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異世界で猫に転生した俺は、理想の飼い猫生活を目指す  作者: たも吉
第一章 世界樹で野良猫生活
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黒猫商会

「えー、というわけでですね。

 今回はこのメンバーで行くことになりました。

 皆さんよろしくお願いします!」

 メンバーは、俺、バハムル、フラン、クリスさん、レオさん、百段、桜、椿。

 すごいメンバーだ。

 ドラゴン三人に天使一人にペガサス三頭。

 どこに攻め込む気だって感じだ。

 大丈夫かな、怖がられないかな……。

 ちょっと心配になってきた。

「クリスさんとレオさんには、街から少し離れた場所まで馬車を運んでもらいたいんですけど、いいですか?」

「任せて下さい。

 それから俺たちに敬語は必要ないです。

 クリスとレオと呼んで下さい」

「わかり――うん、わかったよ。

 で、街から少し離れたところから、百段たちに馬車をひいてもらいたいんだけど、いいかな?」

「ヒヒーン。(かまわんぞ)」

「「ヒヒーン。(わかりましたわ)」」

「ありがとう。

 んで、今回俺たちは「黒猫商会」という商会として取引をしようと思います!

 ぶっちゃけ、そのほうが相手にしてもらいやすいかなーって思っただけなんだけど、どうかな?」

「いいんじゃね?

 商会に天使がいれば無下にはされないと思うし」

「おー、さすが天使。

 俺一人だとただの小さなモンスターだもんな。

 取引なんてしてくれそうもないし。

 よし!じゃあ俺たちは黒猫商会ってことで!

 では出発!」




 パカラッパカラッ。

「いやー、馬車で移動するこの感じ、めっちゃ懐かしいなー」

「前にもこんなことしてたん?」

「人間の国の王都から龍の巣まで旅したんだけど、その時こんな感じで百段たちに馬車をひいてもらって移動してたんだよ」

「人間の国をジズーとペガサス三頭で旅したん?

 超チャレンジャーだし」

「いや、俺たちだけじゃなかったけどね。

 人間の子が二人一緒だったんだ」

 二人と旅した時のことを思い出すとまだちょっと寂しいな。

「なあなあジズー!

 あれが街なのか?」

 バハムルが指差す方に街が見えた。

「うん、あそこが街だね。

 にしても、獣人の国は龍の巣から近い場所に街があると聞いてはいたけど、こんなに近いとは思ってなかったなぁ。

 人間の国は最南端の村でも相当離れてたし、しかもかなろ小さな村だったし」

「龍の巣に近い森ほど資源とモンスターのランクが高いし。

 一攫千金を目指すやつと、そいつら相手に商売するやつらが集まって大きくなった街っしょ」

「なるほどなー」

 街に近くなると、街の外で作業してる人の姿が視界に入ってくる。

 おおー、すげぇ獣人だ!

 超ファンタジーだ!

 耳と尻尾がついてるだけのようなほぼ人間と変わらないタイプから、顔がほぼ犬だったり兎だったり豚だったりの二足歩行な動物みたいなタイプまで様々いるようだ。

 そして残念なことに猫タイプは見当たらない。

 マジか……いや、まだ街の外。

 街の中でワンチャンある!

 バハムルも獣人を見るのは初めてなのか、さっきからずっと興奮気味にキョロキョロしてる。

 そうこうしてるうちに街の入口についた。

 通行税を払って街の中に入る。

 門番の人や周りにいた人たちは、ドラゴンと天使の来訪に騒然としていたが、適当にそれっぽいことを言ってその場をごまかした。


 街の中心部へ向かう道を少し進むと冒険者ギルドと商人ギルドがあった。

 お向かいさんなんだな。

 冒険者ギルドの中に入ると、いきなり現れたドラゴンの子供と天使にギルド内は騒然とした。

 門番の時と同じようなやり取りを受付の人とした後、ギルドマスターの部屋に通された。

「このケモッセオの街の冒険者ギルドマスターのコロだ。

 ドラゴンと天使を率いる商会とはな、驚いたぜ。

 で、何の用で来たんだ?」

「羽の生えた赤い牛を持ってきたんですが、解体をお願いしたいんです。

 それだけだったんですけど、なんかここに案内されちゃったもので……」

「あぁ、そうなのか。

 にしても羽の生えた赤い牛っつーとレッドブルの希少種じゃねーか。

 なかなかすごいのを持ってきたなー」

 レッドブルっていうのかあの牛。

 そのまんまだなぁ。

 翼を授けられたんだろうか。

「そうなんですか?

