鬼さんこちら、手のなる方へ 1
イサクの頑張りが功を奏し?受け入れ準備はほぼ整った。
遂に本格的な鬼族らの輸送作成を始める事になった。
国の建設はまだ計画段階だが、早めに環境に慣れて貰いたいって事や、
やはり数が多いので、ぼちぼちと始めておこうとそうなったが…
そもそもは食糧の問題だった。再び大きなヘビを置いてはきたが、やはり多勢に無勢?
幾らヘビさんが大きいとはいえ、そもそもヘビ一匹賄える規模では無いと…
そして、まずは女子供とけが人から優先するが、
その護衛や面倒をみるべく、やはり数人の男も同時に移動となる。
さしあたって、グシオンはコチラ(ガイナ村)で、その担当責任者となって貰い、
例の?期待外れ君は適当な頃合いに、
族長は最後に移動となるそうだ。
特にマッスー…彼はまあ…好きにしてくださって良いです…
そして輸送に際し、さっきからミューが、超巨大な糸の玉を、ひたすらに作っている。
既にその直径は、十五〜二十メートルは有りそうだ。
その格好が、フンコロガシに見えたが…それを口にはしない。俺は空気が読めるからな。
族長に、アレは一体何をしているのかと質問されたが、
自慢じゃ無いが、俺にも一切分からない。
フッ…まあ、ソイツはあとのお楽しみだよっと、苦し紛れの言い訳でその場は逃げた…
まあ誰にだって…そう言う日も有るのだよ…知らんけど。
そしてその巨大な玉だが…
その上へとミューがスルスルと登っていき、てっぺんまで来たら、なんと魔法で一気にぺっちゃんこにしてしまった。
勿論、一見平静を装っては居たが、内心ビビり散らかしていたのは当然、内緒ですよ…
そしてその、ぺっちゃんこの一枚の布の様な糸の上の中央に、頭と脚の向きを交互に、
横に一列でグシオンと子供達三十人くらいを並べ、
まるで巨大な餃子かハルマキですか?って感じで、その鬼族らを包んでいく。
完全密封したらば【深淵】に押し込み、すぐ様、ガイナ村作戦本部付近へと移動する。
一応?安否の確認も有るので俺もガイナ村に移動し、巨大餃子の皮をめくっていく。
グシオンは既に経験済みだったので、速やかに起き上がり、皆を起こしながら異常は無いかを確認している。
特になにも、問題は無さそうだな。
では、次から次へと移動させていこう。なにせ大人数だからな。グズグズはしてられん。
それから約十回くらい、ひたすら餃子の皮の開けしめを繰り返し、
ようやく最後の一団、族長とその残りを包まんとしてたその時だった。
どうやら、鬼族らの食糧…つまりは俺が出したったヘビを狙って、まさかの獣人の盗賊団が現れた。
コッチの人数が減るのを、じっと待っていた風だったが…
そこに居た獣人らは皆痩せ細っている…どう見ても、闘ってどうこうって問題以前にしか見えないな…
族長は、俺が動くまでも無い…この様な者、我らの敵では無い。
そう言って俺を制止し、武器を抜こうとしたが、
その族長の制止を、俺が止めた。
まあ待てと。
コイツら、ここにいるのが鬼族と判って居て尚、襲撃して来たって事だよな?
そもそも、鬼族でさえ、獲物が取れずに足掻いていたわけで、
当然なのだが、その鬼族よりも弱者なら更に、現在の食糧危機はより深刻な筈だ…
死を覚悟までして、ここへ来たって事なんだろう。
こう言っちゃなんだが…ここにはどうも、お約束の匂いがプンプンしている。
あれだよ。うちには飢えた幼子が…とか?
オラたち、もう何日も食ってねえだよ…とかさ。
そう、俺くらいの洞察力を持っていれば、そのて…(※以下略)
おいアンタら、食うもんに困ってんのか?
だったら食うもんやるからさ、そんな物騒な武器なんかしまっとけよ。
俺の問いかけに、向こうさんは相当驚いていた。
そりゃ、すぐに戦闘になると思っていただろうからな。
俺はそこらに大量の魚を出してやった。
ついでに日持ちしそうなパンや干し肉おまけにつけといた。
まあこんなもんか?
