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ZONE無しでもハンターになれますか?→可もなく不可もなし!  作者: 葉分
サバイバルフォレスト

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第117話 狼は貴公子に牙を向く

「行くぞ、神楽坂ァ!」


 俺は地面を蹴り、神楽坂へと肉薄する。


 俺が神楽坂に唯一勝てる方法。それは神楽坂に接近し圧倒的な力でねじ伏せること。単純だがこれが難しい。これができていれば俺はやつに負けることなんてない。


 神楽坂は俺の肉薄を阻止するように鎖を伸ばし、俺を捕えようとする。


 ハッキリ言って、俺は神楽坂とは相性が悪い。俺のZONEの性質上、鎖に捕えられれば身体能力が大幅に減少してしまう。1本でも厄介な鎖が12本。それに捕らわれないように肉薄し神楽坂にダメージを与えることは難しいってレベルじゃない。


 避けた神楽坂の鎖が当たった地面は、豆腐のように鎖が地面へと潜航し地上へと飛び出ると同時にその軌跡を抉るように地面は裂ける。打ち落とした鎖も一定時間経てば再び俺を捉えに向かってくる。


「ちっ……」


 だが、神楽坂は俺の能力の全体を把握している訳じゃねえ。付け入る隙があるとするのならそこだ。一式の「破壊」こそ使ったが他の黒条流やオオカミ分身はまだ狩北相手には見せていない。神楽坂の鎖の束縛も少量なら軽減できる算段ついている。ここは臆せず攻める。それが本能が語り掛ける最善の選択だ。


 俺は向かって来る鎖を闇を纏った拳や足で打ち落としながら神楽坂の周囲を旋回する。徐々に旋回するスピードを上げ俺を体で追わせて神楽坂の影の位置を調整し、神楽坂の背後に影ができたその瞬間に瞬間影移動(シャドウシフト)で神楽坂の背後を取る。


「そこだぁ!」


「読めているよ」


 神楽坂の手が鎖と共に俺の右拳を受け止める。そしてそこから俺の腕を這うように鎖を伸ばし、俺の腕を絡めとる。


「捕まえた。」


「そいつはどうかな!」


 俺は鎖の下から闇を噴出させる。闇は俺の肉覆い、鎖をその色で食らつく。俺の腕と鎖の間に闇の溝が生まれ、俺の弱体化を阻止する。


 俺自身、闇のことについてよくわからないことが多い。闇で身体を形成したり、攻撃に転用したり、防御や影移動なんかも何故そうできているのか、自分でもわからない。だが、この瞬間で重要なことは、闇は体を覆う程度なら肉体の一部としてカウントされないということだ。


 右腕に絡みついた鎖をそのままに俺は腕を持ち上げ、神楽坂の体は宙に浮かせ


餓える猛者の拳(ハングリーラッシュ)!!!」


 残された左腕のラッシュで神楽坂を殴りつける。だが、神楽坂も俺に対抗して鎖の先の剣でまるで刺すように傷を付けてくる。人間相手だからか急所こそ狙っていないが、脇腹や太ももを突き刺そうとしてくる。俺はラッシュの終了と同時に神楽坂を投げ飛ばす。そして、その飛ばした神楽坂の下にできた影に瞬間影移動(シャドウシフト)し神楽坂の背中に拳を突き上げる。


 突き上げたはずだった。


 次の瞬間、全身に切り傷が現れ、痛みが俺の感覚を支配した。


「くっ……!」


 突き上げたはずの神楽坂は俺の前に立って笑っていた。


「ふふふ……やっぱり君と戦うのは面白い。」


「そうかよ。なら、こんなのはどうだ!黒条流・三式「探知」。」


 俺は薄く闇を周囲へと蒔いた。闇は俺の周りを取り囲み、円を作る。黒条流は戦闘武術じゃない。黒条流とは俺たち家族が持つZONEの応用術でしかない。それを体系化してまとめたものが黒条流。黒条流・三式は俺にして言えば闇を周囲に広げて操るもの。そしてこの「探知」で広げた闇は視覚、聴覚、触覚の代わり、広げた範囲内のモノの位置や形状を瞬時に知覚することができる。


 そして、俺はそのまま構えてその場に踏み止まり、神楽坂を挑発する。


「さあ、来な!」


「言われなくとも。」


 神楽坂は全ての勝利と断罪の鎖ジャッジメントチェーンを俺を取り囲むように配置すると一斉に襲いかかってきた。そして、周囲の闇に鎖が触れたその時。瞬時にその位置が頭の中へと入って来る。俺はその一本一本の場所を正確に捉えて向かってくる鎖の鋒を闇を纏った拳や蹴りで撃ち落としていく。


「そんなことできるんだ……」


瞬間影移動(シャドウシフト)


「消えた。背後か!?」


 神楽坂は後ろへと振り向く。しかし、そこには俺の姿はない。


「残念だったな。背後じゃねえ。」


 俺は自分の影に瞬間影移動(シャドウシフト)し、一時的に自分を影の中へと移動させ姿を消し。神楽坂は一度不意打ちを食らったという経験から後ろに向くことは分かっていた。そして、後ろを向いたその一瞬の隙に、俺は神楽坂の懐に入り込む。


