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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♭番外編    私の迷宮冒険録
128/394

       ∮005 Lv4

「シャッ、シャムさん・・・こっ、これから毎朝、きっ、教会に通いましょう」


ラティさんは迷宮の中でチープシープを倒すと、突然私にそう告げました。

私は混乱して聞き返しました。


「は、はい?どういう事でしょうか?」

「こっ、この戦闘で、わわ、私のレベルが4になったので・・・。

 ガンダルさんもシャムさんも、わわ私と出会う頃に3層に入られるようになったのですよね?」


「え、ええ、そうですね」

「それがどうかしましたか?」


「わっ、私が4レベルになったという事はでですね、

 シャムさんもその位の強さになったのだと、お、お、思います・・・。

 たっ、探索者と一緒に行動をはじめて、4レベル位になった辺りが転職の頃合いだと、きっ、聞いています」


「まあ、そうなのですか?」

「へえ、そうなんだ、

 俺は5層くらいに行けるように成ったらって聞いたんだけど、

 探索者のレベルが4っていうのは初めて聞いたなあ」


「は、はいっ、わ、私の方がた、た、多分先に3層に入っていたので、

 ちょっとだけはっ、早いかもしれませんが、まっ、毎日通えばききっ、きっと僧侶に転職できると思うのですっ」

「うーん、そういえば俺もそろそろチープシープは楽に捌けるようになって来たし、

 シャムも僧侶になる時が来たのかもしれないね」

「それでは私はもっとお役に立てるようになりますかね!」


「ああ、シャムが僧侶になってくれたら、とても心強いね」

「そっ、そうですね、ソそ、僧侶が居ればパパ、パーティは安定します、・・・ので」





こうして私は毎朝早めに起きて、朝食前に教会に行ってお祈りをするのが日課になりました。

お祈りと言っても、祭壇に手をかざして僧侶になれますようにとお願いするだけです。

僧侶になりたい人は、みんなそうやってお祈りをしに教会や僧侶ギルドに通うらしいのです。


教会と言う位なのですから、ありがたいお話や学問などを教えて貰える場所かと思っていましたが、

そういう講義を受けるのは神官への転職を希望する方たちだけで、

講義は役人として雇用するための試験などを教えているとの事でした。


そういえばそうですね、基本的に教会は怪我をしたら行く所ですし、

神官さんたちは街の人の治療を担っている訳です。

僧侶ギルドの運営もありますから国の役人なのでしょう。


その場合、女性は神官ではなく巫女という職に就くそうですが、

私が巫女になってしまうとガンダルさんとは一緒に迷宮に行ったりできなくなってしまうらしく、それでは困ります。

僧侶であれば就業規則も無く誰でも修行を積めばなれるという事でしたので安心致しました。


(今日も一日頑張ります。早くお役に立ちたいので僧侶にしてください・・・)


今日もテーブルの上にある古めかしい箱は沈黙を続けていました。

成就されると小箱が光るらしいですが、本当ですかね?


お願いするだけで箱が光るだなんてにわかに信じがたいですが、

ずっとここで転職の行方を見守ってきた神官さんや巫女さんがそう言うのですから、そうなのでしょう。

どのように光って見えるのか、気になってしょうがありません。


「おはようございます」

「おっ、おはようご、ございます」

「おはよう、シャム。今日はどうだった?」


教会から帰って来ると、大抵はガンダルさんとラティさんは朝食を受け取って、先に食べています。

私もテーブルまで持って来て頂いたお盆から、パンをちぎって口に運びため息をつきました。


「すみません、私はまだまだ未熟者のようです」

「そっか、まだ通い始めて10日なんだし、そんなに簡単にはいかないさ。気長に行こうよ」

「そ、そうです、私がよっ、4レベルになったのは、つっ、ついこの間ですし、

 シャムさんはもう少しず、ズレがあるんだと、おっ、思います」


そうは言いましても、通って何も実りが無い日々は応えるものがあります。

こう見えても何事も卒なく熟してきた私ですので、

こと迷宮に関しては、まるで才能が無いのかもしれないと思うとやるせなくもなります。


こ、このまま僧侶になれずにずっといたら、ガンダルさんは私を見限って他の方と一緒になってしまうかもしれません!

