10、思いのほか才能があったらしい
おせつの爆弾で自分の心は木端微塵に吹き飛んだ。
(もう、何も考えたくない・・・・・・)
無言で頭を抱える。娘を抱いているから腕は上げずに頭だけ下げて。
「こんなところですかね、説明は♪ご主人様、どうされました?」
「何もきかないで下さい。」
「はぁ…?それにいたしましても、わたくしを出してもいないのにすごいですねぇ・・・・・・」
おせつが大仰な動作が消え、本当に驚いたように言う。しかし、主語がないので何も伝わってこない。
「何が?」
「娘様を引き寄せられたり、下僕を創り出したり…」
「まてまて、引き寄せるって!?下僕って!?」
「ほへ?そのままですが?」
またわざとらしく首をかしげる。一体、どちらが本来の姿なのだろうか。もし、大げさに演じているならうっとうしいからやめてほしい。別に悪くないし似合うのだが、どうも違和感が抜けない。
「1つずつ潰そう。引き寄せる「それより、下僕ってなんだ!?そんなもの・・・・・・」うるさい。黙れ。引き寄せるって?」
ミズが騒いだがちらっと睨んだだけで黙る。なのでついでに首を振り少し下がらせる。
知りたいことも整理したいこともたくさんあるのに一々口を挟まれては埒があかない。
「娘様は、後継者に選ばれてませんから♪こちらには本来来れません☆血の繋がりを辿り、こちらにご主人が引き寄せられたのです☆」
頭が痛くなった様な気がするが、知らないと自分に言い聞かせる。ああ、なんて素晴らしいのだろう。暗示というものは。
「下僕ってのは?」
「そうだ!!そんなものになった覚えはないぞ!!」
ミズが吠えているが自分もおせつも反応しない。
「そちらは、能力の説明にもなるのですが…」
長くなりますよ?と目で訴えられる。
「短くお願いします。」
もういっぱいいっぱいなのにそんな一気に頭に入る気はしない。
「大まかに言って、想像したものをご主人様のものとして、具現化することがご主人様の一番大きな能力と言えます♪場合により、色々異なるのですがご主人様がそこのバカを創造なさりましたのでそこのバカはご主人様の僕となります☆」
「バカって2回も言われた!?」
しかもとてもいい笑顔で。おせつは何故かミズに対してのみ毒舌なようだ。
「ミズうるさい。特に何した覚えもないんだけれど。」
「そうですね、普通ならわたくしを呼び出すのももっと時間がかかりますし……」
おせつが何かを考えるように上を仰ぐ。
おそらくは、説明しようとしているんどろう。おとなしくおせつが口を開くのを待つ。
「きっと、才能がおありなんでしょう♪」
(つまりは、分からないと。)
どうやら、ごまかすことはできるらしい。




