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二章二話-悩みの種-

「おいおい、おもしれぇこと調べてんなぁ?」

上から誰かが喧嘩口調で喋りかけてくる。

その直後…地面が蠢く、気持ちの悪い揺れだ。

「ニーナ、こいつは…?」

ニサが心配そうな様子で聞いてくる。

「もうバレたみたい。オーダーのヤツらだ…」

ニーナが呆然と呟くと、上の奴が飛びかかってくる。

鋭い爪が明らかに狙っているのを見た。橙色の尻尾の鱗を輝かせながら

そしてその爪は床を引っ掻き回し、壁に穴を残し、あっという間に去ってしまった。

「くそ…やられた。」

幸い、攻撃はされなかったものの、隠れ家はもう機能しないだろう

「ニサ、パソコンしまって。荷物をまとめよう」

するとニサは言う

「ここから、出るの?」

ため息をついてニーナが言う。

「うん、だからハチとマサも呼んでおいで」


「分かった」


2025年5月3日_

「ねぇ〜お姉ちゃん達遊ぼうよ〜」

孤児院の皆が声をかけてくる、そういえば最近遊べてなかったな…久しぶりに遊ぶか…

「鬼ごっこでもやるか?」

ときわはいつもこの子達と遊ぶ時すごい生き生きしてんな。目が明らかに輝いている

「私もやろうかな…」

ぐるぐると走り回ってる子供達の間に入り、一緒に走る。

しばらくして皆バテる…その頃を狙っていたように獣の唸り声が辺りに響く

「皆、疲れただろ?中に入って涼んできな」

ときわが声をかけ、子供達が建物の中に入っていった、それと同時に獣が姿を現す

姿の黒い狼が…?いや、犬か?

二匹出てくる、足元に噛み付こうと涎を垂らし息を荒げる。

「…飼い犬ではないだろうね」

この生への執着具合を見るとそれは明らか。

魔獣の一種か?()()()()()()()()



…犬は苦手だ、いつも噛みついてくるからな。

動物に好かれてないのか何なのか分かんないけどよ…

こっちは道徳心(エゴ)つーもんのせいで動物は雷で傷つけることはできないからな

そう思ってても人は違うもんだ

桜は犬に向けて視線を送ると、やはり犬は足に噛み付く。少し顔が歪むが変わらず目を合わせ続ける

すると犬の体が空中に吹っ飛ぶ。

その間も犬は唸り、鳴き叫ぶ

そして森の方に飛ばされていく

何が起きたのかはよく分からないが、とりあえず追い払う事は出来たからそれでいいだろう…

「痛くないのか?」


「痛いけど()()よりかはまし」


「まぁ…そうか…」


「おーい、見えないのかい!?」

頭上から快活な声が聞こえる。振り返ると、銀髪の少年がいた

「さっきの仕掛けたのオレなんだけど?折角用意したのになぁ」

誰だよこいつ、また正規品どもか?

「ま、いいや。オレと戦って?」

そういった瞬間体に電気が走る

体が麻痺し、動かない…くそ、嵌められている…

電気を走らせ、蹴り殴り、電気…と永遠を繰り返してくる。こっちに攻撃する暇も与えられない…埒が明かねぇ!

「あぁー!いてぇーな!」

ピリピリと走る痛みやら体の硬直を無理矢理無視し腕を振るう

偶然にも腕は野郎にヒットし体を蹌踉めかせた

それでも野郎は別の方向に鋭い爪を振るい、桜の頬に傷をつける。

その後何処からともなく桜の体を水で縛り付ける。

「うっ…」

電気が流れているのか苦痛の声をあげる

何とか桜が地面に座り込んだまま野郎に向けて指を指す

氷の刃が空中に現れる、そして寸分の狂いなく野郎の首を切りつける

再び蹌踉めく体に向けて渾身の腹パンを放った

「うぐぉ」

野郎は木に激突し、口から血を流す。

すかさず巨大な斧を取り出し、首元に近づける

「どうしてここに来た?」


「…そう簡単に教えると思う?」

調子に乗った口調に苛つき、首元に更に刃を近づける

静寂が一瞬、辺りを包む

「お前達は鈍いよ、このままだとティーンが殺されちゃうかもなのにまだ先延ばししている」

……

「ここでオレを殺しても何もなんないぜ?」

…本当に、今すぐ原型をとどめないレベルに切り裂きたいほどにどうしようもない怒りを感じながらも、斧を握りしめながら動けなかった…


判断が鈍った…でも今急いで行ったらかえって危険だろうな…

「ときわ、感情に任せて走ったら危険」


「…分かってる」


「これは心理戦、ティーンを囮にして私達を呼び込むつもりだ」


「ノコノコ付いてったら殺されるか捕らえられるだろうな」

ときわはよく分かってる、けど感情にコントロールされやすいんだろう…


静寂によって少し遠い都会の喧騒が絶たれた

ただ、戦いの痕跡と悩みだけが残っていた

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