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この壊れて、それでも尊き世界で−Errifate 002:Malvane Has Distorted−  作者: 仙台赤べこ
第一章【DARK SOULSな『現実』へようこそっ】
12/36

12.竜人の誓い[その瞳に映る『光』]

……なんか、人物の口調が安定しないかも?


「……(ウトウト)……」


 俺はいま、『血の膜』で簀巻きにされたまま、眠気で船を漕ぎながら廊下の天井をぼんやり見上げていた。

『体の再生』は、膜の内側でとっくに終わっている。でも、肝心のサクが、今現在()()()()()()()()()、『血の膜(これ)、勝手に破ってもいいやつか……?』と判断がつかず、そのままじっとしていた。

 そんな時、鎖の揺れる音と共に、すぐ横の牢屋から『お姉さん』の声が掛かる。



「……少年。ひとつ、尋ねてもよいだろうか。いかにして、君は『深淵の聖女』を打ち破ったのだ? ……彼女は、かつて『奇跡の左腕を持つ聖女』と謳われた高位の魔術師だ。『影の戦役』でその腕を失い、やがて『深淵』に堕ちた。……それから『数百年』、人の理を離れ、彼女は数多の『英雄』を屠ってきたと聞く。彼らの『ソウル』を喰らい続け、魔術を研ぎ澄ませた修羅だ。……わたし自身、『深淵の聖女』とは刃を交えていないが、剣に覚えのある騎士や、巧みな術士でも――ましてや、天運で勝る相手ではなかったはず。……もしや、君もサク(彼女)のように『奇妙な技』を使うのか?」


 両目を傷つけられ、見えていないはずの『お姉さん』が俺の方を『正確に見て』、問いかけてくる。……目の(あの)『白いモヤ』って何だろう?


(なんか、知らない言葉が沢山でてきたけど、『奇跡の~』云々って、上の(あの)婆のこと? ……『左腕』に執着したり、『栄光が~』とか言ってたのは、『そういう』ことなのか?)


「あー、そう……ですね。俺のは――『体を焼いて煤をつくる』って『異能』で、それを使って倒しました。……上から『パックリ』と……」


 俺は素直に答えた。サクと違って、『大人な相手』だから慣れない口調が出てしまう……どうやって喋ればいいんだ!?


「……『いのう』? 聞いたこともない御業だが……あるいは、それも『燈火(とうか)の御子』のように、天より授かった特別な力なのかもしれない。『戦争』の折、人の世には時折『奇怪な力』を宿す者が現れると聞く……君たちに宿る力も、きっとその類なのだろうな」


 彼女の言っていることを半分も理解できなかったが、勝手に解釈して納得してくれた。まぁ、伝わったなら、ヨシ!


「――あぁ~~、だるくて臭かったぁ~~。何なんだあの肉の付き方はっ! どかしてもどかしても肉が戻ってきて……ネコかよっ! ……(ブツブツ)」


 何やらぶつくさ言いながら階段から降りてきたのは、地下一階()へ『鍵』を取りに行っていたサクだった。どうやら、俺を襲ってきた『あの婆』が『牢屋エリア(この一帯)』の鍵を持っていたらしく、それを取りに戻っていたのだ。


『他にも、『(変なの)』がいるんじゃないか?』、とも思ったが大丈夫らしい。

 囚われている『お姉さん』の話によれば、彼女がここへ幽閉される前に、『騎士(?)』三体のうち、二体を『最後の抵抗として』仕留めたんだとか……そのせいで、両目をズタズタにされたとも言っていた。……う~ん、『お腹開封』といい勝負。


「取ってきたぞー。束でどれがどれだか分からんがな……」


 そう言って、牢屋の扉前で鍵を漁るサク。……でも俺は、行く前と違う彼女のその『恰好』に疑問を抱いた。


「っえ、なに、その『上着』?』


 彼女の恰好が、焦げ跡と汚れの付いた布袋の上から――袖の無い『真っ赤なコート』を羽織る、オシャレなものになっていたのだ。


「ん? あぁ……大量に『血』が手に入ったからな、それで作った」


「『あの婆』の血を使ったのか!? ばっちぃなッ!!」


「ふんっ、『だけ』じゃなくて『あの部屋中の血も全部まとめて』、だぞっ! ……それに、『こんな場所』だ。『汚いから嫌だ』なんて言ってられんしな。『使えるモノは何でも使え』、が私の基本だ。……まぁ、さすがに直接触れたくはないから、『血抜き』した布袋の上から着てるし、『血』だって異能で『清潔』にしてある。……絞ったらヤバいぐらいの『汚物』が出てきて引いたけど……うん、多分……『清潔』、なはず」


