第2-47話 風魔の提案
◇◇◇第十八層◇◇◇
「皆さんお待たせしました」
「明理さん‼ って……。ルグアさんのこと、本名で呼んじゃってるけど、大丈夫ですよね?」
「アレンがいないから、どちらでもオーケーです。それに、私も普段の話し方だし、気にしなくていいですよ」
「よかった……」
「まあ、見た目と合いませんけどね……」
今まではアレンがいたから、初期の話し方とギャップが生まれないように、フォルテの話し方で接してきた。
アレンがいないのは寂しいけど、私を助けようとしてくれたのだから、今度は私が助ける番。どこにいるのか分からないが、進まなければ助けられない。
「それで風魔さん。心当たりってなんですか?」
「ガデルも気になっていたんですね」
普段の私の口調とガデルの口調に差がないため、まるで双子のようになってしまう。ゲーム内口調に戻せば何とかなるけど……。
口調のことを気にしていても、余計な思考に翻弄されてばかり。一旦忘れて状況を再確認する。
右隣には戸惑いを隠せないでいるガデル。扇形になるように立つ風魔は、何やら口をごにょごにょさせていた。
ウェンドラは〈レコード・ノート〉を開き、出来事の流れの見直し。雷夜とクリムは、アレンをド忘れしたメンバーを説得中。
「アルヴェリアとの連絡がついた。ルグアの呼び名が紛らわしい。こちらも、普段のオマエのことは明理と呼ばせてもらう」
「私はなんでもいいですけどね。そのことより、連絡がついたって……」
「本題に入る前に、一つ忠告しておく。今のアルヴェリアは、ウェンドラ達が知っている場所ではない。
数年の時を経て発展し、上級精霊が発見され、王族との地位が確立されている。
どうやらアレンはそのアルヴェリアにいるらしい。上級精霊シルフィードの守護精霊として、協力したい」
「ちなみにボクは雷神トールの守護精霊だよ♡」
「風魔に雷夜。助かります」
上級精霊だの守護精霊だの、知らない言葉が多いけど、力を貸してくれるのは嬉しい。それが、兄弟の二人なら心強い。
そんな私には目もくれず、風魔はアルヴェリアへ向かう準備を始める。どんな感じに移動するのか知らないけど、秘策があるのだろう。
「位置確認完了。クロノも呼び出せそうだ」
「クロノ? ってなんですか?」
「時空の神域精霊クロノ。時空の歪みで、異空間や都市と都市の移動を可能にさせる」
「ってことは、そのクロノを……」
「……」
――神域精霊召喚 クロノ
「風の街ラノグロアと繋げてもらいたい」
――承知した。時空の狭間を通るがいい……。




