36.嘆きの森影4[この世に偶然なんてない。あるのは必然だけ、らしい……嘘だッ!!!]
っふと思った――”左腕無いキャラ”って多すぎじゃね???
↓今日はあとがきにサクさんのAIイラスト付き!↓
※画質悪い!
――前回からのあらすじ――
“特記戦力”級の化け物に不意を突かれたニュータイプの[冷静]。
『人◯錬成』や『近海の◯に食われた』――そんな先人たちの様に左腕を持って行かれ――。
『未来悟◯』のようなギリギリの限界バトルを幾多も潜り抜け――。
後に『隻腕の美少女剣士』として覚醒(?)――。
荒廃した世界で異形や巨大生物、機械生命体と戦い――。
果ては人類最後の希望となり、後進を育て――。
そして……あとは……えーと…………伝説的ロッ、ん〜〜………………ぁー…………いやごめん嘘。というか盛り過ぎて途中から迷走してた……。
正しくは、ふつうに油断してデ蚊虫から“奇襲”。それを勘で避けたら“左肩を潰されてしまった”んですはい。……現実逃避終了っ。
(……『油断大敵』、これもファンタジー物でよく言われてることだったなぁー)
(――いやーホントに大事だったんだなーー……)
[冷静]は他人事のようにしみじみ思った。……だってそうしないと“色々と痛い”からッ。
――(黒煤の)上着越しにデ蚊虫の『降下の戦技』を受けた時、[冷静]は衝撃で膝を折り、腹部の棘でこめかみから頬にかけてを”深く引き裂いていた”のだっ。……『当て逃げ』、許すマジィ〜。
しかも“いつかのよう”に服の袖から血が滴り、辛うじて肉と皮だけで繋がった腕がぶらりと揺れている。
[【自己暗示】を任意発動]
⇒『痛覚の最上限を“許容範囲内”に制限』
⇒『痛みに対し我慢強くあれ私』
⇒『痛いのは嫌なので気づかない振りをしたいと思います』
(――さすがに最後のは無理かな?……今は)
今までに“重ねてきた暗示”のお陰で、この状態でも『すんっっっごく痛い』程度で済んでいる。……『暗示』ってチートだ。
――だから[冷静]は、千切れかけた左腕を掴み――――
「ふんっ――――ッ゛(食いしばる)」
――――ッブヂュゥッ!!!
――“邪魔だからと引き千切った”。……女は、ドキョー……ぉ――。
「(悶絶)――ン゛ゥ゛~゛~゛~゛~゛~゛~゛――――!!!!」
[リンッ――【苦シテ楽ナシ】が発動]
――――
――
――でも痛いものは痛いのです。……『耐性』が無いせいか奇襲の時より痛いっ。痛すぎるッ。
――――ッカ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ーーーッ!!!――ドッッォン!!!
その時、さっきより幾分小さい『咆哮』が草木を揺らした。
脂汗を流し膝をつく[冷静]へ向け、そういえば居た『亜人の大将』が大木を軋ませながら脚力で突っ込んでくる。
「――っスゥーーーーッッ……――――っ(極限集中)――『阿修羅門っ』」
――呼吸。
――集中。
そして――瞬時に『戦闘』へ意識を切り替える。
上着を雑に脱ぎ捨て、ズボンの『裾』と流れた“血”をすべて回収――身軽になった恰好で動き出す。
(――――ん? あれ??――)
回避行動を取りながら、失った左腕を“血”で補おうとした時――[冷静]は違和感に気付く。
――視線を向けたのは左肩。
本来なら根元から潰れている筈の断面から、なぜか『腕』―― “二の腕の半ば辺りまでが再生”していたのだ。
(…………)
(――まぁ、“都合良いし”いっかっ)
(なんか顔の傷も"ジクジク治ってる"感じがするし……放置でっ)
何でか解らないから――『“血に神薬を入れた時”の効力がまだ残っているんだろう』――そう思うことにした。
――深く考えるのは後回しに、[冷静]は血を形成する。
――――ッゴォォッゴォォッッーーー――――……!!
