37 兎娘4
注意。
この話は「短編03 兎娘」のしいなとみのりのifです。
「僕」が告白したときの反応を書いてます。
また、告白された方の反応をお見せするために、告白されない方は描写しておりません。
今回はみのり編。
しいなファンの方は回れ右か「前へ」をお願いします。
~みのりの場合~
いざ事を前にすると、なんと言おうとしていたか忘れてしまった。
どう言おうか迷っている。
だが、目を閉じ、きゅっと拳を握り締め、震えてその時を怯えながら待つ彼女には、耐えがたい時間だろう。
僕は急ぐべきなのだ。これ以上待たせるわけにはいかない。
だから僕は、何も言わずみのりを抱きしめた。
腕の中で、みのりは体をこわばらせ、ゆっくりと柔らかく力を弱めていく。
「せんせー?」
不安げな声をみのりは呟いた。
不安は拭えないらしい。
「みのり」
みのりには笑顔が似合う。
僕は抱きしめるのを一旦やめ、みのりの耳元に口を近づけた。
「僕はみのりを愛している」
そう、囁き、直ぐに彼女をまた抱きしめる。
みのりが息を呑んで、自分のお腹あたりに置いていた腕を広げた。
「せんせぇ!」
みのりはそのまま腕を僕の体に回す。
「わ、わたしも!
わたしも愛してるの!」
みのりが強く僕の体を締め付ける。
胸に彼女の柔らかな膨らみが押しつけられ、筋肉質な腕のこわばった感触を背に感じた。
ああ、愛されている。
僕は今みのりに、体一杯を使って愛されていると分かった。
僕も、お返しに愛するべきだろう。
彼女に抱きしめられたままの姿勢だ。
出来ることは限られる。その制限の中で、精一杯に表現するんだ。
僕は彼女の頭に手を置いた。
「僕の可愛いみのり」
背に回した方の手を腰の辺りまで下げ、力を少し入れる。
みのりの頭に置いた手を広げ指を緩く曲げ、彼女の髪に絡ませた。
手櫛で髪を梳ることはしない。
彼女の温度をもっと感じるために、頭に、より彼女に近く触れるためにだ。
「せんせー」
みのりが甘い声を出した。
いつか聞いたあの声だ。
演技ではなく、自然なみのりの気持ちが篭もった甘い声が、とてもそそる。
「みのり、一杯、愛し合おう?」
「うん」
みのりの顎が僕の肩を強く押した。
大きく頷いた、のだ。
「愛し合おう!
好き合おう?
いっぱいいっぱい、愛しあお!」
僕の背に回された腕に一段と力が込められる。
陸上部の彼女は腕にも意外と筋肉が付いているのだな。
「これからもっと、互いに知り合おう」
「もっと、せんせのこと知りたい!
私の事、教えたげる!」
みのりが僕の言葉に応えた。
僕たちの気持ちは、同じのようだ。
僕はみのりの腰に回した腕を外し、みのり肩を僕から離すように引く。
みのりは反射的に体をよじって嫌がった。
「まずはキスしよう」
みのりの耳元で囁く。
みのりの腕が緩んだ。
彼女に意図が伝わった。
僕はみのりから少しだけ離れる。
すぐに、僕たちはまたくっつき合った。
いかがでしたでしょうか?
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