第2-8話 続・ガデルの〈レコード・ノート〉
◇◇◇翌日 ガデル目線◇◇◇
「さて、執筆しますかね。えーとノートは……」
「ガデル。ノートはこちらに」
「ウェンドラさんありがとうございます‼」
「いえ、それほどではありません。ペンはお持ちですか?」
執筆の準備を始める私。そんな私を心配するウェンドラ。手渡されたノートは、何も書かれていない白紙の書。今まで使っていた文字でぎっしりの本は、残念なことに、別のゲームに置いてきてしまった。
昔から忘れ物が多い私。学校の宿題も普通に忘れてしまうほど物の扱いが下手で、毎度のように部屋を掻き回している。
「手が止まっていますけど、どうされましたか?」
「ちょっと考え事を、最近書いてなかったので……」
「習慣が途切れてしまったのですね。言われてみれば、戦い詰めのようでしたから、一息つけたのではと……。見当違いだったようです」
「作家は継続が命ですからね……。あ、まだ読んでない小説があるんだった。それとエッセイも途中だし。参考書も中途半端にしか……」
「あまり根詰めると、後々つっかえるのでは?」
「……基本読んでないですからね」
これは決してフィクションなのではなく、作者本人の日常で、中学生の時はよく本を読んでいたが、社会人になってから読む機会が少ない。というより、そもそも読むことがない。
基本的には、頭の中に浮かんだことをそのまま書く。最初に組み立てて書くのが苦手な私は、ストーリーを展開させていく中で、設定を組み上げる。
〈世界魔法大戦〉では、ルグアによく助けてもらった。作者が自分のキャラに助けられることは、あまりないと思う。
だから、私はアレンを助けようとこのゲームにログインした。間違えてノーマルアカウントでログインしたため、ログアウトはできないが……。
「だけど、ルグアさん大丈夫かな? アレンさんから囚われているって聞いたから、心配で……」
「貴方もアレンと同じことを言うのですね」
「〈世界魔法大戦〉では、ものすごいお世話になってましたからね」
「そうでしたね。ワタシも止めはしたのですが……」
私でも予想外の展開が多すぎて、どう反応すればいいのやら。点々バラバラに行動する仲間を見るのは楽しい。なのに、毎日が新発見の宝箱だ。
自分が生み出した人達なのに、わからないことが増えるばかり、それもいつしか日常茶飯事になっていた。
「久しぶりのお風呂は最高っすね……。ゲーム内だけど」
「そう言う犬は、大浴場で溺れてたじゃない」
『あの深さで溺れるのは、僕も驚きましたよ』
「アレンさんにチェリスさん、リゲルさんも朝風呂したんですね」
『ガデルさんでしたか? 僕はアレンさんと一緒なので……』
「あ、そうだった……」
なんてことか、アレンと身体を共有しているリゲルまで、人数計算に入れてしまった。加えてリゲルとは初対面に近い。
そういえば、リゲル達の住んでいた場所は、一体どんな世界なのだろうか? 異世界とは聞いていたけど、知っているのはそれだけ。この部分は他のみんなも理解しているけど……。
『僕の故郷ですか?』
「あ、はい。ちょっと気になっていたので……」
『アルヴェリアのことなら、王都ライナスの第三王子である僕に任せてください‼』
良ければ、ブクマ・高評価・レビューをお願いします!
レビューにものすごい反応しますwww。