[リンッ――詳細判明、【戦技】〈弔いの残響〉を開示します]]
――踏み軋る大木と破砕音。
――獣の唸りと不快な羽音。
――そして自分の息遣い。
それだけが木霊する空間へ、新たに遠くから――“不安を誘うような鐘の音”が聞こえてきた。
「(ッビク)!――――っ」
不可解な音のせいで一瞬意識が逸れる。
――その隙を逃さず、亜人の大将が大きすぎる得物を振り上げた。
(一速っ――)「『阿修羅門ッ』――――っ(横っ飛び))
――――コ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛オ゛ーー――ギィィッッ!!!
風を巻き込む轟音の一撃が、加速で退避した鉄門をいとも容易く粉砕。
「ッぅ゛――――――ッ(跳躍っ)」
着地――から止まらず即座に飛び降りる。
――――コ゛ォ゛ォ゛オ゛ーー――ダァッッン!!!
素早い振り下ろし。
直後には鋭い切り返し。
武器のサイズからでは想像もつかない“速い攻め手”。
その後すぐに追い縋ろうとするヤツへ――[冷静]は“輪俱”を当たらせる。
「――“日輪”デカいのを『攻撃』っ。“月輪”は日を『防御』ッ」
――――ッッギュルルルッルルッルッルルル―――
――――ッシュリン――……護ッ!!
指示に従い高速で飛ぶ“二つの円盤”。
日輪が大将の首を狙って飛翔。月輪は『満月』に――その体積を広げ“光る盾”となった。
――――ゥ゛ッ――ドッォン!!!
――跳躍。
“白焔の刃”、または“月の光”を嫌ってか、奴が大木を蹴って離れ――ながら『咆哮』する。
――――ッカ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛~゛~゛~~――!!!
『(一瞬停止する亜人たち)――――ッッッ!!!!』
その咆哮が“号令”だったかのように――瞬間、デ蚊虫や輪俱を相手にしていた亜畜生共が――一斉に“[冷静]へ殺到する”。…………ふっ、『モテる女』はツラいな(虚勢)。
「――スゥーー……(空中で刀弓をつがえ)――――っ(速射)」
「(スルー)――――ッッ!!」
「(スカっ)――――ッッッ!!!!」
「(ッドス)――ガッ(シュリン)――……(落下)」
「(ッドス)――ァ゛ッ(シュリン)――……(落下)」
――一転、二転と変わる戦況。
拙い狙撃を外した[冷静]は、すぐさま切り替え体勢を立て直す。
(当たらない……)「――『摩多羅門っ』『阿修羅門っ』――――(ッダン)う゛ッ――『開ッ』」
刀を持つ左手で“二本の指を絡め”――二種の門を展開する。
高所から『摩多羅門』へと着地。
直後、足の痛みを我慢して『阿修羅門』へ飛び移る――摩多羅門を“開いて”。
「――――ッッ!!」
追いついた一体が私の『足場』へ飛び乗ろうとするが、“門が開いた”ために潜り抜けてしまう。
そして、亜人の首が“門の境界線”に差し掛かったその瞬間――――
「(極限集中)――――『カット』」
「――っ!?――……」
――タイミングよく『門を解除』……落ちていったのは『頭』だけだった。……通り抜けた『体』は適当な木の裏に『ポイっ』した。
「――――ッッッ!!!!」
――最後に残った個体が『大刀』のような長物を振りかぶる。
それに対し[冷静]は――――
「スゥーーー、フゥーーーーーー――……」
――“亜人の気配に意識を向けたまま”、疲労を鎮めるために深くひと息つく。
「(振り下ろ――)――グギィ!?」
無防備そうな[冷静]へ大刀が届く――ことはなく、亜畜生が“空中で捕縛された”。……いや、『無防備』ではあったか。
「(暴)グァッ!――――(ジャリンっ)ォ゛ッ゛!?――……(絶命)」
――亜人を捕まえた“モノ”の正体。
それは“真っ赤に揺れる幽鬼”……そう見えなくもない――雑に脱ぎ捨てた“裏返しのパーカー”。
赫血の能力で動く“赤い浮遊体”……言ってしまえばこれは――まさしく『ファンネル』的なアレだったッ。
――それを背後から羽織るように絡ませ『切断』。
血の面を波立たせ首に“刃”を走らせたのだ。……うん。脱いでも便利な万能コーデだなっ(ドヤぁ)。
――――ッカ゛ッ゛コ゛ォ゛ッ゛ッ゛!!!―――ッガッッギィィィーーーッッッ!!!!!