 そう言ってサクが、最後の方で心配になったのか、『ろ過した方がいいか?』などと呟く。


(ああ~、それでさっき、そこの『穴』から汚い液体が降ってきたのか……)

(それに確かに。俺もさっき思ったけど、『こんな世界』だからこそぶっ飛んだ考え方の方が正解な気がする。贅沢なんて言ってられないよな……)


「――――っ、まぁいいか。え~と(ジャラジャラ)……違う……これも違う……これも……――」


 急に素に戻り、サクが牢の扉に鍵を当てていく。『お姉さん』曰く、どうやらここの鍵は扉に触れさせるだけで『解錠』できるものらしい。ハイテクな異世界である。


「――違う……ん、これもか? ……最後も、違う、だとっ?」


 そして、全ての鍵束を試し終えたらしい。しかし――牢の扉は開かなかったようだ。


「なんでだ? 順番に当てたはずなのに……」


「ああ、わたしも見ていた。……おかしい、触れるだけで『魔力を糧に開く仕組み』のはずだが……? 古い牢だから、わたしの知らない仕掛けなのだろうか?」


「「……『()()()()()()()()()()』?」」


 傍のサクと、セリフが被った。そしてそれは、心当たりのある内容だった。



[〇魔力:--]


[【異界しゃノたマシい】 :『転生者』の魂を器に同調、定着……~~~……緊急処置実行に伴い、魂の同調、定着を最低限行い終了。不具合により、Level上昇不可。()()()()()()。技能・称号の習得、取得、継承不可



「「俺ら(私ら)『魔力』ないじゃんッ!?」」


「なに、それは本当か? ……だとすると、まずいことになった。わたしの知る限り、ここの鍵は僅かな『魔力』を用いることで、扉に掛けられた魔術に感応して開くはず……。しかし、もし魔力が無いとなると……」


 俺たちの言葉に、『お姉さん』が少し考え込む。まさか、『魔力がない』ということがここでアドバンテージになるとは……『アドバンテージ』って言葉、初めて使ったけど合ってるかな?


「……まぁ、『牢屋に入る』だけならいけるんだがな――パンッ(柏手)」


 サクがそう言いうと、おもむろに手を打ち合わせる。すると彼女の傍らに、『障子』が音もなく現れた。


(え、なにそれ?)


「『摩多羅門』、『(あけ)』」



――――スゥーーッ!



 それが勝手に開くと、その奥には『真っ黒な境界線』が広がっていた。


「おお、スゲー! なにそれかっこいい! 『真っ暗』だけどその先どうなってるんだっ!? ……あ、あと。体治ったんで、『血の膜』解いてもらっていいですか?」


 俺は簀巻き姿のまま、目を輝かせて興奮する。いや、これはテンション上がるだろう。まさに『異世界』っぽい光景じゃないか。……決して、『肉の再生する化け物』を異世界っぽい、とは認めたくない。


「ふふんッ、そうだろう~! わたしだけのSSRの能力なんだぞ! うらやま……ん、『()()()』?」


『血の膜』を解きながら、サクが得意げに胸を張る。どうやら俺の反応に気分を良くしたらしい。分かりやすい性格してるなー。……騙されないよう、俺がちゃんと見てなきゃな。

 だが次の瞬間、俺の言葉に違和感を覚えたようで、ピタリと動きを止めた。


「レン、この『(障子)』の向こう、見えないのか?」


「見えん。真っ暗闇が広がってるだけだ。……よいっしょ」


 俺は立ち上がると、『バスケットボール大』にまで成長した『黒煤』を少し操り、サクがやっているみたいに即席の服――半袖と短パンを作り、身に纏った。……先の『捕食』で服が完全にダメになって、ずっと全裸だったからな。


