぴったりだった?
まだピリピリしていて手足は動かせない。
目の前にはしゃがみ込んだナズの下着が見えている。
頑張って戦った自分へのご褒美って事で宜しいかな?
多分もう暫くで動けるようになると思うが、
仮病を使ってその光景をしばらく楽しんだ。
・・・ふぅ。
ナズの太腿を手でまさぐって体を起こす。
「ま、間に合って良かった。
結構ギリギリでもうどうにもならないかと思ったんだが」
「ご主人様が転倒なさった直後に全ての魔物が消えました。
ご主人様の魔法の方が若干早く発動したのでしょう。
流石はご主人様です」
「お怪我などはありませんか?」
「ああ、大丈夫だ、怪我をしているなら自分で治す。
そもそも、先程パットバットから背中じゅう突進を受けたからな」
僧侶に付け替えて自分自身を治療した。
痛みは消えたが、眩暈がする。
最後のガンマ線バースト発動後にMPが回復できていない。
消費コストの大きい魔法はその後も困る。
強壮剤をアイテムボックスから取り出すと、その2粒を飲み込んだ。
「アイテムはこれで全部か?」
「そのようです、それからこれです」
アナからカードを受け取った。
久しぶりに見るモンスターカードだ。
カードを鑑定すると蝙蝠と表示された。
アナかヴィー、どちらかの盾に付けてやろう。
コボルトのカードが欲しいなあ。
ともあれ、これで自分たちは56層の魔物の部屋を制したのだ。
この国に於ける最難関であろう階層の、魔物の部屋を制した。
もうそれだけで、喜びと達成感で足が震えた。
ボルドレックが何だ、高級な戦闘奴隷が何だ。
自分は誰が相手でも勝てるぞ。
そういった自信が込み上げて来た。
・・・ギリギリだったが。
勿論、傲りは良くない。
かつての英雄タロスは人生のどこかに於いて、
自分は万能なのだと勘違いしてしまい破滅した。
自分は主人公でも英雄でも何でも無い、
ただの一般市民であるユウキなのだ。
ここまで来られたのは先人の知識と、数々のチートスキルのおかげだ。
それは身を以て知っている。
勝ったとは言え、善戦とはまるで言えない。
判断1つ間違えていたならば全員死んでいた。
いや、一瞬の躊躇いであっても許されなかった。
ギリ勝ちだったのだ。
ドロップ品をアイテムボックスにしまい終え、通路に戻った。
何て言うか、殆ど・・・岩。
また買取カウンターで怒られる事この上無い。
仕方無かろう?一度に襲い掛かって来たのがこの量なのだ。
一昨日の今日で持ち込んだら絶対怪しまれる。
暫くは家で寝かすしかないようだ。
あ、いや、ホドワで売ろう、そうしよう。
戻っている最中にルスラーンと出会う。
「おぅ、どうだ?魔物の部屋はまだ先か?」
「今しがた制圧して来ました」
「おいおい、冗談も程々にしてくれ」
「い、いえ、直ぐそこの壁の所にあったのですが」
「・・・」
「・・・」
「・・・・・・本当なのか?」
「はい・・・ご確認頂いて構いませんが」
「ッタァーーー、おい、マジなら凄ェな。
こいつはかつての英雄タロス以来じゃねえのか?」
「う、うむ・・・」
「い、いやあ、どうでしょう。私はご本人を存知ませんので」
「コイツは例の金持ちとの決闘が楽しみになって来たな?」
「だから言ったろう、こっちに賭けろよ?そんで酒代返せ」
なんてこった。
ルスラーンもイルハンも、公開試合で一儲けする気満々じゃないか。
あれは悩み抜いて相談したのに、貸し借りの取引に使わないで頂きたい。
***
こちら側の通路はどこもその先で行き止まりだったため、
自分たちはルスラーンの後に続いてエントランスに戻った。
そこに伝令の部隊が残っており、
中間部屋までのルートを発見したと報告を受け、自分達も続いた。
囚人たちの駕籠が無い所を見ると、
既に移動させた後なのだろう。
道中は先行した騎士達により討伐されており、魔物と出遭う事は無かった。
そして中間部屋には囚人を入れた駕籠が置かれ、
騎士たちの姿は護衛の4人以外見られなかった。
「よし、それじゃあ一旦外に出て昼にして良いぞ。
勿論ここで食べても構わんが」
ルスラーンから休憩の指示が出たので自分達も迷宮の外へ出る。
沿道は探索者達で埋まっていたので、
騎士達はどこへ行ってしまったのだろう。
パーティには冒険者のみで、探索者はいなかったはずだ。
徒歩で外に出て、宿舎なのかな?
それじゃあ自分達も一度家に戻るか。
一旦ダンジョンに戻り、そこから家に帰って昼食を食べた。
モタモタしては居られないので、弁当を作って貰って置いて良かった。
エミーには「ごめんな」と声を掛けて、
頭を撫でながら死後解放をセットした。
エミーは始終不思議そうにしており、
最後にはいつものようにぺこっと頭を下げた。
∽今日のステータス(2021/11/08)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv52
設定:探索者(52)遊び人:水魔法/知力中(45)
魔法使い(47)英雄(45)細工師(46)暗殺者(22)
取得:村人(5)戦士(30)剣士(34)商人(30)色魔(1)
奴隷商人(1)騎士(31)賞金稼ぎ(31)武器商人(13)
防具商人(1)農夫(1)薬草採集士(30)錬金術師(1)
料理人(18)村長(1)盗賊(30)僧侶(19)神官(1)
博徒(35)冒険者(1)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv44
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 暗殺者 Lv43
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 騎士 Lv43
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv42
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv32 OFF
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 探索者 Lv41
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv54
設定:探索者(54)遊び人:水魔法/知力中(48)
魔法使い(50)英雄(47)細工師(49)暗殺者(36)
取得:村人(5)戦士(30)剣士(34)商人(30)色魔(1)
奴隷商人(1)騎士(31)賞金稼ぎ(31)武器商人(13)
防具商人(1)農夫(1)薬草採集士(30)錬金術師(1)
料理人(18)村長(1)盗賊(30)僧侶(19)神官(1)
博徒(35)冒険者(1)魔道士(1)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv46
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 暗殺者 Lv45
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 騎士 Lv45
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv44
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv32 OFF
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 探索者 Lv44
・収得品
赤身 × 1 削り掛け × 2
鉄 × 5 鋼鉄 × 1
ヒレ × 13 コウモリの牙 ×42
岩 × 66 ダマスカス鋼 × 9
・異世界45日目(11時頃)
ナズ・アナ40日目、ジャ34日目、ヴィ27日目、エミ20日目
パニ10日目
・トラッサの迷宮
Lv 魔物 / ボス
51 ブラックダイヤツナ / ※
52 ラフシュラブ / ※
53 ロールトロール / ※
54 ピックホッグ / ※
55 パットバット / ※バッドバット
56 レムゴーレム / ※




