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スキル【球術】の俺は、均形鍛冶の少女とダンジョンを攻略する  作者: 昼ライス
3章:流れを繋ぐ者たち

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第102話 寄生するもの

毎日20時投稿

奥へ進むほど、空気が重くなっていった。


戦闘の間隔がさらに短くなる。


倒しても、すぐ次が来る。


まるで終わりがない。


「……これ、湧きじゃないですね」


エンが小球を巡らせながら言う。


「押し出されてる」


ノアが短く続けた。


ジンも頷く。


「さっきから同じ方向だ。全部、奥から来てる」


通路の先で、また戦闘になる。


カナが前に立ち、敵の足を止める。


小球が空中で動き、逃げ道を制限する。


ノアとジンが、それぞれ最小限の動きで仕留めていく。


連携は自然だった。


だが――。


「多すぎるな……」


ジンが息を吐く。


消耗が確実に積み重なっている。


やがて、通路が開けた。


小さな広間。


そして、その中心で。


何かが脈打っていた。


「……あれは」


カナが眉をひそめる。


肉のようにも、石のようにも見える塊。


地面に半ば埋まるように存在している。


その表面から、細い管のようなものが伸びていた。


周囲に倒れているモンスターの死体へと、絡みついている。


そして――。


死体が、わずかに動いた。


「……っ」


エンが息を呑む。


魔力が流れ込んでいる。


無理やり、動かしている。


「寄生体か」


ジンが低く言った。


「見たことはないけど、話だけは聞いたことある」


カナも頷く。


「D級にいるもんじゃない」


明らかに異常だった。


周囲の魔力が歪んでいる。


モンスターが倒れても、すぐ次が動き出す理由。


すべてが繋がる。


塊が、ゆっくりと脈打つ。


そのたびに、奥の通路から新しい気配が増える。


「……これが原因ですね」


エンが言う。


だが問題は別にあった。


近づけない。


周囲から絶えずモンスターが流れ込んでくる。


核に辿り着く前に、消耗が限界に来る。


「普通はここで詰むな」


ジンが苦笑する。


「前線維持できねえ」


その通りだった。


倒しても減らない。


押し返しても、また来る。


長引けば負ける戦いだ。


エンは小球を動かしながら、静かに考える。


流れはまだ崩れていない。


止まっていない。


なら――。


「……ここ、維持します」


「維持?」


カナが振り向く。


「球で流れを止めます。その間に――」


視線がノアへ向く。


ノアはすでに理解していた。


「核を破壊します」


ジンが息を吐く。


「なるほどな。時間を作れるのか」


「作る」


エンは頷く。


「長くは持たせられないかもだけど」


次の瞬間、小球が大きく軌道を変えた。


三つの球が空中を巡り、通路の入口を封じる。


敵の流れが一瞬だけ鈍る。


カナがその前に立つ。


「やるよ!」


ハンマーが振り下ろされる。


敵が後退する。


流れが、わずかに止まる。


だが、寄生体は止まらない。


脈動が強くなる。


さらに奥から気配が増える。


時間は長くない。


ノアが槍を構える。


深く息を吸う。


ジンが横に立つ。


「近づかせない」


短く言った。


エンは球を動かし続ける。


止めない。


止まれば終わる。


広間の中心で、歪な核が大きく脈打つ。


このダンジョンの流れとは違う、外から持ち込まれた異物。


その鼓動が、戦場を押し潰そうとしていた。


いつもありがとうございます。


面白いと思っていただけたら、

★★★★★評価・ブックマークで応援していただけると嬉しいです。


本作は毎日更新中です。

明日もお待ちしています。


作者の別作です。

現代日本×ヒーローSF

 「魂融合機兵ヴェスパー《HIVE-01》」

蜂型の機兵が侵略者と戦う物語です。

もしよろしければこちらも読んでいただけると嬉しいです。

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