「なるほど……私『以外』には『先が見えない』と。……使い道は広がりそうだが、頭使うの苦手なんだよなぁ……」


 サクはそうぼやきながら、中腰で『障子』を潜っていってしまった。……いや、俺を置いていくなよ。そもそもどこに繋がってるんだよ。


「おい、サク待てって――……(ごつっ)いたっ!」


「む、大丈夫か?」


「あ、はい……って、牢屋の中? ここに繋がってたのか?」


 サクを追って『障子』を潜ると、直後に頭を鉄板にぶつけ、その衝撃に反応して『お姉さん』の声が聞こえた。

 どうやら、出てきた先は彼女の身に着けていた鎧の背中あたりだったらしい。そして、その横をすり抜けて、サクはさっさと牢屋の中に入って壁に寄りかかっている。おい、説明を怠るなよ。

 ここから外の『障子』見ると、俺の上半身が扉を境に消え、片足の無い下半身だけで見えていた。


「おいレン、『障子』消すから早く潜って来い。出ないと、腰から下が泣き別れになるぞ」


「へいへい」


 俺は言われるがまま、『お姉さん』の脇を通って牢屋の中へと入った。




―――――――――――――――――――――――――




「――ふむ、『深淵の聖女』を退け。鍵も手に入れ、しばらく『敵』の現れないこの状況。しかし、君たちは『体質』で魔力をもたず、わたしは片足以外不自由な身……どうするべきか――」


「……この壁って、殴ったら壊れないかな?」


「……やるだけならタダだ。『タダは得』とも言うからな。やってみる価値はある、いややるべきだ思いっきりっ(捲し立てる)」


(『タダ得』は私の言葉だけど……)


『私』とレン、そして『角んちゅ』――改め『カラミディア』は、『自己紹介』の後で、今までの経緯をすり合わせ、現状の打開策――『手枷』をどう外すかを考えていた。……そういえば、自己紹介してなかったなぁ、と今さら思う。(盤面で)一方的に名前を知っていたから忘れてた。


「――それじゃあ、サクの後押しもあることだし、試してみるか! おらっ――」



――――ゴスっ



「――いてぇ~」



[※――〈自壊抵抗〉を得ました]

[※――〈魔纏抵抗〉を得ました]

[※――〈魔陣抵抗〉を得ました]

[※――〈衝撃抵抗〉が強くなりました]

[※――〈魔力抵抗〉が強くなりました]

 


(コイツ、殴るのヘッタだな~)


「痛い、けど……これ、『拘束』解けたときの原理的に、何度も繰り返せばいけるんじゃね?」


 そう言ってレンは、まったく腰の入っていない素人パンチで金具付近の壁を殴り続ける。『技能』で治るらしいから止めないが……あいつは、『アホの子』かもしれない。私がしっかりしなければ。


(いや、『精神年齢が7歳』という点を考慮すれば、かなりませてるか? ……私もそうだが、たぶん『この()に精神年齢が引っ張られている』、みたいな印象を受けるんだよなぁ。……前世の私は、もっと冷静で、大人びていたはずだしっ!)


「レン、気持ちは嬉しいが……その力では時間が掛かり過ぎるだろう。別の方法を――」


『カラミディア』は直接的に『無理だ』とは言わず、ソフトな感じでレンを止めようとする。しかし――


「ふんっ――」



――――ゴスッ(ピシッ)



「――お?」「――なに?」


 壁にヒビが入り、『魔力(白い揺らぎ)』が少し霧散した。


「おお! ヒビ入ったし『白い靄』が薄くなった! んじゃ、締めに『お試し』の一発っ! ――っふ!!」



[※【理想ノ僕】を任意発動]

 ⇒一時的に、『パンチ力』を激化補正



――――ズドォ!!



