第2-85話 真紅の稲妻
※2022年6月7日 文章修正・ルビ追加・改行修正
「鉄切れないってマジっすか?」
「おいどうした?」
「な、なんでもないっす‼」
鉄ってこんなに硬くないよね? ダイヤモンドも一刀両断できる水で、鉄を一刀両断できないのはおかしすぎっしょ‼
とりあえず落ち着こう。落ち着こう俺……。でででも。これじゃあ歯も立たないっての‼ 前歯でかじれないっての‼
鉄分不足は身体に悪いから、しっかりシリアル食べてよね‼ けど、グラノーラはものすごい重い……。お昼いらなくなる。
じゃなくって、俺全然関係ないこと考えてんだけど‼ 今は集中。集中。ってか、どうやって斬るんだよ‼ 鋼鉄魔兵器‼
ガデルに怒られないかな? 大丈夫かな? 大丈夫っすよね? 本人いないから、ものすごいショックなんだけど‼
ダブルショック‼ ショッキング大パニック‼ アホか俺の馬鹿野郎‼
「とりあえず斬る‼」
最初は闇雲でいい。初手は敵の弱点探し。本格戦闘はそれから。俺はとにかく脆そうな場所を攻撃。しても弾かれる。
火山地帯にいるし、熱耐性も高そう。これでは急所がわからない。こういう時は。
「団長‼」
「なんだ? アレン?」
「このアイアンゴーレム、硬すぎて切れないんすけど‼」
「お前なぁ……。切ることに固執しすぎてないか?」
「ふぇ?」
「この世の中、いや異世界やゲーム限定かもしれないが……。剣で切れるものもあれば、そうでないものもある。
そういう時は、切る方法以外の違う手段を使えばいい」
「なるほどっす‼」
切る以外の攻撃……。叩く? どこで? やっぱ拳でやった方がいい系? 他には……。光線みたいのできるかな?
俺は過去に〈スカーレット・ブレード〉で使った属性ビーム、的なやつを試す。水の刃だから、誰でも予想つくよね?
よくある水刃。うん。そのまんま。けどかっこいい。これで切り刻めれば‼
――ピシャン‼
「水の刃が弾かれたァァァ⁉」
「はぁ……。これだからお前は……」
――Z+魔法 ジャッジメント・レイ・ラビリンス
ルグアの術式発声。突如出現した雷撃が、アイアンゴーレムを穿つ。鉄製には電流をってこと? もしかして弱点雷属性?
もっと理科勉強すればよかった……。化学式難しいし、まだ習ってない。待て待て、鉄が電気通すってアルミ実験でやってるじゃん‼
「もしかして? 雷属性に変えれば?」
「属性相性は現実と同じ。その方が理解しやすいだろ?」
「そうっすね……」
「アレン‼ 次来るぞ‼」
「は、はい‼」
めちゃくちゃヒント出してんじゃん‼ なんで気づかなかったんだよ俺‼ これじゃあゲーム通も嘘みたいじゃないか‼
せめて舌引っこ抜くのはやめて欲しい。地獄なんか行きたくない‼ 今いるここはすでに地獄だけど‼
「ほら、さっさと動く‼」
「りょあ……」
「言葉になってないぞ‼」
「すんません……」
「返事はもういい……。私も本格的に支援するからさ……」
ルグアに申し訳ないことしちゃったよぉ……。俺男なんだから、らしくやらなきゃ‼ 雷属性……だったけ?
俺は、水属性から雷属性に変化させる。〈スカーレット・ブレード〉のエフェクトとは違うが、刀身全体に稲妻が走った。
麻痺の異常状態は、使用者に反映されないようだ。さらに属性値を増幅させて、雷の色が感電レベルの赤色に……。
「このまま勢い殺さず一気に突っ込む‼」
「アレン……」
俺の剣へ視線を送るルグア。彼女も目にしたことがないらしく、口をあんぐりさせていた。これには俺も驚き桃の木なんすけど‼ という勢いで鉄を斬る。
轟雷響かせる〈アルス・グレイソード〉。その一撃はアイアンゴーレムを麻痺させ、コアが丸出しになった。
属性イメージだけで疲れるけど、このタイミングが一番良い状況。ヘロヘロ気味の身体を動かし、俺はアイアンゴーレムにトドメを刺す。
「なのに……黒いオーラが消えない……」
「私もだ。まだ敵が残っている……」
「どこなんすかね……」
「さあな……」
この近辺にいる感じじゃない。視認できるオーラも点滅。距離が遠いのだろうか?
ルグアも頭を抱え、場所の特定に難儀しているようだ。俺のオーラもグレードアップすればいいのに……。限界突破機能獲得したい……。
「んー。やっぱわかんね……」
「ルグアでもっすか?」
「ああ……。敵の情報は見当つくが、所在地まで辿りつかないんだ……。もう一歩で精度が落ちる……」
「神でもダメなんて……」
「神? 私がか?」
「えっ?」
「んなわけあるかよ。しかし、周りからはそう見えているんだろうな……」
ルグア。もしかして照れた? こんな表情見るの第六層ボス戦後以来だよ……。いや、最近もあったわ。
だけど、もしその感知できない相手がボスだとしたら……。俺達詰んだんじゃね?
「ん? これは……」
「どうしたんすか?」
「多分この後燃やされるな」(笑)
「誰がっすか?」
「私だよ。どうやらここの主が激おこみたいだ……」
「げ、激おこって……」
現状がわからない。ルグアが燃やされる? 誰に? そもそも、誰が怒ってるの? ルグアと俺しかいないよね?
「アレンは少し離れていてくれ」
「離れるって……」
「温度だよ……。きっとこれは……。お前の耐暑防具では耐えきれない」
「それって……」
「私の破壊防止バフも効かないだろうな……。そして、私しか耐えることはできない。アレン、頼みたいことがある」
「なんすか?」
頼みたいこと? 俺に? なんかものすごい事件臭いんだけど⁉ あと、ルグアしか耐えられないって、どれくらい熱いの⁉
皮膚ただれたりしない? そっちの方が不安だよ……。の前に、頼みたいことってなんだろ?
「お前一人でシュトラウトに戻ってくれ。その後、バレンをここに連れてきてもらいたい。この事象を解決できるのは……」
「できるのは?」
「私と彼しかいない。勘でしかないけどさ」
読んでいただきありがとうございます。
久しぶりの後書きです。
完結設定時に読んでくださった皆さん。
迷惑かけてすみません。
そして、私からのお知らせです。
第4章で!!ゲーム要素が完全復活します!!!
どのように復活するかは、その時になってからのお楽しみです。
まだしばらく異世界のストーリーが続きますが……。
これからもよろしくお願いします!!!!




