§014 芋虫
買い物もした、資金の準備もばっちりだ。
明日が待ち遠しい。
いや、今日の夕食だってまだなのだ。
夕食が待ち遠しい。
夕食までどうしようかと考えたが、
それは直ぐに、なんて下らない事を悩んでいたのかと反省した。
できるだけ早期にLvを上げるべきなのだ。
と、いう訳でトラッサの迷宮へ向かう。
装備とスキルを整えた。
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 英雄 Lv2
設定:英雄(2)商人(1)戦士(1)探索者(1)
取得:村人(5)剣士(1)
革の帽子(空き)皮の鎧(空き 空き)
柳の皮靴(回避上昇)
・BP100(余り61pt)
鑑定 1pt 結晶化促進×4 3pt
キャラクター再設定 1pt 4thジョブ 7pt
ジョブ設定 1pt 詠唱省略 3pt
獲得経験値上昇×5 15pt ワープ 1pt
必要経験値減少/3 7pt
トラッサの迷宮へワープを唱えて飛び、
キャラクター再設定でワープ、ジョブ設定を外して(BP-2)
武器6を取得する(BP-63)。
デュランダルを取り出すために必要なコストがえげつない。
1ポイントでも無駄にできないし、経験値ボーナスはこれで限界だ。
5×3で15倍。
低Lvなら直ぐにLvアップするだろうし、今はこれで十分だろう。
武器6で得られる聖剣デュランダルは、
HPとMP吸収、攻撃5倍、防御無視、詠唱中断と言うぶっ壊れ性能だ。
チートいくない。
この世界の仕組みを理解した上で、
用意周到な転移して来たお前はどうなんだと。
攻略本はセーフです。
勝手に脳内の審判が下った。
良かった、自分はセーフだった。
いや、武器6はアウトだ。
自分はアウトだった。
ヨヨイのヨイだ。†
1階層では同時に1匹しか敵は出ない。
後ろから追い付かれるような事もまず無いだろう。
1階だし。
そもそも1発で倒せるんだから、ビビる必要なんて無い。
昨日は、色々な事で追い詰められていたので焦りが有ったのだ。
勿論、ここが危険な場所であると言う認識は変わっていない。
ゆっくり確実に行けば道を外す事は無いだろう。
慢心しない事が大事だ、肝に銘じよう。
決意をして心の葛藤が終わった頃、
迷宮では初めての魔物に出遭った。
芋虫の形の魔物だ。
鑑定はしていないが、迷宮の魔物は大体覚えている。
あれはグリーンキャタピラーだろう。
スキルで放って来る糸に注意だったと覚えている。
済まない、ミチオ君。
君の経験を生かし、先に進ませて貰う。
何だか死んだ事にしてしまったが、そんな事は思っていない。
言葉のあやだ。
虫はやや苦手な方ではあるが、
触れるかと言ったら、ちょっと遠慮したいな、位の嫌い度である。
潰すとブチュっと汁が出るから、なるべく触れたくないだけだ。
カブトやクワガタなどの硬い虫なら、普通に触れる。
ゴキブリなら叩いて潰して死骸を摘んで捨てる位はできる。
虫が嫌いと言うよりは、汚れるのが嫌いなだけなのかもしれない。
この芋虫はどうだろう。
デュランダルだとスッパスパ、柔らかい虫だ。
斬り付けた部分から体液がドバっと出たから気持ち悪いが、
倒せばスッと消える。
汚れないなら安心だ。
グリーンキャタピラーは気持ち悪くない。
平気だ。不気味だけど。
糸を手に取る。
これはナジャリにお願いしてミサンガを作って貰う予定だ。
売らずに沢山集めて置こう。
面接だけ受けさせて採用通知すら出ていないのに、
入社直後に残業を押し付ける計画をしている余りに酷い上司である。
その後も適当にぶらついてグリーンキャタピラーを倒す。
1匹しかいないし、1回叩けば倒れる。
キャタピラーから先制される事がまず無いし、
未だ絡み付く糸のスキルはお目に掛かっていない。
糸のスキルを食らったら1人では脱出困難になるだろうから、
その際は全力で止めに行くつもりだった。
しかし、そういう危機的状況には未だ至っていない。
魔物に密着した場合、スキルよりも物理が優先されるのだろう。
そして15匹位倒した所で商人がLv5になった。
戦士と探索者はLv4、英雄はLv3だ。
英雄Lvの上がり難さは想定内だ。
商人はLv30まで上げないと派生商人ジョブが取得できない。
もうこのまま商人で行こう。
戦闘職では無いため、Lvの上がり方は早い。
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv5
設定:商人(5)英雄(3)戦士(4)探索者(4)
***
更に15匹位倒した所でお終いにした。
お腹が減り過ぎて腹の虫が泣き止まなくなってしまったのだ。
駄々っ子だ。
ついさっき見た時Lv5だった商人はLv7になっていた。
Lvアップ効率は取得5倍と必要1/3倍で、合計15倍なのだ。
31ポイント使って10倍を取得するより、
22ポイント使って分散した方がこの状況では有利である。
1人なら。
合算して15倍と言う事は、
これまでに30匹位倒したハズなので、
単純に450匹以上倒している計算となる。
Lv1の敵がEXP1だとして、450EXPか。
そりゃあ基本職ならLv7辺りで妥当なのかな?
英雄Lv5はちょっと・・・厳し目の判定である。
ワープを取得して旅亭に戻る。
日は既に落ちていて、西の空にうっすらと赤い光が残っていた。
旅亭の受け付けでインテリジェンスカードのチェックを受け、
鍵を返して貰ってカウンターで夕食の注文をする。
ややあって食事が提供されたので部屋に持って帰った。
今日の夕食も体に滲みた。
なんて事は無い、パンと味付き野菜と塩コショウだけで焼いた肉だ。
1日歩き回りヘトヘトになって帰って来た体を癒すには、
それだけでも十分だった。
生死の境を垣間見るような厳しい戦闘は無かったが、
今日も冷や冷やドキドキの1日だった。
これからはもう切羽詰まらず、ゆっくり進んで行きたい。
焦らずゆっくり、着実に。
折角の異世界、折角の初期ブーストだったのだ。
願わくば、この世界ではスローライフを送りたい。
食事を終え体を拭いたら急速に睡魔が訪れ、
ベッドに倒れるとそのまま寝てしまったのだった。
∽今日のステータス(2021/07/22)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 英雄 Lv2
設定:英雄(2)商人(1)戦士(1)探索者(1)
取得:村人(5)剣士(1)
革の帽子(++)皮の鎧(++)柳の皮靴(回避上昇)
・BP100(余り61pt)
鑑定 1pt 結晶化促進×4 3pt
キャラクター再設定 1pt 4thジョブ 7pt
ジョブ設定 1pt 詠唱省略 3pt
獲得経験値上昇×5 15pt ワープ 1pt
必要経験値減少/3 7pt
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv7
設定:商人(7)英雄(5)戦士(6)探索者(6)
取得:村人(5)剣士(1)
・異世界5日目(16時頃)
トラッサの市まで1日、宿泊2日目
・トラッサの迷宮
Lv 魔物 / ボス
1 グリーンキャタピラー / ホワイトキャタピラー




