第2-79話 入籍タイミングとキラービー
◇◇◇グラウゴ鉱山 外◇◇◇
「ルグア団長‼」
「なんだ?」
俺達はグラウゴ鉱山の坑道を出て依頼主に報告。安全確認の成果を伝えて、薬草の採取スポットへ向かっていた。
「やっぱり。両方違和感感じるんすよね……」
「はぁ……。容姿を変えることができりゃあ良んだけどな……」
それ俺も思った。こんな小柄でこの口調はやっぱり合わない。高身長の方が似合うし、そっちの方がいい……?
「んーとこの魔法だったっけなぁ……」
「ふぇ?」
「よしっと」
ルグアが無言詠唱でなにかを唱える。すると、ルグアの小柄な身体が煌々を輝き、その姿を変化させた。
俺と同じ身長。いや少しだけ背が高い。見た目もゲームとは違うが、ゲーム内口調に合いそうなかっこいいフォルムだった。
「これでどうだ?」
「と、言われてもっすね……」
「ま、こんくらいでいいか……。はじめて変身魔法使ったわけだし……」
「ははっ? はじめて使ったんですか明理さん‼」
「ん? そうだが……どした?」
「クオリティはレジェンドクラス級だわ……。あたしには不可能よ」
「そうなのか?」
「団長……パないっす……」
けど、これで違和感がなくなった。ルグアは変身魔法が解けないように、固定魔法も使用。容姿の変化は起こらないそうだ。
やっぱ団長すげー。俺めっちゃ惚れまくりなんすけど‼ アイラブるぐ……。
――ズゴンッ‼
「あいたたたたたた……」
「いい加減妄想すんな。付き合い解除しようか?」
「ややや、やめてぇぇえぇ。そそ、それはやめて欲しいっすよ‼」
「明理さんとアレンさん。付き合っているんですか?」
「そのようね」
「アレンのプロポーズに一発オーケーな」
「即入籍っすね‼」
――ボゴンッ‼
「お前まだ十六だろ?」
「そやった……」
「そんな二人に朗報よ。アルヴェリアでは十五から入籍可能だわ」
「マジっすか‼」
それなら入籍手続きしたい‼ ルグアと結婚したい。けど指輪ないんだった。告白できないじゃん‼
それでもいいや。告白出来れば俺は大満足だし、ルグアと一緒にいるだけでも楽しい。今が一番楽しい。〝リアゼノン〟に戻りたい。
ガロン達何しているのかな? 元気にしてるかな? 元の世界に戻りたいよ……。
「そのためには、クロノが復活しないとなんだよな」
「クロノってなんすか?」
「時空移動の神だよ。アレンも私もそのクロノが作ったゲート潜って来たんだ」
「なるほどっす‼」
「さて、そろそろ採取ポイントだぞ‼」
待ってました‼ やっと休憩できる……。あれ? なんか黒いオーラが俺の視界に映っているんだけど……。もしや敵?
これって気楽に採取できないけー? 最悪じゃん……やっと休めると思ったんにぃぃぃぃぃぃぃ‼
「騙されただろ? そう簡単に済むやつは組んでねぇよ」
「ですよね……」
「さ、私は敵の排除をしてくるから、ゆっくり採取してくれ。
あと今回受注した枚数は、10枚ではない。私個人で受注したのを含めて25枚だ」
「25枚……」
彼女が受注した時は『10枚でお願いします』ってしっかり言ってたけど、いつの間に追加受注してたなんて……。
「ここはアレン達用の〝F〟クエストに、私個人用の〝A〟クラスクエストが同時にできる場所でさ」
「え、〝A〟クラス……クエスト……」
「キラービー討伐クエだ。毒状態になる可能性が高いそうだから〝A〟らしい」
「ふむふむ。団長に毒は効かないっすもんね」
「だな。ま、今最中猛毒状態の上位互換が蝕んでるが……」
「それほんとに大丈夫なの? 心配よ……」
「ん? 全く気にしてねぇけど? 本音はもっと強力でもいいくらいだ」
「補足すると、これがノーマルなルグアっす……」
完全に毒状態カモンじゃん。普通のルグアだ……。さっきから、なんで消えてしまうとか考えてたんだろ? そんな様子ないじゃん‼
ってことはさておき、キラービーはルグアに任せるとして、俺達は薬草の採取を始める。
時々キラービーが接近するが、瞬く間に排除が進み、ルグアは汗をキラリと光らせて楽しそうに演舞を踊っていた。
「団長‼ 俺もキラービーと戦っていいっすか?」
「お? やる気だな?」
「なんか、団長見てたらウズウズしてきちゃって……」
「だろうと思った。あと3万匹残ってっから二人で終わらせようぜ‼」
「はい‼」
俺は薬草の場所から離れる。愛剣をとなった流水エフェクト持ちの武器。それを右手に装備する。
キラービーがどれくらい強いのか、半分好奇心だった。彼女の影響なのだろうか? 挑戦したくてたまらない。
ここでは特異点魔法も武器の技も使えない。使ったら植物を傷つけてしまうからだ。最近リアクション少ないけど正常です。
「ルグア‼」
「アレン一匹そっちに行った‼」
「ラジャー‼ せぇい‼」
――グギャァァァ……。
「やった。倒せた……」
「これでいい気になるなよ‼」
「気をつけます‼」
「ラストスパートだ‼」
「了解しやした団長‼」




