第1-EX話 第十九層にて……
「第……十九層……。ここをクリアすれば……」
「犬。あれから休み無しよね?」
「……次の層行けば……。休めるんすよね……?」
「そ、そうだけど……。一度野宿でもなんでもいいから、一息ついた方が良いと思うわ」
「チェリスしゃんに一票なんだりょん」
「フィレンも……」
特異点魔法の連続使用で、ガッチガチに疲れきった身体。第十九層は砂漠地帯で、さらに体力を削っていく。
こんな灼熱嫌だよ……。火山の方が酷いけど、火山の暑さとは全然違うじゃん‼ ゲームなのに汗だくだよ……。
――『おーい。しっかりやってるか?』
「る……ルグア……」
――『ったくアレン。慣れもしないで複数回特異点魔法を使うから……』
「す、すんません……」
――『しばらくは禁止な。私でも最初はそこまで特異点魔法使ってないのに……。これも若い人の好奇心かもな』
そう言ってるルグアも若いよね? 二十二歳だし? いやでもほぼ一回り? 半周違うのか……。半周? 半周だよね?
俺は十六だから。ちょうど半周だ‼ というよりも何月生まれなんだろ? 俺は五月二十八日生まれだけど……。
――『六月二十八日生まれ。ガデルは五月三十日生まれだよな?』
「はい。アレンさんとは2日違いですね」
「そ、そうっすね……」
「犬。ガデル‼ ボスが見えて来たわよ‼」
「ボスっすか?」
「あのアリジゴ……。おかしいわね……。さっきまで渦ができていたのに……」
――グウォオオオ……。
「アレンさん下‼」
「ふぇ?」
俺はガデルの言葉で真下を見る。そこには大きな渦ができていた。止まってもダメ。走って逃げようとしても滑ってしまう。
「雷夜‼」
「ふうにい了解‼」
――雷鳴 電撃‼
雷夜が技を発動させる。勢いよく発射される白い光線。けれども、状況は変わらない。俺の身体は知らぬ間に胸元まで埋まり……。って誰か引っこ抜いてよ‼
「無理よ。そこまで沈んだら。ボスは犬の足元にいるはずよ。アタシはここで待機してるから」
「そそ、そう言われてもっすよ‼」
「アイライが行くりょん‼ 砂に潜るのは得意りょんから」
俺のために挙手してくれてありがとう。フィレン……。休みたいけど、そんな簡単じゃんないもんね……。俺も気持ちを変えないと‼
「フィレンさんお願いしやす‼ 俺もがんばるっすから‼」
「頑張りを決めるのは仲間なんだりょん……。でも、アイライも応援しゅるりょん‼ お手伝いなんだりょん‼ 団長しゃんのためなら、なんでもやるりょん‼」