「――しゃおら~っ! スゲー威力でたぁ! ――でも骨割れた痛てぇ~~!!」


「おお、すごいじゃないかレン! ……私の後押しあっての結果だなっ、うん! つまりは私のおかげだっ!」


「――なんと、素手で魔術が施された壁を壊すとはっ……はは、本当に、君たちには驚かされる……」


 レンは痛みから膝をつき、私は後方支援面した後で、壊れた壁を見るために近づいた。……殴りつけていたレンの右手が最後『光っていた』から、何かしらの『技能』を使ったんだろう。壁から『魔力』が消え去り、壁に埋め込まれていた金具が落ちている。

 そして、カラミディアは自由になった左腕を呆然とした様子で動かしていた。から笑いして、相当驚いている。


「――あ、怪我のついでに、『カーラさん』にお願いがあるんですけど。俺が、えーと……じゃぁ『許可ください』って言ったら、『OK』って言ってください」


「うん? わ、わかった」


 またなんか始まった。私はレンの後ろから事の成り行きを眺める。


「『許可ください』」


「『お、おっけー』……?」


 カラミディアがぎこちなくそう返答すると、レンはおもむろに彼女の肩に触った。……しかし結果は何も起こりません。

 ……何をしようとしているのかは、レンの『盤面』を視て察しがついた。


「ダメか……『こう』じゃないのかなー……それじゃぁ今度は、心の中で強く、許可するって『思って』ください」


「……いいが、これにはどんな意味があるんだ?」


「ふふん、俺の思ってる『結果』になるなら――『カーラ姉さん』の手足とか目が治るはずだ、です」


 レンの奴、呼び方も口調もが未だに安定してないな。面白いからいいけど。


「本当かっ。……『神薬』を奪られ、治癒の手立てに悩んでいたところだ。できるなら、ぜひ試してほしい」


「『かもしれない』、ですけどね。……では、『許可ください』」


「ああ」


 そしてまた、レンがカラミディアの肩に触れた――



[※【不惜身命】を任意発動]

 ⇒()()()()()()()()()()()()()()()()()



[【名前】カラミディア

【状態異常】霊視/空腹/衰弱/失明/欠損/貧血/火傷/感染]

  ↓   ↓   ↓

[【状態異常】(空欄)]



 ――刹那、レンの『右腕』が膨らみ――



――――パンッ

 

 

[※リンッ――〈眼痛抵抗〉を得ました]

 ――――

 ――

 


 乾いた破裂音を響かせ、生暖かい血肉が撒きちった――彼を中心に、私たちにも。


「――ぎゃああああっいってぇーーー!! (破裂した)右腕より目が……目がぁ~~~!!?」


「――わっぷぅ――ッッ!!?」


「――ッ!!」


 後ろでその現象を見ていた私は、飛び散った血をもろに浴び、あまつさえ――レンの『指』が口に飛び込んできた。


「――ぶぇ~~~ッ!? ――ぺっ、ぺぇッ!! ……なにしてくれとんじゃボケェッッ!!」



[リンッ――【疵付イタ孤高ノ一匹狼】を発動]

 ⇒全能力上昇補正



「――ぐぇッ!!?」


 私は床で転げまわるレンを怒りのあまり蹴り上げ――予想に反して、壁にぶっ飛ばしてしまった。反省は……まぁ、している。なんか勝手に『技能』も発動したし、不可抗力だ。


「ぐおお~~、痛って~~っ!(ぐじゅぐじゅっっ)……おいこらっ、サクッ! 人が体張って怪我治したってのに、なんで理不尽に蹴られなきゃならないんだよっ!!」


「いや悪い、口の中に『指』が入ってきたからつい。……しかし、女の口へ勝手に『指』を突っ込んだお前が悪いんだぞ。これに懲りたら、むやみやたらと女の口に『指』を突っ込むのはよせ。私じゃなったら八つ裂きにものだ。寛大な私だからこの程度で済ませ――

「――おい、人のせいにするなよな。指の件は不可抗力だし。腕もげて目ん玉切り刻まれて痛がってるヤツを蹴っていいわけないだろ。それなのに、謝りもしないで言い訳と、しかも責任転換とか……」