そそそそ、それだけは何としても回避しなければ!

神官さんは修行が足りないのだと言っておられました。


修行・・・、修行とは何でしょうか!


魔物を素手で倒す儀式は確かに先生の前で行いました。

他の生徒を何名も見てきた先生が大丈夫だと仰っていたので間違いは無いかと思います。

だとすれば、私にその才能が全くないのか、神官さんが仰られた修行が足りないのか、どちらかなのでしょう。

前者であった場合の結末が怖くて、食事も進みません。


モヤモヤする気持ちを晴らす相手はいつだって魔物です。

今日も羊を叩く作業に力が入ります。


このっ!このっ!

早くっ!私をっ!僧侶にっ!してっ!下さいっ!


悲しい事に、いくら倒してもそれらしい手応えを感じる事はできません。

勿論叩いている内に羊の傷が深くなっていきます。

そういう手応えではなく、もっとこう、私が僧侶として何かこう開眼したような手応えです。


皆さんはどうやってその時期を悟るのでしょうね?

ラティさんは普通の方よりも探索者になるのが遅かったそうで、

やはり開眼と言いますか、探索者への道のりが長かったのでしょう。

あの卑屈な感じはそのせいなのですかね?

もう十分にお仕事を全うされていると思いますのに、心まで晴らして貰えないようです。


わ、わたしは嫌ですよ!?


そんな事をしていたらガンダルさんに見捨てられてしまいます。

そうなったらラティさんのように・・・あら、これは考えてはいけない事のようでした。

私ったら、いつになく良くない事ばかりを考えてしまいます。


それもっ!このっ!羊さんがっ!私にっ!十分な修行をさせてくれないからなのですよ!

はぁ・・・はぁ・・・。


「シャ、シャム、大丈夫かい?随分力が入っているようだけど」

「そっ、そんなに力まなくても、ちゃっ、ちゃんとダメージは入ります・・・ので」

「え?・・・あ、はい。気のせいですよ?オホホホ・・・」





モヤモヤしたまま更に数十日が過ぎ、もうすぐ年が明ける頃になりました。

この時期は税金を納める期間らしく、今日はガンダルさんもラティさんも騎士団ギルドに向かわれました。

私は・・・未成年ですから今年いっぱいまでは税金は免除されます。


来年は15歳ですので私にも税金が掛かってきます。

ラティさんと同じく10万ナール。

1人で払いきれる額ではありません。

もう少し強く成って稼げるように成らないと。


ガンダルさんも、ラティさんも、コツコツと貯金をしてきたようで、

今年の税金はちゃんと払えるようでした。

来年からは私を入れると23万ナール、それは大変です。


1日当たり650ナールを稼が無ければ。

宿代を合わせると1100ナールは必要ですよね?

毎日の稼ぎが平均800ナールちょっとなのであと30匹余分に倒さなければ。

もう少し私が頑張らなければ行けませんね・・・。


あらっ?

でも私とガンダルさんが結婚してしまえば税金は等しく3万ナールですから、

ラティさんと合わせて16万ナール?そうすると900ナールで良い訳ですよね?


むむむ・・・。

それには何としても僧侶への転職を成就させてガンダルさんと結ばれなくては。

それに転職が成功したら一度家に帰るのだと父にも約束をしてしまいました。


それを放り投げて結婚したとあっては、流石に父に顔向けできません。

順序だてて行くならば、転職をして、結婚ですよ。

当然でしょう?


・・・・・・。


うわぁぁぁぁぁぁん。

やっぱり結局は私が僧侶にならないと話が進まないじゃないですか!

こうなればヤケですよ、ヤケ!

来年度分の税金の事も考えて、今日は900ナール以上を目指しましょう!



