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魔王の考察

何だろう、魔王様出さないとダメな気がしたので、一年振りなのに進まない。


最近、私の子猫ちゃんに害虫が寄生した。餌を蒔けば直ぐに引っ掛かったが、駆除しても別の虫が湧いてきた。ちょっとは毛色がマシなヤツではあるのだが、アレよりは頭が良いようだ。



沙織は知らないようだが、業務連絡と共に二人の会話は書面になって提出される。社交の為と取引先との確認事項が発生しないか、念のため残されている。私は生まれた時からの習慣だが、成美は嫌がるだろうと言ってはいない。この習慣がこれ程役に立つとは思ってもいなかった。娘の沙織に彼氏が出来るまでは・・・・・





「沙織、一人暮らしは大変じゃないか?」



休日に家に帰って来ていた娘に聞いてみた。今まで食事の用意や、細々とした片付けなど家政婦がいた為させて無い、辛いはずと思ってのことだった。



「え?、大丈夫かなぁ、洗濯が面白い干すの好きかな?」



「料理とかしたことないだろう?怖くはないかい?」



「レシピアプリがスゴイの簡単楽々なの!これ、このアプリ!お菓子も直ぐ出来るの」



嬉しそうにスマートフォンの画面を私に見せていた。その壁紙に害虫が沙織に寄り添って写っていたのだ。しばらくの間様子を見て、排除を決めたのはまだ二、三ヶ月になるかならないかだった。餌を与えて直ぐ食いつくのを見れば正しかったのだと今でも思う。そこから半年は長かった。なぜはっきりさせないのか、まだ恋心を持っているのかと、流石に気にし始めた頃、遂に動いた。


流石私の娘、あそこ迄証拠を残すとは、偶然とはいえ、自力で行えた事、協力者との会合、運を味方につけているのだろう。その後あの男に気に入られてしまったのは・・・・、最早表立っての排除は無理だ。




「沙織、最近機嫌がいいな、何かいい事あったのかい?」



丁度、害虫が沙織の周りをウロつかなくなった頃、何気なく聞いてみた。本人が必死で隠したのだから気づかないフリをしている。あの毛色のいいヤツのことも、あの手の男はハマると諦めが悪いからな。



「あー、うん、最近外注の仕事で職場に来てるSEさんがね〜美味しいお店教えてくれるの。おじさんが気分転換にいいんじゃないって言ってくれたから」



「気分転換しないとダメだったのかい?」



「えーっとね、実は少し前に彼氏がいたんだけど、浮気されちゃって、お別れしたの」



少し半笑いの歪んだ顔でうつむきがちに教えてくれた。終わってからの報告と言うのが気に触るが、本人の口で言ってくれただけ、娘にとって私はまだいい父親なのだろう。



保からの連絡に慰謝料と資料提供、弁護士の紹介の件でも、名が上がっていた伊藤家の御曹司。かなりマメなようだ。

次こそはラブを

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