――その時だった。
上で争っていた輪俱と大将の方からけたたましい音に続いて――“砕け散る破壊音”が鳴り響いた。
((見上げる)――っ……月輪が“壊された”。……『結界の如き守護』とは何だったのか……)
(………いや、違うか。――あの“武器がヤバすぎる”んだ)
[冷静]は襲い来る亜人を捌きながら、大将が片腕で振るう“得物”を『視た』。
――――ポロンッ
[≪巌の狂爪≫:亜人の戦王、リヴォスが振るう巨獣の爪を模した大鉈。錬金鍛冶師、ニロンが獣骨と魔力結晶を幾重にも癒着させた武具。人間はおろか竜人ですら扱えない重量を誇る得物だが、彼の驚異的膂力を活かせば片手で薙ぎ払い、その一撃は竜の頭蓋骨すら叩き割ったという]
(――要するに『バカ重い脳筋武器』か……)
(シンプルだからこそ対処が面倒なやつだな――――だから)
(四速――)「『摩多羅門ッ』(ッ゛タ゛ン゛ッ)――」――――ザァンッ!!
(――"治りの早い"今のうちに、無理にでも攻めて――)
(――亜畜生を全員っ――――“狩り尽くすッ”)
“大木の太い枝”で――。
“飛び出した空中”で――。
“カウンターを避け、活かしながら”――。
――残る亜人の“背後”へ次々と『潜り』、“一撃最短”で『首』を落としていく。
“盾”を失い『日輪』が壊されるのは時間の問題だった。
ボス級相手に周囲の気配なんか気にしてはいられない。……先の『奇襲』がいい例だ(弁解)。
だからこそ、『その時』が来るより前に――一匹でも多く大将の手下を片付けておきたかった――――。
「(ッザンっ)っ――『摩多羅門』『開ッ』――――ふぅッ(疑似抜刀)――ッッ」
――――ッジィィィーーッシャリン!!!
――[冷静]は血のパーカーのおジャマも使い、感知できる『最後』の亜畜生を狩った。
デ蚊虫は亜人が減るごとにこの場から離れていき、遂には一匹も居なくなっていた――そして。
―――ッガァッキ゛ィ゛ィ゛ィ゛ッッーー……!!!
