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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第二章 下積
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§015 腹痛

一夜明け、朝の喧騒の中で目が覚める。

今日もまた扉の隙間からは明るい光が差し込んでいた。


微睡まどろんでぼぅっとしている場合では無い。

今日は商館へ赴き、お願いして置いた2人を迎えに行くのだ。

興奮しているのが自分でも判る。


朝食を取りに降りたが、まだ準備中との事だった。

早すぎたんだッ。†


仕方無いので自室に戻って色々確認を行う。


もう一度ボーナス装備を一通り出してみたが、

やはりミチオ君の言うように鎧などの防具は使い道が微妙であった。

だってオーバーホエルミングがあれば基本的に何だって避けられるだろう?

特殊なアクセサリを除いて、防具は残念ボーナスだった。


そもそも何でも防げる盾があったとして、

何でも貫ける矛を持っていないと魔物には勝てないのだ。

矛盾じゃない、矛一択だ。

昔の偉い人にはそれが解らんかったのですか?†


ステータスの方はと言えば探索者のLvが6になっていたので

最大で6×6個までドロップ品を持てるようになったようだ。


少し使い勝手が良くなったアイテムボックス内に、

昨日買った装備を入れられるようになった。


やはりLv上げをして置いて良かった。


革のブーツのうち1つを自分で履き、

柳の皮靴と、もう1つの革のブーツをアイテムボックスに納める。


この時に気付いたのだが、

空きスロット数に関係無く同じ装備は同じ個所に纏まった。

空きスロットの区別は完全に無視されているようだ。


それもそうだな。


アイテムボックスに纏まらない装備品が有ったら、

これは何だと言う事になる。

セリーの否定するスキルスロット説が確証になってしまう。


それから肩掛けのポーチに金袋を入れ、筆記用具も入れて置いた。


昨日までは盗賊の服を追い剥ぎしたヨレヨレの貧乏人だった。

今日はどこから見ても、ちゃんとした商人だ。

いや商人に成りたい訳では無いのだが。


名乗ってしまっている以上、もうそうせざるを得ない。

父の後を継いでとか言ってしまったために、

転職したなんて言える雰囲気では無くなった。


特にあのルイジーナの商館の爺さんは、

次に会った際には商人として更なる飛躍を求められるだろう。


次の大きな取引に期待してオマケしたのだと、そう言われた。

1回で約100万ナールの金を動かしたのだ。

次も同じか、それ以上でなければ見限られるかもしれない。


文系なのに物理で100点取れと言われているような物だ。

胃がキリキリして来た。


あの商館にはまたお世話になるのだ!とか言って置きながら、

次の日にはもうこれだ。

ここ数日、思考が変化し過ぎである。


いっぺんに大金を動かすのは、やはり良くなかったと思う。

地道にコツコツなんて言った傍からこの始末。

実力を伴わない強引なアプローチは、却って破綻を招くのだ。


チートいくない。

誰だ、序盤に資金を作って無双するとか考えた奴は。


ウイスキーとネックレスは当分頼らないで置こう。

使わなくても自立ができればそれで良いのだから。


ふと、気付く。

最近そんな事を言って置きながら、と言う展開が多い気もする。

いやいや、そんなはずは・・・。


ネックレスは岩場へ埋めたので、もう手元には無いのだ。

この際ウイスキーも埋めて置こうか。

手元に在って不要な心配事を作るよりマシだし、

これは下手をすれば割れる。


ワープと念じてネックレスを埋めた岩場に移動する。

流石は寂れた街道だ、誰もいないぜ。


ネックレスを埋めた場所の傍らに、

更に深く掘り起こして瓶4本を埋めた。

1本はこれからの商談のために取って置く。


ミニボトルだったし、しっかり掘ったので確実に収まった。

多少穿(ほじ)くり返されても大丈夫だろう。

ネックレスの方も大丈夫そうだ。

そこを掘るには、まず20キロ近い重さの岩を動かす必要がある。


もう一度、近くに誰もいない事を確認して宿へ戻った。


廊下からはガヤガヤと声や音がする。

ガシャンガシャンと響く音は鎧や武器が擦れ合う音なのだろう。


探索者様の活動が始まる時刻である。

つまる所、飯の時間だ。


野郎ども、準備は良いか!