「は~!? 謝りましたぁ~! 『悪い』って最初に、謝りましたぁ~~!! それに、男ならぐちぐち言わずに『大丈夫』って許す器量ぐらい見せろ!!」


「はぁ~!? じゃぁそっちだって『悪い』で済ませず、素直にハッキリ謝れよっ! こっちはお前が『謝罪ベタ』だて知ってんだから!!」


「『謝罪ベタ』だって解ってるなら許せやコラーー!!」


「逆ギレしてんじゃねぇ~~ッ!!」


 私は右腕と――見えていなかったが、『両目の傷』の癒えたレンと額をぶつけ合わせ、睨み合った。おそらく、『技能』の効果で『カラミディアの状態』がレンに移り起きた現象だろうと察する。……正直、うん、私も……多少は悪かった……かもしれない、気がする。


「――やめないか、君たち」


 そんな、『不毛な争いを誰か止めてくれ』と心の底から願った時、顔に血の拭き残しを付けたカラミディアが、静かな声で仲裁に入ってきた。


「……ほーい」「……うぃー」


 お互いに、『仕方ない』的な態度で身を引き、間を開けて座り直す。

 ――ちなみに、私は飛び散った『血』を、レンは肉片を『黒煤』に変える処理を忘れずに済ませた。……何も言わないから、『血の所有権』は私に譲ってくれたってことでいいんだよな? もう返さないぞ?


「ふぅ……レン、礼を言う。……君には、感謝してもしきれないな。いまだ夢を見ているようだが――手足は戻り、瞼が開き、この目で君たちを見ることができた。……こうしてまみえるまで、まさか本当に『幼い者』だとは思っていなかったが……それを口にしては、恩人に対して失礼か……」


「いや……うまくいって良かった、です。『移るだけで何も変化なし』っていう可能性もあったし……何なら、最初の実験的な意味合いでやったことなので、少し後ろめたい……ッス」


 レンが下を向き、言葉通り後ろめたそうに言った。しかし、カラミディアがこちらに近づくと、レンと――私の手を、甲に鱗を生やした大きい手で握り、物憂げに言った。


「わたしにしてみれば……『それでも』、なんだ。……そしてサク、今こうして五体満足に動き、再び剣を握れるのは――紛れもなく、君の覚悟と助力あってのこと。改めて、心からの感謝を伝えさせてほしい」


 彼女はそこで一度、言葉を区切る。……そして、胸の奥に押し込めていた想いを、堰を切ったように語り始めた…………。



「……わたしのような者は、この朽ちた灰の地でただ剣を振るうことしか知らず、人種にも、同胞にさえも拒絶され、流れに身を任せながら生き延びるしかなかったんだ。

 だが……君たちだけは、この忌まわしき『深淵の異形』の様なわたしを否定せず、あまつさえ、救ってくれた……。これほどの恩義を、わたしは今まで、ただの一度も受けたことがない……。

 ずっと長い時を、孤独な戦いの中を彷徨ってきた――かつての、『竜族の誇り』を守るために。その『汚名』を晴らすために……いや、本音で語れば、それらはすべて、『自分のため』かもしれない。

 歩んできた道は険しく、醜いと罵られ、共に戦うはずだった『英雄たち』からは刃を向けられ……同胞でさえもわたしを拒んだ……。

 わたしの日々は、『深淵に堕ちた異形』と、『誇りを捨てた同族』たちのなれの果てを、この手に掛けることでしか意味をなさなかった。

 ……最初、サク、わたしは君が『鍵』を手にできるとは思えなかった。君の『退く』という言葉をそのまま受け入れ。『神薬』を施された以上は、後は己の力で……と、そう覚悟していた。

 けれど、レンが『深淵の聖女』を退けたと聞き……その手段には正直驚かされたが……それでも、こうして君たちと共に在り、この場所を抜け出す道筋が、ようやく見えた……。

 ――全て、君たちが成した奇跡なんだ。一度は『死んだ』わたしに、『希望』という名の『光』を見せてくれた。……だから、『ありがとう』。

『虚無』だったわたしに、『人としての矜持』を思い出させてくれた。『無色の剣』に、『意志』を宿らせてくれた。だから――

「――ぐぅぅ~~zzZ」


「zzZ――んあっ!? ――あっ、すまん、途中で寝てたかも……(ウトウト)」


(……なんか、すごい真剣に語ってくれていたのは覚えてるんだが、眠けがなぁ……)

(……だって、話長いんだもんな……)


 すると、正面で大きく目を見開いていたカラミディアが、おもむろに肩を震わせ――


「―――――ふふ、あはは……アハハハハ――っ!」


 ――目尻に涙をためて、笑い始めた。


「? どうしたぁ?? ……レンの寝顔、そんなに面白いのか???」


「ぐごぉ、っぐぅぅ……zzZ」


 眠気と真剣な空気が奇妙に交錯する中、いつの間にか寝落ちしていた私は、起き抜けに『おかしそうに笑う』カラミディアの姿を見て、頭に『?』を量産するしかなかった。

 ……まぁ、レンはそれでも寝てるし。……真面目な雰囲気って眠くなるよな?




