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客人  作者: 焔夢
永遠に生きる子供
7/36

traintrend

「いやーヘッドの頭は羽を休めるのに丁度良いわ」

ギャグは冗談めかして言うと

「じゃあちょっと行って来るわ」

と便器の中に飛び込んで行った。

「お二人さん落ち着いて…」

「へぇ、この子が幹かぁ…思ったより不細工だな」

セットは溜め息をつきながら私の肩を抱く。

「これから一緒に旅をする仲間だ。幹、彼は案内役のマクロ」

マクロは立ち上がると、私の顔をジロリと眺め、こう呟いた。

「お前は自分の影に囚われちまっているな。そう言えば自分の荷物はどうしたんだ?」

私はハッと気付く。

私の学生鞄が無いんだけど、どこに置いてきたのだろうか?

ヘッドは遮る様にひょこっと顔を出す。

「あれ?」

ヘッドはピタリと止まり、ジャケットのポケットを探ると、ピンクゴールド色の欠片を取り出した。

「これ、セットに渡すの忘れちゃったーまぁ良っか。幹、これ預かっておいて」

「いやいやセット、それはこの子の持ち物じゃない。お前の手から直接、クラゲさんに渡すべきだろう」

と、セットは私の手を引きながら答えた。

男の人に余り触れて事の無い私は何だか照れてしまう。

先頭を行くセットさんは案内役だと云うのに、後ろを振り向きもしない。



ギャグは考える。虫である自分と比べて、人間たちはどのような目線で物事を見ているのだろうか。

そりゃあ俺は虫だから仕事はしなくて良いし、水道を使って自由に水族館やお菓子屋さんを行き来出来る。

あいつらはそんな俺を黙認しているが、多分本当は羨ましいのだろう。

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