異国の村へ、ようこそ
舞花達は、これからの事を相談していた
ちょうど、その時だった
「……ん?」
突然、近くの草がガサガサと揺れ出した
まさか、あの謎の男なのか?
そう思い、皆警戒する
そして、そこから姿を現したのは、
「あら、大丈夫ですか?」
少女が、不思議そうに此方を見ていた
「え?あ、は、はい」
緊迫した雰囲気から、一気に解かれ、
舞花達は少しキョトンとした
「此処らでは見かけない方達ですね。
どちらから来られたんですか?」
「えっと……」
「私達、今旅をしていて、
此処より遠い所から来てるんです」
渚の咄嗟の判断で、自分達が旅人であると話す
此処で怪しまれたら、どうしようもない
「そうでしたか。旅のお方でしたか」
純粋なのか、少女は渚の話を信じた
「なあ、一つ聞いて良いか?」
「はい、何でしょう?」
「俺達は今何処にいるのか、きちんと把握出来てないんだ。
此処は何処だか、教えてくれるか?」
「此処はイズール王国の領土内で、
近くに私の住む村があります」
「イズール王国?」
「ご存じありませんか?」
「まあ……」
イズール王国
日本どころか、海外でもない
まるで、ファンタジーの世界のようだ
否、の〝ようだ〟じゃない
「ねえ、もしかして、私達。
ファンタジーの国に来たのかな?
この人が、嘘ついているように見えないし」
見慣れない風景と謎の男の事もあり、
その可能性は否定できない
「もしかしてじゃなくても、そうみたいね」
「ああ」
「ええ!」
「シィーッ!」
思わず、大声を出す舞花に、
凛太郎と渚は慌てた
「どうしました?」
「え?あ、ううん。何でもないわ」
咄嗟に、渚は笑顔をつくり、誤魔化した
「そうですか。……あの、皆さんは、
これから何処へ、向かわれるのですか?」
「それが、まだ決めていないんだ」
「あの、よろしければ、私の住む村へ
行きませんか?」
「え、良いの?」
「はい」
突然のお誘いに、三人は顔を見合わせた
「どうする?
悪い人じゃなさそうだし、ついて行く?」
「けど、何か危なくないか?」
「でも、此処は私達にとって、不馴れな場所なのよ?
此処は、誘いに乗るべきじゃないのかしら」
あれこれと、相談する三人
相談してから、数分
三人は話をまとめ、結果を少女に伝える
「それじゃあ……
一緒について行っても、良いですか?」
そう言うと、少女は嬉しそうに微笑み、頷いた
「分かりました。あ、まだ名乗っていませんでしたね。
私の名前は、マリアと言います」
少女ーーマリアは、
そう言うと、再度微笑んだ
一言で言えば、可愛らしい女の子だ
「私は、舞花って言うの。
此方は、ナギ……じゃなくて、渚と隣は凛太郎」
「渚です、よろしくね」
「凛太郎だ」
「舞花さんと渚さん、凛太郎さんですね?
はい、覚えました。此方こそ、何かの縁ですので、仲良くして頂けたら、嬉しいです」
簡単な自己紹介だったが、
直ぐに舞花と渚は、打ち解けた
しかし、凛太郎だけは、打ち解けるまで、
まだ少し時間がかかりそうだ
そんな他愛のない話をしていると、
マリアは目の前を指さした
「あ、あそこです。私の住んでいる村」
どうやら、マリアの住む村が見えて来たようだ
「ようこそ、私の村ーーミナモ村へ」