 私は世情に疎いもので……。

 商会を立ち上げはしましたが、まずは資金を作ろうと思って龍の巣で数匹だけ狩ってきました。

 儲けたいと思っているわけではないので、相場で買い取って頂けるならこちらで半分買い取ってほしいと思ってます」

「そりゃこっちとしては大歓迎だが、半分はどうするんだ?」

「商人ギルドのほうで売ろうかと考えてます。

 今後この街で取引することがあるかもしれないので、どういう対応をするのか見ておきたいのです」

「なるほどな、言い方は悪いが試そうってわけだな」

「まぁ、そうですね」

「じゃあ自分の目で確かめてくれ。

 この街の商人ギルドマスターは良いヤツだからな」

「そうですか、それは楽しみです」

 そのあとレッドブル三匹を解体してもらい、肉と羽と角と蹄を半分買い取ってもらった。

 白金貨七枚になった。

 正直驚いた、まさかこんなに高い牛だったなんて。

 ギルドマスター曰く、レッドブルはランクAのモンスターで、希少種はランクSだという。

 赤い牛は龍の巣ではわりとよく見かけるんだけどなぁ。

 さすがは龍の巣。

 残り半分の肉や素材を受け取って、そのまま向かいの商人ギルドに入った。

 ここでもギルドマスターの部屋に通された。

「商人ギルドマスターのアキナ・イスールと申します。

 どうぞよろしくお願い致します」

 そう言って頭を下げたのは、うさみみが可愛らしいお姉さんだった。

 めっちゃ若く見える。

「びっくりしました、すごくお若いですね」

「はい、正直私自身不思議に思ってはいますが、去年ギルドマスターに空きができた際に任命されました。

 若輩ではありますが、精一杯務めさせて頂いております」

「なるほど。

 本日は龍の巣からレッドブルの希少種を三頭持ってきました。

 半分は冒険者ギルドに買い取ってもらいましたが、もう半分をこちらでお売りしようと思ってます。

 取引お願いできますか?」

「半分ですか……?

 なるほど、かしこまりました。

 龍の巣産の物をお持ち頂けるのは大変ありがたいのでぜひ取引させて頂きたいと思います」

「ありがとうございます。

 では物を持ってきますね」

 牛の肉と角と蹄と羽を別室に運び込み、アキナさんが査定する。

「すごいですね、肉も素材もどれも状態がとても良いです。

 龍の巣のモンスターがこんなに良い鮮度でこの街に入ってきたのは初めてかもしれません!」

 アキナさんは興奮しているのか、少し早口だ。

「ではこちら全てを白金貨十枚で買い取らせて頂きたいと思いますが、よろしいでしょうか?」

「え、白金貨十枚ですか?

 そんなに?無理してないですか?

 私は大儲けしたいというわけではないので、相場くらいで十分なんですが」

「いえ、これでも十分な利益が見込めるんですよ」

「そうでしたか。

 すみません、無知で申し訳ないんですが疑問があるのですが。

 向かいにこんなに高く買い取ってくれる所があるのに、冒険者ギルドで売る人が多かったのはどうしてなんですか?」

「冒険者ギルドさんは基本的に相場買取なんですが、余計な手続きだったり交渉だったりが必要ありませんので。

 手軽に手早く売りたい冒険者さん等にはやはりあちらのほうがいいんでしょうね。

 こちらはやはり商人ですので。

 利益が見込めないものは買い取らないこともありますし、値段交渉でバチバチとやり合うこともあります。

 当然需要の高い良い物は高くても買い取りますので、冒険者ギルドと商人ギルドをうまく使い分けるのが一番だとは思います」

「なるほど、納得しました」

「他に問題がなければこのまま買取させていただきますが、よろしいでしょうか?」

「はい、お願いします」

「ではこちら白金貨十枚になります。

 お確かめ下さい」

「はい、確かに。

 本日はどうもありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました。

 またのご利用をお待ちしております」


「とりあえずこの街での取引はこれで終わり!

 今日はこの街で宿をとって明日ゆっくり森に帰ろうと思うんだけど、いいかな?」

「このまま帰らないのか?」

「別に急ぐ必要はないからね。

 適当に屋台を食べ歩きでもしながらこの街をいろいろ見て回ろうか。

 せっかく森から出てきたんだし、楽しまなきゃね!」

「賛成なのだ!

 いろいろ見たいのだ!」

「「食べ歩きだなんて最高です!」」

 クリスとレオはすっかり食いしん坊キャラになっちゃったな。

「あっしもせっかくだから買い物したかったからオケツ~」

「よし、それじゃ適当に見て回ろう!」

 その日は日が落ちるまで観光を楽しんだ。

 宿の部屋に入ると、みんなあっという間に眠りについた。

 みんなはしゃぎ疲れたみたいだ。

 俺もはしゃぎ疲れた。

 お金も思ったより稼げたし、一安心だ。

 よし、俺ももう寝よう。

 おやすみ!

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信長の秘書

別作品の投稿を始めました。
今は仕事が忙しくて書けてませんが、しばらくはストックを投稿していこうと思います。
よろしければ、そちらもお読み頂ければ幸いです。

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