Ep0 プロローグ 「運命」
レッドカーペットが敷かれた部屋には 大時計が1つ静かに佇んでいる。
白髪の男は、美しい紫色の刀身を持つ剣を片手に持ち
部屋の中央に静かに座り込んだ。
「ルシファー 僕はここまでだ。 魂は掠れ、今にも消えかかっている」
『どうしてそこまでするの トロイメライ。私に触れれば、魂の崩壊は免れないと
分かっていたというのに。 貴方は完璧な受容体とは程遠い。』
「ははっ そんなこと今は気にしている場合じゃないだろう。 約束なんだ
古い 古い約束だ。」
『約束...』
「心配する必要は無い きっと数百年もすれば、『運命』が君を迎えに来る。
他のどこでも無い ここにだ。
その時は 君がその子を導いてあげると良い。」
男は剣を部屋の中央に突き刺した。
大きなシャンデリアが、神々しくも暖かい光を孕んでいた。
「行くぞ トロイメライ。 この空間の魔力量は異常だ、早く離れないと 奴らに目をつけられかねない。
私は君と違って、まだ長く生きるつもりなんだ。」
女性はトロイメライを抱えて、大時計が置かれた空間を後にした。
「ライズリーヴィス.. 僕はもう200年以上生きた。 もう十分だ。それに この世界に生きる権利をとっくに失っている。
君もそろそろ 死に際を決めるべきじゃ無いか。 僕らはただの人間だ。」
「言っただろう 私はまだ死なない。
寧ろ 生きる為に丁度いい言い訳を探している。
そういえば お前がさきに言っていた『運命』とは何だ?」
「確かに それは君が生きようとするいい理由になるのかもしれないな。」
「余程のことじゃ無いと 私の気が引けないことぐらい 君はよく分かっているだろう。君は私の限られた 数少ない友なのだから。」
「『運命』が 『僭越の鍵』を呼び起こす。 そう言ったら?」
トロイメライは ライズリーヴィスを見上げた。彼には彼女を食いつかせる確信がありその目は愉悦のように見える。
ライズリーヴィスは トロイメライを見つめて、鋭い笑みを浮かべた。
「ほう それは実に 興味深い。」