―――――――――――――――――――――――――


◇レンのステータス(New)

固有技能(エクストラスキル)

≪New≫【理想ノ僕】:任意発動。一時的に、任意で選んだ『力』を激化補正


〇…………Unknown……

・【死ンデモ命ガアルヨウニ】

≪New≫└【不借身命(ふしゃくしんみょう)】:触れた対象の『状態異常』を、『許可を受けた場合』のみ、任意で自身に移すことができる




◇レンが現段階で得た『抵抗』:211(New)

●物理抵抗:119

〈痛覚抵抗〉〈苦痛抵抗〉〈鈍痛抵抗〉〈激痛抵抗〉

〈刺痛抵抗〉〈頭痛抵抗〉〈眼痛抵抗〉〈断痛抵抗〉

〈続痛抵抗〉〈複痛抵抗〉〈爛痛抵抗〉〈露痛抵抗〉

〈繋痛抵抗〉〈響痛抵抗〉〈巡痛抵抗〉〈急痛抵抗〉

〈神痛抵抗〉


〈痛撃抵抗〉〈打撃抵抗〉〈剛撃抵抗〉〈突撃抵抗〉

〈穿撃抵抗〉〈切撃抵抗〉〈斬撃抵抗〉〈投撃抵抗〉

〈射撃抵抗〉〈拳撃抵抗〉〈脚撃抵抗〉〈体撃抵抗〉

〈鈍撃抵抗〉〈衝撃抵抗〉〈重撃抵抗〉〈柔撃抵抗〉

〈噛撃抵抗〉〈牙撃抵抗〉〈連撃抵抗〉〈複撃抵抗〉

〈裂撃抵抗〉〈追撃抵抗〉〈響撃抵抗〉〈襲撃抵抗〉

〈伏撃抵抗〉〈爆撃抵抗〉〈自撃抵抗〉〈撃打抵抗〉


〈奇襲抵抗〉〈急襲抵抗〉〈背襲抵抗〉〈強襲抵抗〉

〈騎襲抵抗〉〈群襲抵抗〉〈爆襲抵抗〉


〈殴打抵抗〉〈強打抵抗〉〈体打抵抗〉〈激突抵抗〉

〈打撲抵抗〉〈亀裂抵抗〉〈陥没抵抗〉〈粉砕抵抗〉

〈刺突抵抗〉〈貫通抵抗〉〈穿孔抵抗〉〈裂傷抵抗〉

〈切断抵抗〉〈断片抵抗〉〈断裂抵抗〉〈断絶抵抗〉

〈切開抵抗〉〈頭打抵抗〉〈脳震抵抗〉〈絞首抵抗〉

〈斬首抵抗〉〈押潰抵抗〉〈磨潰抵抗〉〈圧迫抵抗〉

〈圧縮抵抗〉〈圧壊抵抗〉〈爆砕抵抗〉〈咬傷抵抗〉

〈噛切抵抗〉〈噛砕抵抗〉〈千切抵抗〉〈骨折抵抗〉

〈損傷抵抗〉〈欠損抵抗〉〈神損抵抗〉〈神断抵抗〉

〈破壊抵抗〉〈自壊抵抗〉〈内傷抵抗〉〈外傷抵抗〉


〈体失抵抗〉〈失痛抵抗〉〈失明抵抗〉〈失神抵抗〉

〈失血抵抗〉


〈窒息抵抗〉〈反動抵抗〉〈苦悶抵抗〉〈絞縛抵抗〉

〈拘束抵抗〉〈束縛抵抗〉


〈焼痛抵抗〉〈灼痛抵抗〉〈焼撃抵抗〉〈炎撃抵抗〉

〈灼撃抵抗〉〈火傷抵抗〉〈焼傷抵抗〉〈灼傷抵抗〉

〈焼死抵抗〉


〈瀕死抵抗〉〈即死抵抗〉〈致命抵抗〉〈絶命抵抗〉

