071 クリーガー
「おいおいおい、どうしたんだよ?ネリゲール。グラト・Nはその程度なのか?」
薄暗い謎の空間に、1人の男の笑い声が響き渡る。
「……やめておけ。スピラ。所詮あいつは力任せの能無し野郎だ。その下に付く奴らの力など、たかが知れている。」
その後方からもう1人やってきた。見た目は男だが、体は細く、髪は腰まで伸ばしている。
「あのよクラウス、俺とデルッツは新鮮なまま餌を連れてきたんだぜ?それなのにこいつと言ったら、村を血塗れにして大暴れだ。暴れたいなら1人でやってろよ。俺たちは団長に忠誠を誓った。団長の指示に逆らうんじゃねえ。」
「そのデルッツはどうした?スピラ。」
「どっか行っちまった。まぁ餌を取りに行ったわけじゃねえだろ。あいつが幻覚を見せて俺が地下室へ飛ばす。それが1番楽なんだ。わざわざ面倒なやり方は選ばねえよ。」
どうやらエド班が到着した村の住民はスピラとデルッツ。この2人に拐われたようだ。目の前が白くなる現象と、瞬く間に消えた村人の話は2人の能力に関係している。
「次はどこにいくんだ?」
「もうこの辺に人はいねえよ。栄えてるところには手出すなってあの方からの指令もある。」
すると、横からネリゲールが口を挟んだ。
「……あの方は、既に次の獲物を見つけている。団長をこの世で1番力を持つ者にするための獲物だ。」
「どこにいるんだよ。そいつらは」
「……奴らは、おそらく大きな騒ぎを起こすとやってくる。僕らを止めるために。それを逆手に取るんだ。」
「なるほど。あえて都市を狙うことでこちらに注目させ、一網打尽にするわけか。」
「感心してる場合かよ!……俺たちはあの方の意の下、そして団長の実力の下で世界を支配するんだ。まぁ、お前みたいにヘマはしねえけどな。」
そう言ってスピラはネリゲールに唾を吐きかけた。黙って下を向く姿を、蔑むような目で見下している。
「…………くそ。僕だって。」