出陣である!

パンとハムエッグを取りに行くだけなのだが。


今日は朝の一番から朝食を取ったので、商館に行くにはまだ早過ぎる。

何も朝イチで行く必要は無い。

そんなにがっついているのかと思われるのも恥ずかしい。


頃合いまではもう一度迷宮に行くのが良いだろう。

装備を整えてワープと念じトラッサの迷宮に移動した。


迷宮内を動き回ると脇腹が痛くなって来た。

それ程激しい動きはしていないつもりだったのに。

ここに至るまで怠け過ぎていたのだろう。

多少歩くだけで重労働だと認識しているのだ。


グリーンキャタピラーが見付かった。

スキルを使われない内に駆け寄る。


右足に重心を置いて、遠心力を利用しつつ屈伸で体のひねりを作り

左足を踏み込んで軸にする。

大きく弧を描くように剣先で魔物の腹部を撫で斬る。

インパクトの瞬間は右手を絞った。


ああ、訂正だ。

自分はしっかり重労働をしていた。

食後は安静に、だ。


喉が渇く位に運動をすると、

アイテムボックス4つ目のマスにも入らなくなっていた。


靴が2種類入っているのだ。

それ以外に4つのスペースが糸で埋まり、

5個目の箱にアイテムを入れようとしている。

それでもまだ空きのスペースがあるので、

探索者はLv8になったのだろう。


余ったポイントで結晶化促進の倍率を1段階上げた。

これで1匹当たりの換金効率は8倍となる。


お金の心配をせず、

最初からLvアップだけに重点を絞って育成した甲斐はあった。

2日でLv8なら、まずまずの成果では無いだろうか。

そういえばアナンタの方は探索者Lv7だった。


アナンタよりは強くなったのだ。

これでナメられずに済む。

ナメずに舐めて欲しい。

まだ言うか。


そういえば彼女は猫人族だった。

淡白だと聞いているので、濃厚なご奉仕は最初から期待しない方が良い。

ナメないでいて貰えれば、それで良しとする。


大体、猫の舌はヤスリのようにザラザラしているのだ。

あれで舐められたら・・・

ゾワっと身震いして冷え上がる。


考えるのを止めた。


そもそも非処女だそうじゃないか。

彼女に対してはそういう対象として見ません、以上!

謎の通告と宣言をして狩りを再開する。


疲れが溜って根を上げる頃、空間には10列目ができていた。

∽今日のステータス(2021/07/23)


 ・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv7

  設定:商人(7)英雄(5)戦士(6)探索者(6)

  取得:村人(5)剣士(1)


  聖剣デュランダル(☆)

  革の帽子(++)皮の鎧(++)柳の皮靴(回避上昇)


 ・BP105(余り3pt)

   鑑定          1pt   結晶化促進×4     3pt

   キャラクター再設定   1pt   武器6        63pt

   ジョブ設定       1pt   4thジョブ      7pt

   獲得経験値上昇×5  15pt   詠唱省略        3pt

   必要経験値減少/3   7pt   ワープ         1pt


  ↓


 ・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv12

  設定:商人(12)英雄(7)戦士(10)探索者(10)

  取得:村人(5)剣士(1)


 ・BP110(余り4pt)

   鑑定          1pt   結晶化促進×8     7pt

   キャラクター再設定   1pt   武器6        63pt

   ジョブ設定       1pt   4thジョブ      7pt

   獲得経験値上昇×5  15pt   詠唱省略        3pt

   必要経験値減少/3   7pt   ワープ         1pt



 ・異世界6日目(朝)

   トラッサの市の日、宿泊3日目



 ・トラッサの迷宮

  Lv   魔物       /    ボス

  1 グリーンキャタピラー /  ホワイトキャタピラー

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