   ***



「・・・で、今日はそんなに張り切ったのか」

「が、がんばりましたね、これがあっ、愛のちか、チカラですかねっ」

「い、いえ、動機は多分それほど高潔なものでは無いと思うのですが・・・」


「と、とにかく頑張ったよ。いつもより荷物も多いし、これは本当に900ナール超えるかもね!」

「そっ、そうですね、うっ、浮いた分はちょっとだけぜぜ、贅沢しちゃったりして!」


その日の稼ぎは1185ナールでした。

あまりにもたくさんの収入増でしたので、3人でパーっと酒盛りをいたしました。

私はジュースでしたけどね!





そんなこんなで収入が900ナールを超えるのは当たり前になり、

私も修行の成果という意味ではそれなりに手応えを感じてきました。


もう間もなく年が明けようとしています。

1年の最後の日と最初の日は2日連続のお休みとなるのです。

毎年この時期は忙しかった父も家にずっといてくれて、家族3人で過ごすのが当たり前でした。


今年は父も母もいませんが、その代わりガンダルさんとラティさんが居ます。

ガンダルさんは強くて優しくてカッコよくて、父とは違った頼もしさがあります。

ラティさんは歳の割には頼り無さそうな感じですが、根は優しくいい人です。

流石に母の替わりにはなりませんけどね。


私は温かな仲間に囲まれて今年も寂しくありませんが、父と母は私が居なくなって寂しい事でしょう。

せめて一緒にいられない父と母には手紙でもと思い、今年最後の手紙を書き留めました。

今日送れば年末までには届くでしょう。


食器を片付けた机の上で、私は毎日の不安を書き連ねました。

転職に対する焦り、ガンダルさんとの関係に対する焦り、

来年の税金の事、そして新しい仲間であるラティさんが加わった事なども書きました。

この手紙は私の色々な思いが詰まった手紙なのです。


他に相談するお相手もいませんでしたので、これまでは1人で悶々と悩んでいただけでしたが、

こうして文章にして整理した事で、頭の中がすっきりしたような気もします。

その事に対するお礼もついでに入れました。


結局私は誰かに不満を言いたかっただけだったのかもしれませんね。

気持ちの整理が付いた私は、いつに無くぐっすりと眠る事ができました。



   ***



「シャムさーん?シャムさぁん・・・」


翌日の朝、いつもより寝坊助の私はラティさんに起こされてしまいました。

いつもは私がラティさんを起こしていたのですが、これでは立場が逆転です。


今日の目覚めが悪かったのはどうしてでしょうかね。

昨日は早く寝付けたはずです。

心の閊えがスッキリとした感じはあったので、私はこのところ毎日気を張っていたのかもしれません。


今日は皆さんと一緒に朝食を取りました。

ガンダルさんと一緒に朝食を受け取りに行きます。

ラティさんは昨日のアイテムを売りに買い取りカウンターへ。


宿屋の代金がその日払いでは無くて貯蓄から出せるようになりました

朝の方が買取カウンターは空いているのでこの方が効率が良いらしいです。

ラティさんが入ってくれたおかげですね?


