073 マイキー・サンダース
「くくく……餌用も弾用もだいぶ集まってきたな。さすがは私の開発した兵器達だ。」
マイキー・サンダース。大陸戦争で命を落とした元六槍師サンダースの父親で、ブラックデビルの開発者。ロスクルド帝国没落後、消息不明となっていたが、未だに裏で計画を進めていたようだ。
人類クリーガー化計画と呼ばれるその計画は、禁断の薬であるブラックデビルを利用し、超人的な力を身につけた人間を量産。その圧倒的な制圧力の下で世界を支配するというものだ。彼はまだ諦めていなかった。
「私の最高傑作、ラミューダ。お前はまだまだ強くなる。」
暗闇で自らの欲望を口にするマイキーに、スピラが頭を下げている。
「総帥。この近辺の村は全て制圧しました。そろそろ都を狙うべきかと。」
「そうだな……特上の餌を与えるにはいずれ動かねばならぬ。」
「六槍師……ですか?」
「あぁ、そうだ。ラミューダに奴らを殺させれば……この世は終わりだ。」
「待て。」
総帥が不気味な笑みを浮かべ、次の攻撃指示を出そうとすると、先程まで眠っていたはずの影が動き出した。
「どうした?ラミューダ。」
「いつからか分からないが、気配を感じる。まるで何かに監視されているような、気分の悪くなる気配だ。」
「総帥、まさかもう……」
「方向は?」
マイキーがこう問いかけると、ラミューダは静かに、気配の方向を指した。
「シュサ都だな……わからぬ。私たちを見張っている……?気配の数は?」
さすがに数までは分からないようだ。目を閉じ、首を振るラミューダ。
「総帥。おそらく都が攻められるのを警戒しているのではないでしょうか。もしそうだとすると、既に我々を迎え撃つ体制が整ってる可能性もあります。……クラウスとデルッツは敵の動きをある程度制限することができますが……続行されますか?」
「いいや、作戦変更だ。シュサから離れるぞ。」
「しかしそれでは……!」
「問題ない。次の目星は付けている。そこで我々も準備すればいいだけの話だ。」
男の丸い眼鏡の下は、相変わらず薄気味悪い笑みを浮かべていた。




