20話 素材がつなげる縁ですわ
大きな赤い石を中心に、周りには同じ赤い色のバラがあしらわれている髪飾りを手に取るマリアンヌの顔には、喜びが溢れていた。
「まあ、これを私に?」
「はい、先日のお礼です」
「ぜひ受け取ってください」
「その赤い石、先日先生から部屋整理したお礼にもらった1つなんですけれども、マリアンヌ様のイメージだったので!その石見かけるものではあるのですが、大きさと色が珍しいもので・・・」
ソフィアとミトが廊下で上級生に囲まれたところを、マリアンヌに助けてもらったと聞いたルティ。3人でお礼として、髪飾りを作ろうと話し合い、ルティはちょうどマリアンヌに合いそうなのがあると提案した。
「早速つけさせていただきますね、少しこちらでお待ちになって」
マリアンヌがそう告げると、別の部屋へと移動していった。
マリアンヌの横に座っていた、見覚えのある髪飾りをつけた、3人の学生が話しだした。
「改めて、先日は、私達へのプレゼントを作成いただいでありがとうございました」
「とても美しい組み合わせですね」
「使いやすいし、毎日使っているんですよ!」
6人でわいわいと話が盛りがった頃、マリアンヌが部屋へと戻ってきた。
「お待たせいたしましたわ。どうかしら」
輝くような金色の髪に、赤い石とバラの鮮やかさがプラスされ、さらに華やかな雰囲気に見えた。
「とても素敵ですわ!」
「お似合いです!」
口々に感想を言い、マリアンヌを褒め称える。
「うん、やっぱりマリアンヌ様の瞳の色は、ほのかに赤色を帯びているから、それに合わせて大正解!」
そうね!良かったねとミト、ソフィアそしてルティが喜びあう。
「ありがとう、とても嬉しいわ。華やかだから、普段使うにはもったいないから、お出かけの時につけさせていただくわね。そういえばみなさん、夏はどうなさるの?」
マリアンヌにとても喜んでもらえたようで、ほっと胸を撫で下ろすルティ達であった。
夏休みかー。実家の素材がどうなってるかも気になるけど、素材集めの旅とかしても楽しそう!
学園に入って初めての大型休みに、胸躍らせるルティであった。
「来週から長い休みに入ります。休みだといって、みなさんはめを外しすぎないようにしましょうね」
まあ、私の学生時代なんか遊びまくってましたから、みなさんは反面教師にしくださいね。
あはは。
ルード先生がおどけて言う。
んん。ミトが咳払いをする。
「あ、今日はダルガックさん、クラウニーさん、ガルディアさんからみなさんにお話があるので、少し時間を欲しいと言われているんでした。では、クラウニーさんどうぞ」
「先生、ありがとうございます。えーみなさん、みんなと同じクラスになれたのも、何かの縁。クラス全員と、先生に私たちから贈り物です。使ってもらえたら嬉しいです」
ソフィアとルティが手分けをしてクラスメイト総勢21人に渡していく。
「これは、ペンにつける飾りです。ペンは指定の品を使っている人が多いので、見た目同じで、誰が誰のだかわからなくなる、とたまに聞きます。これをつけておけば自分のものが一目でわかります」
こんな感じで使いますと、実際にミトは自分用の品を、ペンにつけて見せる。
「飾りは私たちがみんなをイメージして作ったものなので、1人1人違います。良かったら感想も教えてもらえると嬉しいです」
「今後もよろしくお願いします。夏休み気をつけて過ごしてください」
先生にお礼を告げ、自分の席に戻った3人。
「まさか僕の分もあるなんて。ありがとう、早速使わせてもらうよ」
そう言って自分のペンを取り出し、飾りをつけるルード。
それをみた生徒達は、次々とペンに飾りをつけ始めた。
「えーきれーい」
「ものすごく細かい」
「俺こんなイメージか」
「やべえこの組み合わせてでもっとなんか欲しい」
感想の声がクラス内に高まっていった。
ぱんぱんと手を叩くルード。
「じゃあ、感想は3人に直接言うとして、みんなでお礼を言おうか。ありがとう」
ありがとうー!
クラス内は、大きな拍手に包まれた。
「ソフィアさんがつくったのよね?すごい!」
「私たちに作ろうって言ってくれたのはミトなの?ありがとう!」
主に女子クラスメイトに取り囲まれたソフィアとミト。
「作ったのは私だけど、作れる素材を提供してくれたのはルティよ」
「そうそう、調整したのは確かに私だけど、ペンの飾りのアイデアを出してくれたのはルティなの」
ルティの方を振り返るクラスメイト達。
「ありがとう、すごく可愛い」
「これで自分のペン間違えることなくなるわ!」
口々にお礼を言われ、照れながらも笑顔で応えるルティ。
「これだけの種類の石とか、一体どうやって手に入れたの?」
・・・パチ。
「そうこれらはね、家から持ってきたものも一部あるんだけど、ほとんど学園の周りで手に入るものなの。ここの学園本当にすごいのよ!あ、貴方のその少し青みがかっている石はね・・・」
スイッチが入ってしまったのか、素材話が止まらなくなるルティであった。