ガンダルさんが2人分のお盆を受け取り、私は空いている席を先に取りに行きました。


「お待たせ、ラティが来るまで待とうか」

「はいっ、ラティさんが来てくれてよかったですね」


「そうだね、収入も多少余裕が出るように成って来たし、来年度分の税金を貯めたら次は装備を替えようかなあ」

「はぁー、そうなのですか、大変ですね・・・。

 私の装備はずっとこのままで良いと父は言っていましたけれども、装備ってどのくらいのお金がかかるのでしょうか?」


「俺の剣は父さんから冒険に出る時に貰ったんだ。だから結構良い奴だと思うんだけど、

 鎧の方が安物で、この皮の鎧は7層くらいまでしか役に立たないんだ。

 ラティみたいに銅の鎧か、あるいは1つ上の鉄の鎧くらいは欲しいなあ」

「それはいくら位なのです?」


「7000ナール位・・・」

「まあ、そんなに。頑張って溜めませんと・・・」


「そうだね、それが買えたら少しは収入が生活に回せると思うから、頑張ろう」

「はい、がんばりましょう!」


「頑張ると言えば、シャムは今日のお祈りには行かないの?」

「え、えっとぉ、寝坊しちゃいまして・・・えへ」


「あはは、じゃあ今日は夕方に行っておいでよ。

 迷宮が終わったらそのまま行っていいよ、俺たちは食事を部屋に運んでおくからさ」

「わかりました、ではそうさせて頂きますね」


その後ラティさんも帰ってきて、一緒の食事を取りました。

ラティさんの鎧は銅の鎧らしいですが、年季が入っていて所々ボコボコに凹んでいます。

ずっとお1人だったようでしたし、沢山ダメージを受けたのでしょうか。


「ラティさんの鎧は結構古そうですね?」

「えっ、あっ、ハイ。こっ、これは母から貰ったお下がりで、すっ、捨てる直前だった物らしいです」


「捨ててしまうんですか?」

「そっ、装備品は普通はこんなに凹んだりし、しないのですが、わ、私がそそっかしいので、よっ、よくぶつけるんです。

 母が最初に買った骨董品です・・・アハハ・・・」


「まあ、ではお母様と一緒に探索はしなかったのですか?」

「はっ、母にもパーティがありましたし、わ、私が成人したら追い出されたと言いますが・・・アハハ・・・ふぅ・・・」


何だか触れてはいけないお話を聞いてしまったかもしれません。

成人したって子供は子供でしょうに。

追い出すような人なんて碌な母親ではありませんね!


あら?でも鎧は母親の持ち物だったのですよね?

捨てる様な鎧をずっと取って置くというのも変です。

もしかして探索者の家系って子供が成人したら家から出るのでしょうか?


確かに家業が無ければ税金を払うのも大変ですし、

既に持っているパーティに入れて貰えないとなると自立して貰うためには外に出て稼ぐしかありませんからね。

私の家は商売をしていましたのでそんな心配はなく生活をしてきましたが、

世の人たちは大変なのだという事を改めて認識いたしました。


そういえばガンダルさんも迷宮を始めたのは13歳の時だったとか。

はっ、早いですね!私よりも1つ下の時からですよ?

やはり、そういうお覚悟が最初から無くてはできませんよね。


食事を終え、今日も迷宮に向かいます。


「シャッ、シャムさんのおうちは──」

「そうなのですよ、ですから──」

「わっ、私が迷宮を始め──」

「それでもちゃんと探索者に──」


ラティさんも最近は慣れて来てくれたようで、自分から話し掛けてくれるようになりました。

変な言葉遣いは直っていませんけどね。

癖・・・なのでしょうか。

でも仲の良い話し相手ができて良かったと思います。


男性の探索者だったら、ガンダルさんと話が弾んでいた事でしょう。

私は一人ぼっちになっていたかもしれません。

ラティさんの立ち位置、私には重要ですよー?


「着いたよ、ラティお願いしますっ」

「はっ、はいっ」


迷宮に突くとガンダルさんはラティさんに階層を急かします。

最近ガンダルさんはラティさんを呼び捨てにしていました。

それだけ慣れてきたのでしょうかね?ラティさんも呼び捨てで呼んでくださって構いませんのに。


今日も1日掛けて羊の魔物と時々蜘蛛の魔物を倒しました。

蜘蛛の魔物は毒を持っているらしく、迂闊に近寄らないように言われましたが、

私はそもそも後ろや横から叩くだけですので、危ないのはガンダルさんとラティさんです。


蜘蛛さんは真っすぐの相手しか狙わないようですので、

最初にお2人が通路で通せんぼしてくれたら私は安全に叩けます。


ラティさんが1人で戦っていた時には何度か毒を受けたそうですが、

とても苦しい物だったそうです。

流石は経験豊富なお姉さんです。


ここでも私とガンダルさん2人だけでしたら、噛み付かれていたかもしれません。

やっぱりラティさんが来てくれてよかった!

戦闘もお上手ですし、これならば迷宮は怖い物はありませんね?


