第2-33話 鬼料理戦法と謎の天の声
◇◇◇アレン目線◇◇◇
「ガロンさん‼ セレスさん‼ 二人は俺に着いてきてください‼ 鬼の動きをどうにかして食い止めます‼」
「アレンさん。わかりました。よろしくお願いします」
「了解です‼」
俺は、風魔に強化してもらった〈スカーレット・ブレード〉を右手に、戦場を駆け抜ける。一度解除された氷属性を纏わせ、鬼の足へ。何度も切りつけ、行動を止めさせる
ただ繰り返す。繰り返すしかない。もう特異点魔法を使うだけの体力は、ほとんど残っていないから。今日の分は使い果たしている。
やっぱり、特異点魔法はキツい。正直言ってもう使いたくない。もちろん、効果は絶大っていうのは知ってるよ? ちゃんとわかってるよ?
それより、今日はルグアに頼りすぎちゃったかな? 実際、俺よりも特異点魔法をたくさん使っているし。いくら代償に強いとしても……。
ってか、ルグアがいなかったらここまで辿り着けなかったよね? ぜんぶルグアの特異点魔法のおかげだし。
――グゥゥ……。
「なんすか? この音」
「誰かのお腹の音ですよね? わたしじゃないですし。誰ですか?」
「ごっめーん♡ なんかウチお腹空いちゃったみたい♡」
「ふ、フランさん? このタイミングはヤバすぎっすよ‼」
こんなバトル中に、フランのお腹の虫も自由人。ならぬ自由虫だ。ほんと、鳴らす場所を考えてよ……。バトル終わったら食事かな?
「そうだレンレン‼ いいこと思いついちゃった♡ 言ってもいい?」
「え、はい……。いいっすけど……」
「鬼を料理するのはどうかな? って。ほら、焼いちゃえば。ねぇねぇ面白くない?」
お、鬼を料理……。これまた、ヤバいんだけど。って待てよ? 鬼を料理するのもありかもしれない。まずは、氷以外でこうそ……。
「それなら任せろ」
「風魔さん‼」
「疾風針 風縫い‼」
なんかめちゃくちゃかっこいいセリフ出てきたんすけど‼ 忍法みたいだよ? ネーミングが⁉ 超かっこいい‼
そんな妄想している俺は置いといて。風魔が技名発声したのと同時に、無数の針が出現。鬼の身体を締め付けるように、針は宙を舞う。
まるで、ガ○バー状態の鬼の巨体。そこへアレンが火をつけて焼く……。
「ちょちょ、たんまたんま‼ 誰だかわかんないっすけど、勝手に話進めないで……」
「アレンさん⁉ 突然叫んだりしてなにかあったんですか? びっくりさせないでほしいです‼」
「……えーと、ガロンさん。これはその……」
「もしかして幻聴でしょうか?」
「そ、そうかもしれないっすね……、セレスさん……。二人ともすみません……」
ほんと、さっきの天の声なんなんだよ‼ こんな演出なかったよね? しかも、俺が鬼を焼く流れになってるし。なら、やるしかないじゃん‼
という、不必要な想像をしている俺は置いといて。アレンは〈スカーレット・ブレード〉に火属性を付与させる。
燃え盛る炎で斬撃を加え、瞬く間に鬼の身体は火の車。熱い熱いと悶え苦しむその姿は、絵面としてはとても見苦しい光景……。
「って、天の声さーーーーーん‼ やってるこっちに、ものすごい罪悪感出てるんすけどぉぉぉ‼」
それはさておき。燃焼開始から数時間後に鬼を討伐した彼らは、突如現れた戦車の人員に拾われ、第二十層の市街地へと帰ったとか、帰らなかったとか……。
読んでいただきありがとうございます!
ようやく鬼退治が終わりました。
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