オッサン、家族残して無駄死にしたって、
寧ろ良いことなんかなんもねえぞ?残った者たちの事も考えろよな。
何人居るかは知らんが、これだけありゃ数日は食えるだろ?
余計な御世話だが、しばらくここじゃ狩りなんか出来んぞ?生き物の気配も全く無いからな。(※九郎がサーチ済み)
サッサとどっかに引っ越した方が断然良いと思うぞ?
当の獣人らは勿論だが、鬼族らでさえ、ポカーン状態だった。
まあ…立つ鳥あとを濁さずって事だよ。
そもそも、大元はお前ら鬼族が大喰らいなのが原因だろう?
まあ…その迷惑料って感じかな?
ここってそもそも、地竜の管轄だからな…
てめえがなんとかしてやれやって、
今度会ったら地竜には言っといてやるけどさ。
そもそもだが、これだけは言っとくが…
俺は相当強ええぞ?そんなガリガリで大丈夫か?
あーっはっは、ウソだよ。冗談、冗談。喧嘩する気は無いよ。
まあそれ食って、達者で暮らせよな。
そう言って、最後の餃子の具を包んで、俺達はここを離れた。
ガイナ村では早速、鬼族らの各家の振り分けが始まっておりますね。
うんうん、順調そうでなにより。最後の一団も、そこに混ざっていったが…
族長だけがわざわざ俺のトコまで来て、膝をついた。
俺のやった事について、自分がやろうとしたことについて、
自分でも色々と考えたらしい…
まさしく力づくで全てを収めて来た鬼族だが、
ここで生まれ変わって生きていくと、そう決めていたのに、
愚かにも自分は、あの獣人らを、殺すことしか考えて居なかったと…
それをかなり悔いていて、あろうことかもう一度、自分を殴ってくれとか、馬鹿げた事を仰ってますが?
君ねえ?…僕は見た目通り、暴力反対派だよ?
急ぎグシオンを召喚し、間に入って貰った。とにかく?アザゼルの顔も含め、鬼族って無言の圧が凄い…
だが…俺って一体…
アザゼルらから見て、どんなイメージなのだろうか?
まあ…ぶっ飛ばしたって自覚は有るし、それを見た大勢の…大きな悲鳴も確かに聞いたよね…と。
うん、コレはかなり不味いな…早急にイメージアップをせねば、
今後の俺と鬼さん達との関係に、なにか大きなシコリが残ってしまうでは無いか。
よし、なら今夜はBBQだな…引っ越し祝いって事で。
トラブル防止?の意味で、アマジャさん、弟さん、親戚さん、シレンさん、そしてアーデが、
既に徒歩移動でガイナ村まで移動し、ここに待機していた。
おお、助かります。
なんせ、急ぎまずはかまどとトイレだな。
鬼族らとも協力し、共同のかまどを数カ所と、トイレも数カ所、すぐ様設置した。
既に下水用の水路も掘ってあるので、上に作ればなんの問題も無い。
どちらもすぐに、増やせる準備だけはしておいた。
【深淵】で刈り取った大量の草木は、砂漠で乾燥させ、既に燃料として使えるようにしてある。
まあ…あとは細かくカットするだけなんで、そこは鬼さん達に任そうと思ってるけど。
そして、そこにシャダ商会からの馬車も数台到着しました。
当面の食糧や衣服、日用品なんかを俺が取り寄せた。
ちなみに、トニーさんトコで俺が買ったんだが、
コレは鬼族名義で買ったんで、いずれは返済してもらうぞって、そう言う事にしてあるが…
あの円卓の方が、実は遥かに高かったのだよ…
軽く三倍以上だ…そりゃ誰だってビビるよね?
あれを思えば、別に大した額でも無いからね、
本心じゃ、別に返さなくたっていいんだけどさ。
一応?建前ってか、気持ちは大事かなと。
じゃあ、そろそろ飯の準備に移ろうか?
今晩は宴だぜ?
え?おかしいな、今晩…も?でしたっけ?




