trainaction
「あっ」
トカゲのブローチは私の手から滑り落ち、床にぶつかり粉々に砕けてしまった。
その瞬間ヘッドの顔色がサァっと青ざめるのが見えた。
「どうしてくれるんだよ!!」
ヘッドは血の気が引いたまま、怒りの声を上げる。
「ご、ごめんなさい…」
「クラゲさんが…トカゲさんが…」今にも泣き出しそうだ。
そんなに大切な物だったのか、私は頭に手を当てて考え込む、どうしよう。
「その…何か代用出来る物はないの?」
ヘッドの肩が震えている。
彼女は何も言わないで運転席に戻ると、器を一つ持ってきた。
亜麻色の透明な器だ。
しゃがみ込むと無言でブローチをその器に集め始めた。
私もしゃがみ込んでそれを手伝う。器に破片が収まると彼女はいきなり、その器に手を突っ込んだ。
「危ないよ!!」
私は吃驚して、その行為を止めようとする。
ヘッドは平気な顔でこう言った。
「大丈夫だよ。この宝石の中の偽物を探しているだけだからね」
ヘッドの手は傷だらけになっている。
「駄目だよ。いくら大切な物でも自分を傷つけてはいけないよ」
ヘッドは落胆しながら器から手を出すと、ピンクゴールド色の石を取り出した。
私の話にはテンで聞く耳無しだ。
「コレが偽物だよ!!」
とても綺麗なピンク色したその石、私はどこかで見かけたような気がする。
私は何だか、それがとても欲しくなり思わず聞いてしまう。
「どこで売ってたのそれ」
「セットから貰ったもの何だ…」
ヘッドはその石をそっと自分のポケットにしまうと、私の手を取りセットの居た座席へ導いていこうとする。
私は訳が分からないまま、セットちゃんの後に付いて行く。
ふと、窓の外を見ると街の明かりが見えた。
良かった!!これで帰れるんだ!!
疲れた…すっごい疲れた…
「あれ、街の明かりだよね!!」




