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「ねー、人間を悪魔にしちゃうのー?」
「えー、じゃあもう驚かせたり出来ないのー?」
御屋敷では、小さな悪魔達が口々に騒いでいました。そんな様子に、大きな悪魔は無表情なまま答えます。
「彼等は勝手に堕ちてきたんだ。嫌なのか?」
「だって驚かせ競争出来ないじゃん」
「鏡越しに覗き込んだ時の驚いた顔が見れないのは嫌だ!」
「枕元に立つのも面白いのにー」
「布団からはみ出た足を引っ張るほうが面白いさ!」
小さな悪魔達はそんなことを言って、騒いで飛び回りました。大きな悪魔がそんな悪魔達をまた無表情で眺めていると、御屋敷にまた人が来たようでした。