第3試合 奏VS込流 3
それも食して、審査の判断材料にすると審査員達が決めた。だが番参審査委員長に苦言を呈される。
「今回は周知の不備のため、奏君のした事を認めよう。しかし次回以降は料理テーブルに置いてあるものしか審査しないのでそのつもりで。減点1にしておくか」
自らのミスによる減点なので、奏はそれを神妙に受け入れる。奏が認めて欲しい所が評価されるか審査員達によって発表され出した。
「なるほど! 魚介類を入れた事でタイトル通りの料理になったな」
「あり合わせで作ったとは思えない美味しさだよ」
「肉+魚+野菜でバランスもすぐれているんじゃないかしら」
奏の料理には新鮮な驚きがあった、そんな表情をしている審査員達を見て有音は奏の勝利を確信。減点1なんてハンデにならないと思う。
「続きましては込流さんの料理審査に入ります」
司会者に促されて込流が審査員3人の席にそれぞれ料理を置いていく。
「ではまず一口。うむっ、採れたて野菜の素材そのものの甘味と合いびき肉が良くマッチしておる」
込流がしてやったりという表情になる。だが、審査委員長以外の2人が何かを気にしていた。
「味は確かに絶品に近い。だけど何というか」
「私も気になっていたわ。食感?」
評価コメントが終了すると、審査員達が評価ボタンを押して結果発表が電光掲示板に映し出される。今日は収録時間がおしているらしく、番組の料理審査が早速発表される。
ありあわせ野菜の八宝菜風 (奏 55点)
清 味総合 10 独創性 10
高美 味総合 10 独創性 9
番参 味総合 9 独創性 8
29 + 27 減点-1
じゃがいもひき肉炒め (込流 53点)
清 味総合 8 独創性 10
高美 味総合 9 独創性 9
番参 味総合 8 独創性 9
25 + 28
司会者の命が審査員達に勝因と敗因について語ってもらおうとマイクを向けた。審査員3人でまとめた事については前回と同じく、清と高美両審査員が参考になる教授コメントを考え始め出す。
「込流君の料理については審査委員長より改めて敗因が語られるので待っていてください。不満そうだけどそれで氷解するはずなので」
今回は審査委員長が奏と込流の評価基準を告げた。
「奏君の料理はこちらのミスで減点があったのだけど、2つの食べ方の楽しさ二重奏が高評価といったところだ。それで込流君の料理だけどじゃがいもに火が通り過ぎたのが食感の微妙な失敗につながったという結論である。失敗がなければあるいは――」
評価基準を聞いて込流が悔しそうにしていた。自らの失敗(もしかしたら奏の事を意識しすぎた面もあったかもしれない)を考えて次への糧にすると決める。
「負けは負けタイ。奏君、今度こそお互いの全力を出せると信じる!」
敗因を自分の中で消化出来た込流がすがすがしそうだ。奏はその込流の態度に好感を覚えた。
「今日はありがとうございました。今回は運が良かっただけなので次こそは実力で勝利を勝ち取りますよ」
先に勝負カードに選ばれなかった6人の元へ向かう込流は背中越しに、右手を高く上げてGJサインを出す。
「視聴者の皆様、応援ありがとうございました。両選手の手に汗握る料理勝負、いかがでしたでしょうか。いろいろと予定をつめていった結果、1ヶ月に1回の特別番組になりそうです。次の対決でも、ご家庭でお手軽に作れるレシピに期待したいところです。それではまたお会いできる日まで~」




