074 異変
シュサ都に留まり、敵を探りつつ戦いの準備を始めたバール達。しかし、敵の動きに変化が生じたことに気がつく。
「敵が……動き出しました……」
アンナのその言葉に、最初に反応したのはディープだ。
「どうかしたの?」
「敵が散らばり始めました。……左右に2人グループが2つずつ。そして中央に6人……その中の1人からは、大量のパワーを感じます。」
続けてバールも反応する。
「大量のパワー……敵のボスですかね?」
「どこに向かっているか分かる?」
「それが……シュサ都ではなく反対の東ペビア国なんです。しかも、ママクル方面に……」
東ペビア国、ママクル。そこは豪華な宮殿がある王都で、敵がこれまで避けていた多くの人で溢れ返っている地である。
「ママクル?どうして急に……これまでの行動パターンは誰にも悟られず、小さな村を静かに狙う……何を始めるつもりなのかしら……」
「ディープさん、東ペビアにはモエ達がいます。ママクルはそっちに任せて、ボク達はエドさんと合流した方がいいんじゃないですか?」
ハヤトは冷静だった。その判断に、ディープも感心する。
「確かにそうね。とりあえず連絡を取らないと始まらないわ。」
まずはウリ・ベガドの民の集落にいるクロガネ班と連絡を取ることにした。
「そうか……こっちは今、協力者を見つけた。そっちの状況は分からんが、ママクル付近に到着したら俺から連絡する。」
「何が起こるか分からないから、十分に警戒してちょうだいね。」
次は、テワ国で被害状況の確認を行うエド班に連絡を送った。
「こっちも少し妙なものを見つけたんだ。とにかくそちらに向かうから、状況は合流してから報告させてくれ。」
「分かったわ。まだシュサ都に留まるつもりだから、近くまで来たら教えてちょうだい。」
クロガネ、そしてエドとの連絡を終え、再び敵の目的を探り始める一行。その恐ろしく、剣呑な作戦を、彼らはまだ知らない。




