第27試合目 5
「うむっ、甘じょっぱい味がゴマとも調和して抜群な味わいを出しているのう。この鮮度の良さも目を引く。それから食べるシメにごまさばを茶漬けでという事だね。出し汁が用意してあるのが憎い演出だ」
2人の料理を食べるだけ食べて、残りはおじさんの妻が楽しむ。多めに作ってあるので出演者も味見を楽しむ。その間の待ち時間で今回の放送審査担当5番のおじさんが結果を決めたみたいである。
「お2人方とも、こちらの地域の料理を作ってくれて感謝する。迷ったがそんな所まで調べてくれたのかと思ったこちらにした」
有音の料理礼と、奏の料理札を手に持ってこちらだと伝える。結局はどちらともの感想を教えた。
「いか飯に焼き鳥、ご当地の鍋。お酒のおつまみにも夕食にもなり得る心配りが嬉しい食事だった」
そしておじさんが勝利した方と判断した奏の料理の事を話し出す。
「カレーに汁物や魚を付けて食べるか、そこらへんも参考に入れる人達もいるだろうもん。だけどおいどんはこれが食べたかったんだと嬉しかった。感激だったよ」
おじさんが手に取ったのは焼きカレー。どうやら一部地域にしかないらしく食べたかった料理がヒットした様である。
「どこの港か覚えとらんかったけん。食べたかった料理が出てきた事実は大きいのう」
美味しさや香り、メインとサブのおかずまたは飲み物との組み合わせなど総合審査。点数で表すなら有音側95点 奏側 98点と伝えられた。
「どうやら奏さんの方が審査員の求める料理を出せた。それが結果に大きく影響した様です。次回もよろしくお願いします」
※番組映像を観ている方々は別 実は今回審査員の皆さんは他仕事優先で来なかった
――番組終了後の会話――
「番組の新しい試み、地域によって調味料の味わいも違うしこちらも料理の幅が広がるよ。ところで奏くんは良くあんな料理を知っていたね」
風良に聞かれた奏、近くにいた想も興味があるらしく話を聞きに来た。
「今回の審査員に選ばれた人は漁師と言っていたじゃないですか。それならと漁師町のご当地料理で印象強い食べ物を出す賭けに出たんです」
現地に行くと決める 番組の出演料とかを使って数時間で九州方面に行った事、そこから連休を活用して数日かけて各地の港で情報を集めた事 漁師の人達から様々な料理があると学んだからと伝えたりして。
九州方面の港での一幕
「漁というのは難しいものですね、多く釣れる印象がありましたが」
奏の言葉に彼のアシスタントをしてくれた漁師の言は。
「その日の海のコンディションとか、釣ろうとしている魚とか色々とあらあな。まっ、スズキやらメバルが釣れて上出来上出来」
そうやって漁師の仕事体験をさせてもらい、仕事後に海の魚料理をごちそうになりながら情報収集する。
「あんた、船酔いせんかったね? 良い経験積めたんなら何よりと」
漁師さんの奥さんにお礼をする。
「新鮮な内に食べる刺し身や焼き魚は最高ですね、一味違います」
うんうんと満足そうな奥さん。港の近くが家の様で一度帰り、数分後に煮付けも用意してくれた。
「作り置きだけどこれもどうね? あんた都会の方の料理人卵なら知っとーよね」
「煮つけですね、味の染み込み具合が抜群です」
「一応工夫している事を言わせてもらうと熱湯をかけて流水、氷水。それからアク取りするしないで大きな違いがある様に感じ取るんよ」
漁師さん達から料理をごちそうになっている時間に一番聞きたい事を質問する。
「アシスタント漁師さん、港で食べられる料理でおすすめがあったりしますか?」
「食べさせている新鮮な魚以外でか? まあ港一つ考えても捕れる魚が違う。そういうの調べても面白か。やってみんしゃい」
「漁師体験含めてありがとうございました、これからに活かせると思います」
それから家に帰り、色々と調べた。例えばあご【さかな】やクジラ肉、うに、イカを使ったイカバーガー。それからカツオやカンパチを使用した料理など多岐に渡る。その中に、とある町ならではの港料理があったという訳だ。
「行動した結果の勝利って事ね。私も有名どころの料理情報を元に料理を反復学習していたけど少し足りなかった」
料理の情報量が多ければ審査員が求めているかもしれない料理に行き着く。その差が今回の試合に影響したのだろう。
今後の話は可能な限り早く更新したい。




