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【ジェムストーンズ1人目 ガーディマン】〜みんなを護るため弱虫少年はヒーローになる〜  作者: 七乃ハフト
第7話『狂騒 怪獣達の宴』〜再生怪獣軍団 怨念融合獣DE・O・TE登場〜
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#13『いつもありがとう』

 ―1―


 星への出入口を破壊され、辺りが闇に包まれた中で、エスエ-ユティは後ろの二体に指示を飛ばしていました。


「ズテは転送装置をすぐに修理しろ。フーベ。お前は今用意出来る玩具を全て用意しておけ。修理完了次第、地球に送り込むぞ。奴らの慌てる顔が容易に想像できるわ」


 いつもならすぐに返事が返ってくるのに、まるで死んでしまったかのように反応がありません。


「二人共聞いているのか、おい返事をしろ――」


 面と向かって叱責する為に、振り向こうとすると……。


「動くな」


 突然、後ろから聞いたこともない声が聞こえてきました。


 エスエ-ユティは動きを止めます。


「貴様、何者だ」


 姿が見えない相手に対しても、動揺を見せる事はありません。


 突然の闖入者は何も答えず、代わりに軋むような音が聞こえてきます。


「何をしてるんだ。名を名乗れ」


 更に軋む音は大きくなっていきました。


 闖入者が口を開きます。


「俺がここに来た目的は、お前らを()()する為だ」


「抹殺? 神を抹殺するというのか。そんな事出来るわけない」


「出来るんだよ。威張ってないで現実を見てみるんだな」


 エスエ-ユティは許可をもらい後ろを見ました。


 一段と濃い闇の中から二本の手が伸びています。


 サーベルタイガーの牙のような鋭い爪が伸びた両手が何か丸い物を握り締めていました。


「ズテ、フーベ」


 今にも潰れそうな弟達は役十メートルに縮んでいました。


「ホログラムで自分達を大きく見せたって、何の意味もねえんだよ。ダセエ奴らだぜ」


 両手に更に力が入り、ズテとフーベの頭が今にも弾け飛びそうに歪みます。


「兄貴、助けてくれ」


「痛い。助けて……」


 その言葉を最期に、弟達は同時に握り潰されてしまいました。


 風船が割れたような音が辺りに響き渡り、潰れた頭骨から、青い人工血液と神経の役目をするケーブル等が辺りに飛散しました。


「貴様、神である我々によくも……」


「何が神だよ。お前らはプログラムが暴走しただけの失敗作だろうが!」


 闇から伸びた左手がエスエ-ユティの顔面に潜り込み、中から本体を引き摺り出します。


 数百メートルはあるホログラムが消え去り、十メートルほどの頭部と長く伸びた脊柱が現れました。


「オヤジから伝言だ。『今までは利用価値があって生かしてましたが、もう用済みです』だってよ」


 エスエ-ユティの顔に鋭い爪が左右から襲いかかりました。


 避けることもできずに、八本の爪で切り裂かれてしまうのでした。


 闖入者がいなくなった後、主人を失った空間が力を失い小さくなっていきます。


 その影響はバラバラになったエスエ-ユティ達をも巻き込んでしまいます。


 まるで折り紙をするように小さくなった空間は肉眼はもちろん顕微鏡でも捉えられないほど小さくなって、この世から消滅してしまうのでした。


 ―2―


 戦いが終わった翌日の夜。


 ユウタの家はいつも以上に賑やかでした。


 リビングに集まっているのは、ユウタと三毛猫ホシニャンにお隣のフワリ。


 そして今回の集まりの主役である母のアンヌの四人です。


「おばさま。いつもありがとうございます」


 アンヌの手料理をみんなで食べた後、フワリが渡したのは、赤いカーネーションと手作りのクッキーです。


「ありがとうフワリちゃん。綺麗なお花。早速飾らせてもらうわね」


 ホシニャンもアンヌを労うように足元でスリスリしています。


『ママ。いつもおいしいご飯ありがとう』


「まあホシニャンもママを褒めてくれるのかしら? ありがとね」


 花を飾ったアンヌはホシニャンの頭を撫でてから、お皿にお代わりのカリカリを入れます。


 ホシニャンはすぐさま飛びつくと、美味しそうに頬張っていました。


 そんな中、ユウタは中々渡すタイミングが掴めません。


 おまけに自作のプレゼントを渡す事が今頃になって恥ずかしくなってしまい、母の顔が見れなくなっていました。


「ちょっとユウタ」


 アンヌがそんな息子の様子に気づいたようです。


「何俯いてるのよ。それに顔も何だか赤いけど」


「えっ、何でもないよ。母さんのご飯とっても美味しいよ!」


 と箸を動かしますが……。


「もうお皿空になってるけど」


 自分の分はとっくに食べ終わっていたのでした。


「あ、あれ? もう食べちゃったんだっけ」


「何してるのよ」


 笑いながら咎めるアンナですが、疲労が蓄積する事情を知っているのでそこまで強くは責めてきません。


 助け舟を出してくれたのはフワリでした。


「そうだ! おばさま。まだ渡したい物があったんですけど、家にあるんでユーくん借りてもいいですか?」


「ええ、いいわよ。でもそんなに大きな物なの」


「はい。とっっても大きくて大切な物なんです。ねっユーくん」


 フワリの視線から自分を手助けしてくれることに気づき、勢いよく頷きます。


「うん。とっても大事な物なんだ。行こうフワリ姉。すぐ戻ってくるから」


 ユウタはフワリに手を引っ張っられて、彼女の家へ向かいました。


 冷蔵庫にしまっていたプレゼントを取り出します。


「母さん、喜んでくれるかな」


「そんな弱音吐いちゃダメだよ。折角のプレゼントが台無しになっちゃう」


「うん」


「おばさま喜んでくれるって。ほら笑顔笑顔」


「うん!」


 リビングに戻ると、ユウタが両手で持つ箱を見てアンヌは目を丸くしていました。


 フワリが蓋を取ってくれます。


「えっと、お母さん。いつもありがとう」


 ユウタは顔を赤らめカーネーションのような笑顔で、手作りしたチーズケーキをテーブルの真ん中に置きました。


 そろそろ春も終わり夏が近づく夜。ケーキの甘い匂いとみんなの笑顔で、リビングは幸せいっぱいの空間に包まれるのでした。


 ―完―


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