〈斬殺抵抗〉〈刺殺抵抗〉〈圧死抵抗〉



●超常抵抗:35

〈魔力抵抗〉〈魔撃抵抗〉〈魔纏抵抗〉〈魔装抵抗〉

〈魔障抵抗〉〈魔陣抵抗〉


〈呪イ抵抗〉〈呪縛抵抗〉〈呪詛抵抗〉〈幻視抵抗〉

〈妨害抵抗〉〈浸蝕抵抗〉


〈燃焼抵抗〉〈灼焼抵抗〉〈熱波抵抗〉〈烈火抵抗〉

〈火炎抵抗〉〈猛火抵抗〉〈劫火抵抗〉〈焼却抵抗〉

〈焼滅抵抗〉〈火創抵抗〉〈霊灼抵抗〉〈呪焼抵抗〉

〈深炎抵抗〉


〈再生(痛)抵抗〉〈再生(悪)抵抗〉〈再生(妨)抵抗〉


〈魔術抵抗〉〈奇術抵抗〉〈呪術抵抗〉〈深淵抵抗〉



●自然抵抗:57

〈飢餓抵抗〉〈空腹抵抗〉〈睡眠抵抗〉〈不眠抵抗〉

〈盲目抵抗〉〈出血抵抗〉〈疲労抵抗〉〈衰弱抵抗〉

〈病気抵抗〉〈感染抵抗〉〈気絶抵抗〉〈昏倒抵抗〉

〈渇水抵抗〉〈脱水抵抗〉〈発熱抵抗〉〈乾燥抵抗〉

〈摩擦抵抗〉〈露出抵抗〉〈酔イ抵抗〉


〈毒性抵抗〉〈猛毒抵抗〉〈病毒抵抗〉〈疫病抵抗〉

〈有毒抵抗〉〈有害抵抗〉〈麻痺抵抗〉〈腐敗抵抗〉

〈強酸抵抗〉〈溶解抵抗〉


〈臭気抵抗〉〈鉄臭抵抗〉〈血臭抵抗〉〈汚臭抵抗〉

〈腐臭抵抗〉〈熟臭抵抗〉〈穢臭抵抗〉〈死臭抵抗〉


   ↓ まだ ↓


〈猛暑抵抗〉〈熱中抵抗〉〈高温抵抗〉〈高熱抵抗〉

〈湿熱抵抗〉〈灼熱抵抗〉〈熱気抵抗〉〈熱風抵抗〉

〈焼尽抵抗〉


〈寒冷抵抗〉〈寒中抵抗〉〈低温抵抗〉〈水流抵抗〉

〈水圧抵抗〉〈沈溺抵抗〉〈溺水抵抗〉


〈重圧抵抗〉〈惨禍抵抗〉〈壊疽抵抗〉〈落下抵抗〉




◇サクが現段階で得た『耐性』:36(New)

〈悪臭耐性〉〈嘔吐耐性〉〈低温耐性〉〈寒冷耐性〉

〈衰弱耐性〉〈混乱耐性〉〈戦技耐性〉〈激痛耐性〉

〈苦痛耐性〉〈斬撃耐性〉〈襲撃耐性〉〈打撲耐性〉

〈被弾耐性〉〈奇襲耐性〉〈損傷耐性〉〈欠損耐性〉

〈出血耐性〉〈虚弱耐性〉〈疲労耐性〉〈衝撃耐性〉

〈激突耐性〉〈急襲耐性〉〈絞首耐性〉〈窒息耐性〉

〈混濁耐性〉〈高温耐性〉〈高熱耐性〉〈熱気耐性〉

〈熱風耐性〉〈火傷耐性〉〈外傷耐性〉〈乾燥耐性〉

〈魔術耐性〉〈灼痛耐性〉〈灼傷耐性〉〈失神耐性〉




ギャグとシリアス、バランス取れているか不安……

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