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第2-16話 前に進めない⁉

 不気味なアトラクションエリア。ホラースポットが苦手な俺には、背筋が凍るほどに震えが止まらない。

 オンボロの屋台に錆び付いた鉄骨。グラグラと揺れる観覧車。軋むメリーゴーランド。異様な静けさに満ちていた。


「もしかしてアレン隊長。こういう系無理な感じ?」

「そうっすけど……」

「やっぱ雑魚だ‼ こんなん無理なの⁉ メンタル弱ぇーー」


 俺を置いて先を急ぐ少年達。小刻みに身体を強ばらせながら、ゆっくり前へと進む。空は明るく晴れ渡っているのに、目の前の景色が妙に暗い。どこからともなく吹き付ける冷気が、恐怖心をさらに膨らませていく。

 前へ行けば行くほど、不穏な空気が濃くなる。絶対これ何かがある。だけど怖すぎて足がすくむ。


 ――『アレン。顔色が悪そうだがどうした?』


「る。ルグアさん。俺……こういうの苦手で……」


 ――『んなもん、最初から気付いてるって。パーティの隊長やっているんだろ? 背中が曲がってるぞ‼』


「どど、どうしてわかるんすか?」


 たしかに、今は恐怖で身体が縮こまって猫背の状態。けれども、この場にはルグアが居合わせていない。これはもしやお決まりの……。


 ――『勘だな』


「ですよね…………」


 ――『とまあ。そんなことは置いておくとして。この先でなんか嫌な予感がするんだよなぁー。アレンは違和感とかあるか?』


「い、違和感っすか⁉ と、特に何も……変なオーラも見えないし……」


 ――『そうか……。困ったなぁ~。ま、今のお前なら問題ないだろうが……。念の為偵察してやるよ。進展あったらまた繋げる』


「あざっす‼ 元団長‼」


 ――『よし、その意気だ‼ 頑張れよ‼』


「はい‼」


 ルグアの言葉は力強い。いつの間にか恐怖心が吹き飛んでいた。見える景色も少し明るくなり、気持ちを入れ替えて少年達を追いかける。

 これと言った敵のオーラは見えない。だけど、敵が出てきそうな緊迫感。少年達との距離が長い。徒歩で行くには時間がかかると思う

 急ぐために走る。だけど、なぜか前に進まなかった。まるでムーンウォークでもしているかの感覚。もっと簡単にすると、ランニングマシンに乗っているような現象。


『どういうことなのでしょうか?』

「お、俺に聞かれてもわからないっすよ‼ リゲルさん」

『そうでしたね。ですが、少年達のことが最優先なのは変わりません。どうにかして切り抜けましょう』

「切り抜けるって言っても……。一体どうすれば……」


 ――『私に良い考えがある』


 そう呟いたのは、偵察を終えたルグアだった。

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