お昼休憩の時に、ここのボスを倒さないのか聞いてみました。


「そろそろボスを倒さないのでしょうか?」

「ここのボスはスリープシープと言って、睡眠攻撃をしてくるんだ」

「すっ、睡眠攻撃はよっ、避けられないので、私たちのような、しょ、初心者3人ではきき危険です・・・」


「まあ、そうなのですか。私が受けてしまったらそのまま朝まで眠ってしまうかもしれませんね?」

「一応顔でも叩けば起こせるんだけどね」

「全員一度に眠ってしまうと、あっ、危ないと思うので、普通はこっ、ここのボスはさ、避けます」


「他の人はどうやって倒されるのでしょう?」

「睡眠の攻撃はスキルなんだ。それを止める事ができるスキルや、逆にこちらから眠らせたり、

 睡眠を防御できる鎧なんかがあればいいんだけど、どれも高いんだ」

「わ、私の父は、ス、スキルを止める装備を持っていましたケド、にっ、20万ナールだって言ってました。アハハハ・・・」


20万ナール!びっくりです。


宝石やアクセサリなどが沢山買えてしまいますし、宿だって高級な旅亭に泊まれてしまいますね。

探索者さんたちの装備品ってそんなに高い物なのですね・・・。

何の効果も無いただの鉄の鎧でも7000ナールだと言うのですから、そういう装備はもっと凄いのでしょう。


私の身に付けている装備品も、父が厳選した物ですのでそれなりに高いのでしょうけれども、

流石に1つ20万ナールの剣に比べたら劣るかもしれませんね。

そんな物を集められる探索者になった頃にはガンダルさんは騎士として認められて、

探索が終わってしまうのではないでしょうか?


あれ?でもそうしたらラティさんは次はどこに行けばいいのでしょう。


「ガンダルさんが騎士になられたら騎士宿舎に行かれるのですよね?」

「いや、個人宅からでも通勤が許可されてるよ、宿舎に居るのは結婚してない独身の騎士だけなんだ」


「そうですか、でも迷宮には行けなくなりますよね・・・」

「非番の日もあるから迷宮は続けられるよ。迷宮に行けなくなるのが嫌なのかい?」


「いえ、そうしたらラティさんはどうなるのかなあと・・・」

「あっ、アハハ・・・。そっ、そうですよね・・・。私はそうなったらべっ、別のパーティを探さないと・・・」

「大丈夫、騎士団にも探索者の募集はあるし、一緒に登用して貰えるはずだからそれを目指そうよ。

 直ぐには駄目でも1人2人生活ができる位には迷宮に行けるし、ずっと一緒だよ!」


「良かったですね、ラティさん。折角強くなれても解散では寂しいですからね」

「そっ、そうですか、アハハ。良かった・・・フゥー・・・」


そうですよね、お相手を探すのに苦労をされていたようですし、

パーティが解散してしまってはその後も大変そうです。

ラティさんも安心した様子でパンを黙々と食べていました。

皆がバラバラにならない未来がありそうで良かったです。



   ***



「それじゃあ、私はこのまま教会に行ってお祈りをして宿に戻ります」

「ああ、先に夕食を運んでおくからしっかりね」

「い、いってらっしゃい」


ガンダルさんとラティさんに見送られて、私は教会の方へ歩きました。

今日もお日様が沈むくらいまで頑張りましたが、私の祈りはちゃんと神様に届いているのでしょうか。

神様と言っても小さな木の箱なのですけどね。


商人のギルド神様は大きなテーブルのようで、乗せると判別できないアイテムの名前を教えてくれたりしました。

他にも探索者ギルドでは巨大な箪笥のようで、何でも収納できそうな荘厳さがありました。

戦士ギルドでは大きな剣士の像でしたのに、何故教会の神様は小さい箱なのでしょうか。

これではありがたみが少し欠けますよ?


邪念を少し混ぜてしまいましたが、今日もお祈りを重ねます。


(早く僧侶になって、ガンダルさんからは信頼のおける仲間として認められますように・・・)


も、勿論ちゃんと信頼は得ていますよ?


ただ、もう1つ決定的な何かで結ばれるためには、私が僧侶になる事が必要なのではないかと思っているだけですからね!

ガンダルさんの事はその位には信用していますよ?

本当ですから!

レベル4(ガ5 ラ4)1年目冬

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