――盾を失った『日輪』が超重量の“爪”に捕まり、破壊される。……間に合った、ケドなぁ……。
「――はぁ゛、はぁ゛…………スゥーー、フゥ゛~~~~……――」(まずい……今の戦闘、それと『赫血』の使い過ぎで、“体力”がもう、ない……呼吸が、乱れる……)
――斬り尽くしてすぐ、[冷静]は偶然見つけた『大木の洞』へと身を潜めていた(ギチギチっ)。
外では『日輪』を破壊した亜人の大将が高速で動き回り、自分を探している。
(――『嗅覚』があるから、見つかるまで一分もないかなぁ……)
(ん〜――遠くからすごく大きい戦闘音が聞こえる。……感知には引っ掛かってないけど、レンが近くまで来てるのかも――)
(まぁでも――このままだとレンよりも先に見つかって、殺されるかなぁ(HaHaHaッ))
――“冷静に”。
――“淡々と”。
自分の置かれている状況を客観的に分析する。
(――使える『技能』は全部発動済み――まぁ、今の状態でも『私ハ折レナイ剱ノ身』は論外だけど……。一人だとデメリットがキツ過ぎる)
(そして――“『未知数』なヤツが一つ”――)
[【婆娑羅門】:己の傍に門を顕現させる。一時的に、潜った者へ[我儘]の感情を強制付与。任意で[派手][珍奇]を付与できる]
[〈手印〉:手で印を結ぶ]
(――わけがわからないよ……)
――心の底からそう思う。
――――でもっ『手印』にはホンっトに、本っっっ当ぉぉに助けられたッ。
『手印』の効果は一言で言うと『柏手/忍手』の代わりで、『両手を塞ぐ』を無くした”神アプデ”なのダっ。
これがなかったら亜畜生の殲滅速度はもっと遅かったっ。……いやホントにッ。
(――んで、本題。……『これ』を“使う”か“否”か……)
[【五門顕現Ⅲ】:解放技能。工程を踏み門を顕現、宣言で開くことができる
『五門顕現』の効果で発現した二種以上の『感情』のみ混ざり合う]
少し文言が変わった説明文に、“新たな効果”が記載されている。
(――"これ"って、[私]と『婆娑羅門』の[興奮]が融合して……“別の感情”になるってことだよねぇ?………………わけがわからないよ――)
結局は“疑問”に行きつく。だからこの土壇場で試していいのか悩むのだ。うぅ~~ん……。
熟考――そうしていると――――
――――ッカ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛~゛~゛~~――ッドォォッン!!!
「っ――バレたぁッ」
高所位置に在った“大きな気配”が急加速――大木を踏み砕いて突っ込んでくる。
(――ぁあ~~~ッ”このタイミング”知ってるぅッ――『強制的に“新技能”お披露目させる』アレだぁ~~~ッ)
「っ――(洞から飛び出す)」
――――――ット゛ッ゛ハ゛ア゛ァ゛ァ゛ッ゛ッ゛ッ゛ー゛ー゛ー゛ン゛ッ゛!!!!
飛び出して直ぐに、隠れていた場所へ“マグナムキラー”が衝突――大木が爆散した。
まずい、悩む時間が無くなったぁ。……『極限集中』? 戦闘中しか使えない的なアレがソレで無理。
(――なんか、『世界の強制力』とか『演出上の都合』でもあるみたいな……まぁ、悩んだところでもう遅いか……はぁ゛~゛~゛~~……――――)
「(ッキリ)――――っ(手印で下を指し示す)第三の術っ――――『婆娑羅門ッ』!!」
――覚悟を決め、ノリで叫ぶ。
――落下先に顕現させた、少しデコッた門扉。
『解錠』の宣言で開いた“『婆娑羅門』”を――『私』は“潜った”。
「(ッドク)――――ッ」
[リンッ――【五門顕現Ⅲ】が発動]
⇒二種以上の『感情』を検出
⇒[冷静][我儘]の感情が混ざり合います
⇒状態異常――――
「――――あー、うん。[␣␣␣␣␣␣]かぁ…………は〜~ぁ……メンドクサイ……――――」
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[リンッ――【苦シテ楽ナシ】が発動]
[リンッ――〈針撃耐性〉を得ました]
[リンッ――〈刺傷耐性〉を得ました]
[リンッ――〈圧潰耐性〉を得ました]
[リンッ――〈圧切耐性〉を得ました]
[リンッ――〈捥取耐性〉を得ました]
[リンッ――〈離断耐性〉を得ました]
[リンッ――〈断裂耐性〉を得ました]
[リンッ――〈消耗耐性〉を得ました]
[リンッ――〈過労耐性〉を得ました]
[リンッ――〈息切耐性〉を得ました]




