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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
31/204

第8試合 風良VS高美 1

 ケーブルテレビの料理番組生放送『COOKING☆えんじょい』残暑の厳しい夏休みも終盤。スタジオの中に熱気がこもっている。今回は物理的な環境もあるようだ。とりあえずいつも通り全ての事を電光掲示板で決めるわけではなく、たまにはという事なのか麺料理を作ってもらいたいという放送にする予定なのだとか。


「料理番組のタイトルも決まって対戦者ランダムで何度か真剣勝負をしているみなさんの顔が精悍になってきている気がしますよ。今日はどんな美味しそうな料理を見たり食べたり出来るでしょうか、楽しみです」

 司会のみことが、かなで達出演者の緊張しているものの問題のない、そして進行の邪魔にならない姿勢に感謝していた。


「生放送開始の時刻になりそうですのでみなさんスタンバって……おや!?」

 生放送が開始したのでテレビカメラをすぐには止められない。一番偉いカメラマンさんの言葉で番組中止までは映すと決まった。どうやら体のどこかの体調がすぐれなかった誰かがいたようである。

「放送開始時間になってしまっていますよね? すいません、ちょっと予想外のトラブル発生中となりました。迅速に対応しているところです。視聴者の皆様には申し訳ありませんが番組延期可能性もご承知おきいただければと」


 少し体がだるかったらしい香理が番組スタッフと二言三言話してから仮眠室に連れて行かれた。休んで体調が回復するならそれで良し、夏風邪かもしれないその状態が改善しなさそうだったら病院に行く事になりそうだ。

番組は生放送だし、どうするかを早急に決めなければいけない。番組のプロデューサーと審査員の3人、司会者の命も混じえて話し合いをし出していた。


「お待たせしてしまっている皆さん、今までの料理結果ハイライトをもうしばらく観ていてください」

 今日の生放送予定を約10分程度で細部までつめて決定したらしい事柄を番参審査委員長が発表する。

「お待たせして申し訳なかった2つのパターンがあるので説明させてもらおう」

 パターンは2つでまず対戦相手決めルーレットを回すまでは同じ、それで香理が選ばれるかどうかで生放送を中止するか否かを決定するとの事。ちなみに生放送中止の際はこの番組のよりぬきハイライトをやるとか。

 今日のような状況で司会が番組を続けていいかまだ少し迷っていた。なので番参審査委員長がルーレットを回すボタンを押す。


「番組を続ける事は出来るだろうか。中止の可能性はどれ程かのう。香理君は心配だがもし番組を本格開始する事になった場合は彼女の体調にも気を配ってもらえると助かる」

 今回はハプニングがありはした。電光掲示板のスタートボタンとストップボタンは押されたので対戦相手が決まるところだが、結果として誰が選ばれただろう。

 選ばれた2人はどうやら風良と高美だった。今回はメイン食材というか『変わった麺料理』というアバウトといわれればその通りな料理という事になる。高美が料理対決にキッチンスタジオに向かうという事はかなでには久しぶりに審査員としての心構えをしなくてはならないという事になる。


「ただ今、スタッフから入った情報によりますと香理さんは37度後半の熱があったみたいですが快方に向かっているとの情報です。ケーブルテレビ局の近くのお医者さんの話しでは知恵熱や疲労との診断だそうで。病気の疑いがなかったのは朗報ですね」

 司会者のみことからの報告は香理以外の番組参加者達を一安心させた。完全にとはいかないだろうけど選ばれた風良と高美は料理だけに集中出来るかもしれない。


「もちろん香理君の身体状況を心配してはいる。だがお2人、番組を続ける判断をさせてもらったので職務を全うして貰う形で頼むよ」

 直接言われたのはまだ審査しようという気持ちになりきれていなかった清と奏だ。若さや性格などでなかなか今の状況に順応できていなかった。




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