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異世界で猫に転生した俺は、理想の飼い猫生活を目指す  作者: たも吉
第二章 野望のはじまり
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ウ・コッケー

 ちゅんちゅん♪

 鳥の鳴き声で目が覚める。

「んんんー!」

 いつもの背伸びを一発。

 よく見ると、ここが自分の部屋ではないことに気づく。

 ベッド代わりのクッションも、自分の部屋のクッションではない。

「あー、そっか。

 昨日はフランたちが帰ってきて、話をしてたらそのまま寝ちゃったんだっけか」

 ベッドのほうを見ると寝ているフランがいた。

 キマイラのステーキで景気づけをした翌日から、この家に全員が揃わない日がよくあるようになった。

 澪たちは魔族の国「魔国マゾック」の王都である「魔都デモーン」にいる魔法研究で一番すごい人に協力を求めている最中らしい。

 魔族の国の王都は人間の国と同じく沿岸部にあるので、龍の巣からはすごく遠い。

 少しずつ説得していくということで、定期的に通うことになる。

 だから、基本的にデモーンに行った時は、澪たちは泊まりになる。

 というより、森からデモーンまで、ペガサスやドラゴンの速さでも休憩を含めて二日かかる。

 なので、澪たちがデモーンに行く場合、最低でも五日帰ってこれない。

 エルフの国「エルエール」の王都である「王都エルフィニア」にいるお偉いさんに交渉中のフランたちも、森からエルフィニアまで休憩を含めて一日かかるので、でかけた時は三日は帰ってこれない。

 昨日はフランたちが夜に帰ってきた。

 フランは夕飯を食べた後、俺に報告をした。

 なぜか俺を膝の上に置いて。

 いやまぁ、わかるよ?

 俺も人間だったら、猫は自分の膝の上に置いて愛でたいから。

 今の俺もようやく猫の可愛らしさが出るようになったってことだろう。

 それに加え、フランは何気に寂しがり屋で、わりとスキンシップをとりたがる。

 おまけにフランはなぜだかわからないけど、なんか俺に対して過保護なところがある。

 だからそうやって膝の上に置くのはわかるんだけど、まだまだ照れが出てしまう。

 猫なんだから早くこういうのも慣れないといけないんだけど、なかなかね……。

 そして話してるうちにフランはそのまま寝ちゃったんだっけ。

 まぁ、長距離移動をしたんだもんな、疲れてるよなそりゃ。

 俺は起こさないように気をつけながら部屋を出た。

「ジズー!

 おはようなのだ!」

「ジズー、おはよう!」

 外に出ると、今やうちの畑の番人と化している薫子さんとバハムルが元気に声をかけてきた。

「おはよう、二人とも」

「キャベツとレタスの畑の畝を作ってたの。

 こんな感じでいいかな?

 一応この本の通りにやったつもりなんだけど」

「えーっと……、うん、いいと思うよ。

 ちゃんと本の通りになってると思うよ」

「よかったのだ!

 じゃあ残りもやっちゃうのだ!」

「俺もやるよー!」

 それから三人で、朝食の時間までに畝作りを一気に終わらせた。

 作業を終えて家に戻ると、ダイニングには朝食を作っているロナだけがいた。

「ロナ、おはよう。

 フランはまだ起きてきてないの?」

「おはようございますジズー様。

「フランさんは先程起きてこられて、今は鶏小屋のほうに行ってますよ」

「そうなんだ、俺もちょっと行ってくるよ」

 前回ケモッセオに行った時、卵のために鶏を購入しようとしたんだけど、その時雫がボソッとこう言った。

「龍の巣に鶏系のモンスターっていないかな~?」

 龍の巣にいるかどうかはともかく、鶏系のモンスターというものがいるのかどうかをコロさんに聞いてみた。

 コロさんによると、ウ・コッケーというAランクの鶏系モンスターが鶏系では最高ランクらしい。

 白か黒の羽毛で、綿毛になっている。

 週に一個程度しか卵を産まないので、希少価値がとても高い。

 ただ、ウ・コッケーの中には稀に、神気をまとった神々しい希少種がいるらしい。

 ウ・コッケーの希少種は毎日何個も卵を産む。

 希少種は昔龍の巣で確認され、Sランク認定されている。

 龍の巣という過酷な環境にいると、生物の本能として種の保存のために卵をたくさん産むようになったのかもしれない。

 まぁ、なにはともあれ、俺たちはウ・コッケーの希少種を探してみることにした。

 龍の巣に戻ってみんなが魔族の国やエルフの国に出かけてから、俺と薫子さんとバハムルの三人でウ・コッケーを探しに行った。

 最近になって、ウ・コッケーが生息する場所を見つけた。

 神気なのかどうかはわからないけど、なんかオーラをまとってる感じの神々しい鶏だった。

 たぶん希少種なんだろう。

 仮にもモンスターだから暴れるかなと思ったけど、薫子さんに対してすごく従順だった。

 俺に対してもけっこう従順だったけど、バハムルに対してはすごく反抗的だった。

 バハムルがすごく悲しそうだったけど、とりあえず家に連れて帰った。

 今は家の傍に鶏小屋を建てて、そこで飼っている。

 鶏小屋は基本開け放っていて、寝るときと雨の時以外はだいたい外に出て適当に過ごしているようだ。

 ちなみに昨日フランとロナが帰ってきてわかったことだけど、ウ・コッケーの希少種は神気で相手を格付けするらしい。

 神気の塊のような薫子さんは、まさに主人。

 その薫子さんの眷属になって、薫子さんの神気をまとっているらしい俺も格上の存在。

 天使であるフランも神気をまとっているようで、わりと従順だ。

 バハムルとロナはドラゴンで、神気はないので完全な格下扱いというわけだ。

 なのでバハムルとロナは、ウ・コッケーに近づくだけで暴れられてしまう。

 まぁ、そういう生き物ならもうどうしようもないね。

 バハムルとしては鶏も可愛がりたいんだろうけど、こればっかりは諦めてもらうしかない。

 ちゃんと世話できるのか不安だったけど、俺たちの世話なんて必要なく、ウ・コッケーは自分たちでエサをとって食べるし、夜になるまでには帰ってきてくれる。

 鶏小屋だけちゃんと掃除してあげれば大丈夫そうだ。

 鶏小屋に着くと、フランが卵を回収していた。

「おはようフラン」

「ん、おはようだし。

 この子らめっちゃ卵産んでるし、びびるわ」

 うちでは基本ゴロゴロしてるだけのフランが自分から卵の回収をするなんて、昨晩食べたオムレツが相当気に入ったんだなぁ。

 このウ・コッケーたちの卵はとても美味しかった。

 これぞ高級卵!って感じで、その中でも最上級と言っても過言ではないだろう。

「あんなうまい卵をこんなに産んでくれて、ほんとこの子らには感謝だし」

「「「「コケー!」」」」

 気にすんなよ、とでも返事したような感じだった。

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信長の秘書

別作品の投稿を始めました。
今は仕事が忙しくて書けてませんが、しばらくはストックを投稿していこうと思います。
よろしければ、そちらもお読み頂ければ幸いです。

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