 一式は「破壊」の一つだけじゃない。あくまでも応用術の中で必殺技に分類されたのが一式。闇を送り込み内部から攻撃を行う「破壊」が鎖に受け止められたら神楽坂本体へのダメージは入らない。鎖をも超えて死なない程度に神楽坂へとダメージを与える攻撃手段。


 俺の拳に闇が集まる。闇は集まるにつれてその色は黒くなっていく。そして俺は神楽坂へと放った。


「黒条流・一式「撃砕」!!!」


 拳に集められた闇が純粋なエネルギーとなって拳から解き放たれ、黒く太いオーラのようなものが神楽坂を通過する。神楽坂は、それが放たれるその一瞬に鎖で自らの体を覆っていた。だが、解き放たれたエネルギーに押し出され、バックネットへと叩きつけられている。


「へえ、そんなことできたんだね……でも――」


 また、全身に痛みが走る。さらに四肢を鎖で拘束されて闇で防いでも物理的に身動きが取れない。


「――勝利ト断罪ノ刻(ジャッジメントタイム)の前には無駄だ。」


 神楽坂は、鎖を束ねて一つの巨大な鎖へと勝利と断罪の鎖ジャッジメントチェーンを変化させる。そして、それを俺の体へと突き立てる。鎖の矛先が俺の胸板を押しつぶし、そこから血が流れる。


「ぐっ……」


「もっと深くまで行こうか?それとも降参するかい?」


「誰が降参なんかするかよ。お前自身気付いていないのか知らねえが、テメエも、そうとう息が上がってるぜ?」


「そう見えるかい?」


「ああ、テメエが勝利ト断罪ノ刻(ジャッジメントタイム)を使う度に疲弊してやがる。ここまで使った回数は俺が視認できてるだけで三回。俺とお前が過去にやり合った時は今以上の回数、時を止めてたはずだ。」


「痛いところを突いてくるね。確かに、今の僕は、ある事情で全力を出せれていない。これは決して君たちのせいじゃない。僕は、僕が今出せる全力で君と戦う。正真正銘のタイマンで君に勝って見せよう。」


「そうかよ。なら、一気に畳みかけてやる。」


 瞬間影移動(シャドウシフト)で運動場に入り込む樹海の木陰に移動し拘束から逃れ、神楽坂に再び接近し殴り掛かろうとすると、神楽坂は自分の体に6本鎖を巻き付ける。そして、残った6本の鎖を分けて絡み合わせ2本の鎖にすると、その形状は時計の針を模した長剣と短剣の二振りへと姿を変え、構えた。


「白兵戦はどうかな?」


 俺はそのまま殴るかかると、神楽坂は剣で俺の拳を受け止め火花が散った。受け流し、受け止め、隙を見せれば喰らいつくように剣を振るってくる。


「何の真似だ!」


 神楽坂の剣を拳で受け止め、俺は神楽坂を睨みつけ拳にさらに力を込める。


「何のって、星谷君の戦い方の真似だよ。」


 神楽坂は一度剣を退くと見せかけて、左手の短剣を解き三つの鎖へと戻し追撃を入れてきた。たしかに、神楽坂の剣裁きは素人じゃなかった。その構えなどは星谷の動きに似ていた。だが俺が聞きたいのはそこじゃない。


「そういうことじゃねえ!なぜわざわざ手数を減らすようなことをすると聞いている。」


 迫る鎖を叩き落とし、神楽坂にラッシュを打ち込む。


「君は彼に負けたんだろう?なら、この戦闘スタイルに少しは苦手意識があるんじゃないかな!」


 そう答えると神楽坂は俺の拳を弾き、俺は体勢を崩す。その瞬間に腹に右足で蹴りを入れられ、俺は吹き飛ばされた。さらに蹴りを入れると同時に神楽坂は右足の鎖を俺の足へと巻きつけた。神楽坂は吹き飛ばされる俺を鎖で手繰り寄せ追撃を入れようと待ち構える。


 瞬間影移動(シャドウシフト)を使おうにも、この立ち位置から見える影の位置は限られている。おそらく、やつもこの戦いで瞬間影移動(シャドウシフト)の特性を理解したはず。見える影は神楽坂の影とさっきも移動した木陰だけだ。仮に移動してもそのタイミングでやつは確実に勝利ト断罪ノ刻(ジャッジメントタイム)を使ってくるはず。


「苦手だが、あれをやってみるか。」


 俺はその手に魔剣を握った。

神楽坂の倒し方

星谷世一を用意してください。彼に彼女を抱き付かさせてこう言うように指示してください。「ただいま」

そうしたら神楽坂は勝利ト断罪ノ刻(だいしゅきほーるど)して泣きじゃくり、メスの顔になるのであとはお好きに


あと鎖は壊れます。あれです、俺は最強だ!って言って相手に威嚇するような感じで言っただけです。


黒条流は黒条家なら誰でも扱えます。つまり、メイも辰巳も使えます。

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― 新着の感想 ―
頑張りゃビューティークイーン(合ってるかわかんない…)でも行け…うん。無理だな。
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