第2-75話 ルグアのスパルタメニュー
◇◇◇水の都 シュトラウト◇◇◇
「ここが旧ミルフェシアでしたっけ? まだ状況掴めてないんで、わからないっすけど」
「そうだよね……。だけど、本当に普段の……」
「その方がいいっすよ。容姿もゲームとは違うし、見た目……」
とてつもなく可愛い……。それにどこかで見たことがある容姿。時を遡ると、俺が〝リアゼノン〟のソフトを買った日。
同じ見た目の少女は、名前を言うことなく、樋上中央病院に入っていった。その時は脇にノートパソコンを持って。
俺を誘ってくれた唯一の友人・樋上舞彩。彼女が発した〝更生剤〟。パソコンを持った同じ見た目の少女に、明理という名前。
ずっとモヤモヤしてたけど、すぐ近くにいる少女が巣籠明理で、神級プレイヤーのルグアで、二面少女のルグア・レミリス・フォルテ。
「そういうことだったんすね……。やっと謎が解けました」
「ヒントたくさん言ってたけどね。さて、まずはアレンの冒険者ランクを、せめて〝D〟ランクに……クエスト自分で決める?」
「俺がっすか?」
「別に私が決めてもいいけど……。スパルタで行く?」
「す、スパルタ……」
ルグアのスパルタって、ルグアが攻撃受けているだけの持久戦だよね? リアゼノン第七層でのあれ、またやるのかよ……。
俺もうやりたくない。やりたくないよ……。ルグアが決めるのなら仕方ないけど……。
「それじゃあ。マスター。このクエストでお願いします。参加メンバーは、私とアレン。ロムとメルフィナで……。
クリア後はこっちのクエストも。場所の順番からして、最初がグラウゴ鉱山……次が鉱山近郊の平原だから……。
一番近いのは、小規模の村があるラクト山地かな? この場所には、採取と討伐の受注用紙があったはず……。あとは……」
「ちょちょちょ待って欲しいっすよ‼ 団長‼ これで4つ目っすよね?」
「そうだけど? 今回は10連するから……。これが終わったらこのクエストがいいかも。うーん。けどハードかな?」
「内容聞いてもいいっすか?」
「その時なったらね」
どちらにしろ持久戦なんじゃん‼ でも、弟子認定されてるし……。特異点魔法の負荷はもうきれいさっぱりだし。
「これで順番もクエスト内容も問題ないかな? この10枚一括受注で‼」
『確認しますね……』
「こういうのも久しぶりだなぁ。もしかしてワクワクしてるの私だけ?」
「そ、そんなことないっすよ‼ 俺も中身知りたいし……」
「良かった……。アレン。地道にだけど強くなってる気がするから」
「そうっすか?」
「もちろん‼」
『すみません。大半が〝D〟ランククエストのため、アレンさんは参加できないので……』
「ルナジェインさんの特権付きでお願いします」
『了解しました。では、こちらが控えになります』
ルグアすごい。俺〝F〟で〝D〟できないってことでしょ? なのに受注手続き終わらせちゃったよ。
だけどこの場合、ずっとルグアって呼んでいいのだろうか? なんかイメージと違う。ルグアと言ったら高身長だから。
「それじゃ早急に終わらせるよ。今日中には3つクリアしたいし。メニューは……」
――――――――――――
【坑道内安全確保】
クエストクラス:D+
クエスト形式:魔物討伐
クエスト場所:グラウゴ鉱山内部
クリア報酬:40,000ウェレス
サブクエスト:無し
【薬草採取】
クエストクラス:F
クエスト形式:採集・納品
クエスト場所:グラウゴ鉱山周辺農地
クリア報酬:300ウェレス
サブクエスト:無し
【地底ガーゴイル撃退】
クエストクラス:D+
クエスト形式:魔物撃退・討伐
クエスト場所:ラクト山地地下洞窟
クリア報酬:5,000ウェレス
サブクエスト:無し
――――――――――――
「この3枚で行きます」
「はじめから飛ばしているわね……」
「これがルグア団長っすからね。ある意味ノーマルメニュー。団長にはイージーすぎっすよね?」
「まあね。私一人なら半日で終わるだろうし」
「さすがっす団長‼」
ここまでのスケジュール。ものすごいハイペースだけど、ロムさんとメルフィナさんは大丈夫だろうか?
俺は普通だと思う――とはいえ相当キツい――けど、そこまで慣れていないであろう二人が心配になる。
「まずは、グラウゴ鉱山から。ここからだと60万セリナ。約25キロメートルだから、徒歩だと5、6時間以上かかるし……」
「となれば、お得意のアレっすね‼」
「正解。私一人でメンバー全員運ぶから……」
「あ、俺は必要ないっすからね。多分追いつけるんで」
「多分じゃダメだよ……。でも、その反応は褒めてあげる。メルフィナとロムは私に捕まって‼ マックススピードで10分に短縮するから」
「了解しやした団長‼」




